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IT企業、特に日系SIer企業の選考を受検してきた就活生の皆さんは「情報処理技術者試験」という資格を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。取得しておくと就活で有利?内定後でも大丈夫?今回はそんな情報処理技術者試験についてご紹介します。

「情報処理技術者試験」とは?

情報処理技術者試験を運営する独立行政法人 情報処理推進機構のWebサイトによると、「『情報処理の促進に関する法律』に基づき経済産業省が、情報処理技術者との
『知識・技能』が一定以上の水準であることを認定している国家試験」です。
簡単に言うと、IT分野で働くうえで今後も必要となるような一番基礎の理論やコンピュータシステム、プログラミングなどの知識を試す試験です。

試験の分類

情報処理技術者試験には12の試験があります。どの業種でも活用できるITパスポート試験などは聞いたことがあるかもしれませんが、情報処理の技術者としては基本情報技術者試験・応用情報技術者試験・9種類の高度試験を受検することになるでしょう。試験の難易度は、後者になるにつれて難しくなります。
この記事では、多くの新入社員が資格獲得を目指す基本情報技術者試験(FE:Fundamental Information Technology Engineer Examination)を中心に説明を進めます。

出題レベルと内容

基本情報技術者試験で期待する技術水準として、「上位者の指導の下に,システムの設計・開発・運用ができる。」などが挙げられています。
午前と午後に分かれて、基本的な知識を問う4択問題・知識を応用する文章題が出題されます。ここで言われる知識とは、コンピュータ言語やアルゴリズムなどのテクノロジ系知識、開発・運用のマネジメント系知識、ビジネス知識や法令知識などのストラテジ系知識に分けられます。これらのジャンルから満遍なく出題されます。
情報処理推進機構のWebサイトに実際の過去問が掲載されていますので、ぜひそちらもご参照ください。

SIerにとっての情報処理技術者試験

では、どうして基本情報技術者試験はSIer企業から重宝されているのでしょうか。

ITの基礎を測る物差しになる

技術の進歩や移り変わりがめまぐるしいIT業界の中では、自社の社員のスキルを客観的に判断する指標を用意するのが難しいからと言われています。試験に挑戦すること自体は誰にでも出来ますし、勉強量・努力量がある程度が結果として分かりやすい物差しになるからです。

昇給・昇進に必要

また、資格取得には基礎的な内容ではありますが幅広い分野を網羅する必要があります。自社内でのジョブローテーションを前提にキャリアパスが用意されている企業ですと、基本情報技術者試験への合格が必須となる場合もあります。
つまり、努力量・スキルにおける共通の物差しである情報処理技術者試験は、人事部からの評価基準としても活用されており昇格の基準になっているということです。取り組むプロジェクトや部署が異なるあらゆる社員を公平に個人評価する判断材料となっています。
また、SIer企業の中では情報処理試験に合格していると昇給するというように分かりやすく評価をしてもらえる会社も少なくありません。

受注の入札条件になる

資格を取得していることが、仕事を請け負う際の条件になってくる場合も多くあります。例えば、「プロジェクトを新規で立ち上げるのでプロジェクトマネージャの資格所有者を必ず擁したチームで取り組んでほしい」といった条件が入札の条件になることも。
ただし、日本で活用されている国家試験ですから、こういったケースは日本の企業同士の取引や日本の官公庁を相手にした取引に限られます。外資系企業などではあまり優遇されない傾向にあります。

就職活動中に必要?

このように、企業に入社した後にも必要になってくる情報処理技術者試験の資格ですが、就職活動中にも必要でしょうか?
たしかに、事前に取得しているとSIer、IT企業で働きたいという意欲とスキルの双方を評価してもらえるので、情報系の学生で、十分な時間を割かなくても合格できそうだという学生は取得を目指してもいいかもしれません。

内定承諾後でもOK

ただし、筆者の見解では内定承諾後でも問題はありません。
基本情報技術者試験は4月と10月の年2回に行われますので、内定承諾後の10月、もしくは4月の合格を目指してみてはいかがでしょうか。
もしくは、内定者研修・新入社員として入社した後の研修で企業側が通信学習の提供や受験料の補助などでサポートをしてくれる場合も多々ありますので、企業の人事部に相談してからにすると無難です。

順調なキャリアを歩むために

明確な評価基準を設けづらいITの世界では貴重な資格の一つである情報技術者試験。資格を有していれば順調なキャリアパスを歩めること間違いなしです。内定を承諾し落ち着いたこの時期だからこそ、久しぶりに腰を据えて勉強して4月からの社会人生活に弾みをつけましょう!