ITコンサルって何やってるの?
ITコンサルって何やってるの?

数あるコンサルティング領域の1つ、ITコンサルティング。「ITで何か問題を解決するんだろうけど、具体的に何やってるのかわからない」という就活生の方も多いのではないでしょうか。今回はITコンサルタントの具体的な仕事内容と、アクセンチュア、日本IBM、アビームコンサルティングの主要3社の違いを紹介していきます。

ITコンサルタントは何をするのか

基本的な業務内容

ITコンサルタントは顧客の抱える経営・業務上の課題について、ITの知見を用いながら提案を行い、改革の実行支援を行います。ポピュラーなソリューションとして、システムのパッケージを導入することで顧客の業務管理を改善するものがあります。このソリューションはITコンサルタントの立場を説明するのに適しているため、詳しく説明いたします。

上図の通り、システム導入は要件定義・設計・開発・テスト・導入・運用保守のプロセスで行われていきます。この業務はSI(システムインテグレーション)と呼ばれますが、ITコンサルタントが役割を発揮するのは主に上流の要件定義や設計部分です。この段階では課題を解決するため新システムに何が求められるのかを整理し、構築を図ります。そのため、ITだけでなく、業務も深く理解したコンサルタントが必要になります。現役のコンサルタントに聞いたところ、インタビューや業務フローの分析を重ねて詰めていく作業になるとのことです。ITコンサルタントは下流工程の開発やテストに関わることもありますが、プロジェクトのコストを下げるために協力会社やオフショア(海外)の開発部隊に任せることが多いと考えられます。ちなみに、ITコンサルタントを雇う料金は通常のシステムエンジニア(SE)に比べて大幅に高いそうです。

ITコンサルタントの需要は拡大している

IT市場は今後コンサルタントの追い風となる形で拡大していくのではないかと考えられます。というのも、これまでのSIビジネスは富士通、日立などITベンダーが主役でした。各企業に独自のシステムを構築し、その構築と保守で売り上げを獲得してきました。しかしこのシステムは「コストセンター」と認識されており、クライアントはIT費用の圧縮を強く要望してきました。その要望に応える形で急速に拡大しているのが、パッケージソフトとクラウドです。代表的なサービスには、「SAP」、「Amazon Web Service(AWS)」があります。パッケージソフトは案件ごとにプログラマーやエンジニアを大量に集めて構築する必要がなく、クラウドは保守管理のコストを大幅に圧縮できます。なぜこのトレンドがコンサルタントに有利かと申しますと、これらのITソリューションはクライアントの業務改善と深く結びつくためです。例えば基幹システムを導入する場合、伝統的なSIerは顧客のビジネスに合わせてシステムを構築するサービスを提供していましたが、パッケージソフトでは顧客の業務も改革しつつ、パッケージと調和させていきます。そのため、業務の分析に長けたコンサルタントの需要が大きくなるのです。総合系コンサルファーム各社がIT領域のサービスを拡大しているのも、この需要拡大が大きな要因になっています。

ITコンサルタントの評判

ITコンサルタントについて、就活ではネガティブな評価が付くことがあります。「入社難易度が低い」「あれはコンサルではない」などの風評を聞くことも少なくありません。その原因は複数考えられます。
①ITコンサルタントは伝統的なコンサルティングとは異なる
「コンサルタント」と聞くと、多くの就活生が経営陣に対して自らの分析をプレゼンするスーツ姿のビジネスマンを想起するのではないでしょうか。これはいわゆる戦略・経営コンサルティングの典型的なイメージですが、後発で登場した「ITコンサルタント」はこのイメージに必ずしも合致しません。そのため、伝統的なコンサルティングにあこがれる就活生は「なんか違う」という印象を抱いてしまうのではないでしょうか。
②ITコンサルティングの採用枠が巨大である
企業の採用数を見ても、戦略コンサルティング会社と比べて、ITコンサルティング会社は大規模な採用を行っています。これはITシステムの導入等のプロジェクトに多くの人員が必要であるというビジネスモデル上の理由からです。コンサルタントに依頼するような案件の場合、全社的な問題を扱うケースが多く、解決のため大規模に人材を投入していきます。そのため、狭き門である戦略コンサルティング会社よりも難易度が低いという認識が広がっていると考えられます。

主要ITコンサルティングファーム

アクセンチュア

業界の代表的なファームがこのアクセンチュアです。120カ国以上に拠点を構え、各国で約6000件の特許を取得しているグローバル企業で400億ドル以上の売り上げを計上しています。アクセンチュアの特徴は一気通貫したコンサルティングにあります。一般的に大手ITコンサルファームはシステム開発を外注する傾向にありますが、アクセンチュアは自社内に開発部隊を用意しており、サービスの高い品質を保持しています。就活で特筆すべきはその採用枠の大きさで、300人以上の新卒採用を行っており、コンサルファームによる採用としては最大規模です。近年は就職人気ランキングにも上位に位置しているため、徹底的な対策が欠かせません。社員の方は挑戦的ながらもチームワークを大切にされている印象でした。

アビームコンサルティング

旧デロイトコンサルティングが日本で独立を遂げたのがアビームコンサルティングです。顧客に寄り添う長期視点のコンサルティングを志向しており、アクセンチュアと同じく近年ビジネスを急拡大しています。超大手ソフトウェア企業である独SAPとパートナーシップを結んでおり、システムインテグレーションを強みにしています。アビームはヘッドクォーターが日本にあるため、日本を起点に積極的な海外展開を行っています。社員の方によると、海外に行きたいといったらすぐにアサインしてもらえる」とのことで、海外志向の就活生は要チェックな企業ですね。社員の方は穏やかな方が多いです。

日本IBM

日本IBMはSIer、ソフトウェア、ハードウェアを製造するITメーカーですが、コンサルティングファームとしての一面も持ちます。コンサルティングを担うのがGBS(グローバルビジネスサービス)で、これは旧PwCコンサルティングを買収、内部化した組織です。IBMのテクノロジーを活かしたコンサルティングを得意としており、AIの代表格であるWatsonは業界で大きな存在感を放っています。コンサルファームでありながらIT企業でもあるため、知識共有にオープンな社風となっています。IBMは選考プロセスが短くスピーディーであるため、就活生の負担が少ないのはありがたいですね。

フューチャーアーキテクト

フューチャーアーキテクトは日本初のITコンサルティング会社です。アクセンチュアと同様、自社内の開発部隊を擁し、一気通貫のコンサルティングを提供しています。特徴として、ITエンジニア目線を大切にしたコンサルティングを入社後経験できるのは大きなポイントです。余談ですが、筆者が就活で訪れたオフィスの中で、フューチャーアーキテクトのインパクトは群を抜いています。入口に滝が流れ、大きな植物のわきを通ってカフェ調の空間が広がっているという構造は未来的なイメージにぴったりですね。

経営とITの両刀キャリア

成長を続ける企業向けITソリューションを経営的観点から活用するコンサルタントの重要性は今後も高まっていくと考えられます。新しいテクノロジーやクライアントの業務を勉強し続けるタフな仕事ですが、ぜひ一度検討されてはいかがでしょうか。