就活の通信業界をご紹介します。通信業界の概要、各企業の特徴などを記事にしました。通信業界は安定していることや事業の先進性などから就活生人気が高い業界です。この記事を参考にして、通信業界への理解を深めましょう。
Summary
就活の通信業界の概要
通信業界とは
通信業界のビジネスモデルは、通信機器の通信をつなぐための回線や機器自体を提供して利益を得ています。ストックビジネスなので業績のブレも小さく、業界への参入障壁も高いので非常に安定した業界と言えるでしょう。主に、移動通信と固定通信で役割が分かれており、移動通信は携帯電話などの通信で、固定通信は光回線が例に挙げられます。
通信業界のトレンド
通信業界は少子高齢化や顧客の飽和、通信料金の引き下げ問題によって、モバイル通信の利益が減少する傾向にあります。NTTドコモは、通信料金の2割~4割の引き下げを発表していて、新規に参入した楽天も通信料金を低くしています。
通信業界は、モバイル通信で利益を上げにくくなっていることから、新たな事業を創出し、事業を多角化しようと試みています。消費者に対する金融やエンタメサービス、法人に対しての事業支援など、モバイル通信事業を持つことを強みに展開しています。
5Gとは
最近聞くことが多い5Gについて解説します。5Gとは第五世代通信ネットワーク技術のことであり、既存の通信ネットワーク4Gに比べてより速く、大量のデータを通信することができる技術です。5Gが展開されることで、VRやAR、自動運転の技術がさらに発展し、またこのような技術は共通して大量のデータ通信が必要であり、5Gは根本的な技術と言えるでしょう。
通信業界の企業
NTT
通信業界で大きな規模を誇る企業です。移動通信はNTTドコモ、固定通信はNTT東や西、コミュニケーションズがそれぞれ担当しています。固定通信は担当するエリアによって会社が分かれており、NTTコミュニケーションズは海外で事業を行っています。NTTは日本電信電話公社という官営の会社が前身であり、1985年の通信自由化を機に民営化されました。
NTTの中でも、携帯キャリアの1つのNTTドコモを取り上げます。ドコモは携帯キャリアの契約数が1位であり、シェア率は38.7%(総務省平成29年度第四半期)となっています。iモードのサービス開始(携帯電話のインターネットサービス)など業界初の試みを数々行い、通信業界を引っ張る存在です。近年モバイル事業だけでなく、スマートライフ事業に力を入れており、動画配信や金融・決済サービスを手掛けています。決済のIDやdTV、dマガジンなど多くのサービスを提供しています。
ドコモは企業との共創にも力を入れていて、ICTサービスを利用して企業や相手企業の顧客の課題解決に取り組んでいます。ドコモの顧客情報を基にしたAIタクシーの試みなどさまざまなことに取り組んでいます。
KDDI
KDDIはモバイル契約数が2位でシェア率は27.6%(総務省平成29年度第四半期)となっています。2000年に国際電信電話(KDD)とIDO、DDIが合併して今のKDDIが発足しました。KDDIは通信事業だけでなく、顧客のライフスタイル全体にかけてサービス提供することに力を入れていて、au経済圏を構築・拡大しようとしています。最近では、auフィナンシャルホールディングスを設立し、総合的に金融サービスを提供できるようにしています。代表的なものに、じぶん銀行やauWalletといったサービスがあります。
ソフトバンク
ソフトバンクは最近上場したことで話題になり、ソフトバンクグループの子会社で、ソフトバンクグループの固定通信、移動通信などの事業を担っています。ソフトバンクは、モバイルのほかにロボットやエネルギー事業、グループ会社のヤフーとともにQR決済サービスPayPayなどの金融サービスも行っています。
また、親会社のソフトバンクグループは大規模のファンドを形成していてさまざまな企業に投資しています。自動運転分野のディーディーや中国の大企業アリババなどです。ソフトバンクは親会社であるソフトバンクグループの投資先とのシナジー効果も強みの1つです。
楽天
2019年度中に通信業界に参入することになっています。2014年から格安スマホのサービスを行っていましたが、通信回線も自社でまかなおうと第四のキャリアとして参入しました。KDDIとの提携で通信回線の整備にも時間的余裕が生まれ、当初は疑問視されていた通信設備の不安も解消されてきています。通信業界は3社の寡占状態であったので、楽天の参入で業界の動向がより注目されているでしょう。
通信業界の仕事
営業
コンシューマ営業とソリューション営業に分かれ、コンシューマ営業は自社の携帯販売店や家電量販店などの代理店を担当し、営業戦略を販売店や代理店の人に提案していく仕事です。ソリューション営業は、法人のお客様を相手に自社のネットワークなどのICTソリューションを提供し、顧客の課題を解決することが仕事です。
商品開発
新しい商品・サービスを開発する仕事です。ICTサービスを活かして新規サービスを企画・開発します。通信会社は他社と協力することの多いので、商品開発では他者のサービスとコラボさせた商品を開発することも多いです。
保守・運用
通信会社は電波を飛ばすための基地局を全国に保有しており、その通信インフラを守り・維持する仕事です。災害時など通信インフラがダメージを受けても迅速に復旧させることが求められ、人々の生活を支える重要な仕事だと言えます。
通信業界のまとめ
通信業界はストックビジネスであることや寡占市場となっていることから安定した業界と言えるでしょう。モバイル事業の低迷が予測される状況で、通信業界は全体として事業を多角化しています。金融や通販サービスなど既存の顧客や培ったデータを活かして事業を推進しています。通信業界の各企業や職種については書ききれなかったことが多いので、興味を持った人はぜひ自身で調べてみてください。