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選考のエントリーシートや面接を通して「自己PR」をすることは就活生が内定を得るために突破しなければならない大きな課題です。しかし、自己PRという言葉はぼんやりしていて具体的にどのようなことを伝えるべきなのか悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。今回はマーケティング的な観点でPRを理解し、どんな「自己PR」をするべきか考察します。

選考あるある「自己PR 」

エントリーシート内の設問や面接の質問に必ずと言っていいほどある「自己PR」ですが企業はどのような目的でこの問いを設定しているのでしょうか。企業によっては「あなたの強みを教えてください」という形で聞かれることも多いようです。しかし、「自分の強み」を見つけ出すことも、それが企業にとっても魅力的かどうかを判断することも難しいのが事実です。今回はそうした疑問についてマーケティング的な思考を用いて考察します。企業ににとって魅力的な自分の強みを探し当て、上手にアピールしましょう。

PRとは?

マーケティング的な観点

マーケティングの基礎は【4Ps】で成立しています。多くの就活生もご存知ではないでしょうか。4Psは「製品」「価格」「販路」「販促」で構成されており、「販促=promotion」の具体手法の1つとしてPRがあります。また、「プロモーション」は「マーケティングコミュニケーション」と言い換えることもできます。
PRという単語を聞くと「プロモーション」の略であると考える人も多いようですが、マーケティングでは「パブリックリレーションズ」の略として使われることが一般的です。
パブリックリレーションズとは、
「組織とその組織を取り巻く人間(個人・集団)との望ましい関係を創り出すための考え方および行動のあり方である。」
(出展:日本パブリックリレーションズ協会https://prsj.or.jp/shiraberu/aboutpr)としています。
つまり、販促で対象となる商品を広告とは異なる色々なコミュニケーション方法(SNSでの口コミを喚起したり、サンプリングを行うことなど)で消費者に魅力を感じさせ、「欲しい」と思ってもらえるように促すことです。

企業と就活生の関係とマーケティング

購買者が魅力を感じることができるようにコミュニケーションを取ることがPRとすれば、就職活動における自己PRはどのような意味を持つでしょうか。
それは、様々な選考を通して企業にとっての自分の魅力を伝え、「採用したい」と思ってもらうことです。
では、企業にとって「採用したい」と思えるようするためにはどのような自己PRをする必要があるでしょうか。それは就活でも「自分(自社)」「同じ企業の選考を受ける他の候補生(競合)」「選考を受ける企業(顧客)」というように【3C】を活用して考えることができます。つまり選考を受ける企業だけでなく、自分以外の同じ企業の選考を受ける候補生の特徴についても分析し、数多くいる候補生の中から自分を選んでもらえるように自己PRを工夫する必要があります。

実際に自己PRを作ろう

マーケティングに則って考えることで、企業と他の候補生について分析することも重要であることが分かりました。
上記のような3Cに沿った分析(外部分析)と自己分析(内部分析)をすることで自分でも分かりやすく何をどのようにPRすべきか見えてくるでしょう。

step1:企業や他の候補生について知る

先に外部環境の分析を行います。企業の採用フローやどのような人材を必要としているか、募集職種、採用人数などの採用関連情報はもちろんのこと基本情報、事業計画やプレスリリース、IR情報等の情報から選考を受ける企業ついては基本的に多くの就活生がリサーチしているでしょう。しかし実は、他の候補生についてきちんと理解して選考準備を進めていくことも非常に重要です。
それは次の例からも分かります。例えば、英語が得意な日本の就活生がアメリカで就職する場合に「英語が得意」という自己PRは不十分です。アメリカの企業では殆どの人が英語を日常的に使い、むしろ基礎スペックであるからです。むしろ「日本語も話せる」と言うことで他の人にはない魅力だと感じ取ってもらえることはあるかもしれません。このように選考を受ける企業の他の候補生の特徴を知ることが自己PRとして十分かどうかを左右する重要な要素になっています。
他の候補生について知るために有効な方法は、インターンや説明会に参加して他の候補生と会話を交わすことです。どのようにして企業の存在をしり、どんな魅力を感じたのかを聞くこと、さらに可能であれば実際に面接で聞かれそうなことについて他の候補生の考えを聞いて見るのも良いでしょう。加えて、興味のある業界をいくつか聞き出すことで、その人にとってどのような企業群に選考を受ける企業が属していると考えているかを知ることができます。

step2:自分の提供価値をみつける

続いて内部分析に当たる自己分析を行います。この時、様々な方法がありますが、必ずstep1の外部分析の結果に照らし合わせる形で行いましょう。企業分析を通して分かったことをもとにその企業で具体的に成し遂げたいことを見つけられることはもちろんですが、自分自身をしっかりと理解するために重要なことのひとつとして「他人との比較」があります。選考を受ける企業の他の候補生と自分を比較することは実際の選考で面接官が行うことでもあるため自分自身の認識と面接官の認識のギャップを減らすためにも効果があるでしょう。
他の候補生との企業に対する視点の違いをもとに自分ができることのなかからアピールすべきスキルやパーソナリティについて説明できるようになります。

色々な場面でマーケティング思考が役立つ

自己PRについてその定義からマーケティング的発想と組み合わせて考察することでこれまでとは少し違う角度でまた自分を見直すことができるかもしれません。グループディスカッションの時などに活用するマーケティングフレームワークの多くはロジカルシンキングを体系的に行えるように工夫された枠組みです。step1の外部分析、step2の内部分析もマーケティングの基礎フレームワークSWOT分析の発展系であり、このようにマーケティングの考え方は就活にも役立てることができます。
今回紹介した4Psや3C、外部・内部分析以外にもまだまだ活用できるマーケティング思考もあるのでぜひ活用してみて下さい。