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共同通信社での働き方・特徴
共同通信社での働き方・特徴

マスコミはどの時代も、就活生から人気を誇っており、採用人数の少なさから採用倍率も非常に高いと言われています。共同通信社は、英のロイター通信や米のAP通信と並ぶ総合国際通信社です。この記事では、志望度の高い学生が集まる「共同通信社」が担う役割や、募集職種、選考内容などをご紹介します。

共同通信社はどんな会社か

「一般社団法人共同通信社」は、日本を代表する総合国際通信社です。NHKや全国の新聞社を始めとして、テレビ局やラジオ局など多方面にニュースを配信する役割を担います。「正確公平な内外ニュースその他の情報を提供し、公平な世論の形成と社会の健全な発展、国際相互理解の増進に寄与すること(共同通信社採用サイトより抜粋)」を目的に、報道活動を行っています。
出版業務や企業の広報活動支援などといった幅広い事業を展開する「株式会社共同通信社(KK共同)」は、「一般社団法人共同通信社(社団共同)」の子会社です。

共同通信社が行う主な業務

共同通信社が通信社として担う主な役割は以下の二点です。

取材活動

共同通信社は社員の大半を取材記者が占めており、国内外にある総支局を拠点に24時間365日取材活動に励んでいます。取材を担うのは以下に挙げる「出稿部」を始めとして、「国内支社局」「ビジュアル報道局」「海外総支局」「国際局」です。
【出稿部一覧】

  • 論説・編集委員室
  • 総合選挙センター
  • 政治部
  • 経済部
  • 社会部
  • 外信部
  • 科学部
  • 文化部
  • 運動部
  • 特別報道室
  • 生活報道部
  • 地域報道部
  • デジタル編成部

新入社員は、すぐにこれらの部に配属されることはありません。5年から10年程度国内の支社局を2,3か所経験した後、本社のいずれかの出稿部に配属されることになります。

加盟社・契約社へのニュース配信

上記に挙げた各出稿部が取材活動などにより手に入れた記事や写真、グラフィックス、映像、音声は、本社のニュースセンターに集められます。ニュースセンターでは、ニュースの価値を判断し、それを分かりやすく正確に編集します。
ニュースセンターには、デジタルコンテンツを配信する「デジタル編成部」、加盟・契約新聞社に記事を配信する「整理部」、テレビ・ラジオなど契約放送局に配信する「放送編集部」があります。これら3つの部署から、取材したニュースは多方面に配信され、今日における日本のジャーナリズムを担います。

共同通信社で働く人

ここまで、共同通信社が担っている役割についてご紹介しました。次に、共同通信社で募集している職種と仕事内容、さらに共同通信社が求める人材についてご説明します。

募集している職種

一般社団法人共同通信社の2020年卒対象の春季定期採用試験では、以下の7職種を募集しています(夏季定期採用試験などで、英文記者、校閲専門記者も募集する可能性)。

    一般記者

  • 運動記者・・・国内外のスポーツを取材
  • 写真・映像記者・・・報道カメラマン
  • グラフィック記者・・・図解、グラフ、イラストを作成
  • 編集職員・・・テレビ局やラジオ局向けに原稿を再編集
  • 事務職員・・・総務、経理、人事、労務など
  • 技術職員・・・システムの開発、運営

 

このように、共同通信社には、一般記者以外にもさまざまな職種で募集を行っています。
最も採用数が多いのが「一般記者」で、内定者の8割程度を占めます。さまざまな現場に足を運び取材を行う一般記者は、入社後、研修を経て国内の支社局に配属されます。5年から10年程度、国内支社局を2,3か所経験した後、本社の各出稿部に配属されるというのが一般的なキャリアです。
グラフィック記者や校閲専門記者は、「記者」という名前が付いていますが、一般的なイメージのように外に出て取材を行うことは基本的にはしません。基本的に、社内で仕事を行うことから、「内勤記者」とも言われます。

求める人材

報道を支える記者・職員として、共同通信社は多様な人材を求めています。その中でも、以下に挙げるものは選考基準として設けているようです。

  • 報道への強い志
  • 心身のタフさ
  • 挑む姿勢
  • 世の中への関心
  • 事実へのこだわり
  • チームプレー
  • 熱さと冷静さ
  • 学び続ける姿勢

共同通信社の本選考

共同通信社の採用試験は、エントリーシート、1次選考(エントリー面談と筆記試験)、2次選考(面接と実技試験)、3次選考(最終面接)と進んでいきます(2019年度)。また、2020年入社向けの採用試験は、選考時期が大幅に早まり、3月上旬にはエントリーシートの提出を締め切り、4月の中旬に内定を出すという形となっています。

共同通信社の採用試験の特徴

共同通信社の採用試験には、他の一般企業・同業他社とは異なった特徴があります。
まず一点目として、エントリーシートは手書きが必須ということです。マイページ上で自身で印刷をし、完成後は郵送で提出します。志望度の高い学生を求めていることもあり、一定の手間がかかる手書きエントリーシートを採用していると考えられます。
二点目として、自社オリジナルの筆記試験が課されるということです。新聞社やその他マスコミでは、自社オリジナルの筆記試験が大きな関門となっています。共同通信社の筆記試験における出題内容は、漢字・時事問題(一般常識)・英文和訳・作文です。
それぞれ早期の対策が選考突破の鍵となります。和文英訳は、同業他社の試験ではあまり見られない形式であり、英語のスキルがある程度重視されていると言えます。実際、内定者は英語のスキルを持つ人が多いです。
ただ、語学スキルを持たない人も多くいるので安心してください。
三点目は、筆記試験のタイミングです。他の新聞社では、基本的にエントリーシート通過者に筆記試験を課し、筆記試験通過者のみ1次面接に進みます。しかし、共同通信社は、エントリーシート通過者は、エントリー面談(事実上の1次面接)と筆記試験の両方を受け、双方を総合的に判断し、通過者を決めます。筆記試験の前に面接があるという選考フローは、共同通信社特有と言えます。
四点目は、実技試験が課されるという点です。記者職の場合、例年、取材実技という形で街に繰り出して取材を行い、記事の形にするという試験です。写真・映像記者は写真を撮る実技試験、事務職員などはグループディスカッションが課されます。非常に対策しづらい選考と言えます。

注意点

記者職での採用が中心となる共同通信社は、生半可な気持ちでは通過することができない選考になっています。筆記試験の難易度は非常に高く、この時点で多くの受検者が落とされると言われています。また、筆記試験の難易度の高さから、内定者の学歴は東京大学・早稲田大学・慶應義塾大学が多くを占めていると言われています。その他、エントリーシートが手書きであったり、実技試験があったりと、他の一般企業とは大きく異なる特徴的な選考であるため、志望度の高い受検者がライバルとなると言えます。また、最終面接(役員面接)は、例年圧迫面接と言われており、厳粛な雰囲気の中で厳しい質問が飛んできます。記者として働く覚悟を持ち、自信を持って臨みましょう。

共同通信社の魅力

共同通信社を受ける就活生は、ほかNHKや新聞社の記者職を併願することが多いです。
共同通信社は、NHKや全国の新聞社といった加盟社・契約社に記事を配信します。したがって、発信した情報の影響力は間違いなく日本一であると言えます。「影響力の強さ」を志望動機、入社の決め手としている人が多い傾向にあります。
また、共同通信社は、「自由の共同」と言われています。風通しの良い、自由で、上司にも物言える風土があると、どの社員の方も口を揃えて言います。また、他社よりも働きやすい環境があるとも言われており、同業他社から中途入社する人が非常に多いのが特徴です。
また、海外に多くの支局を持っており、海外で働くチャンスも多くあります。内定者にも、英語を始めとした外国語のスキルを持つ人が多く、筆記試験で和文英訳が課されるなど、語学力は重視されている選考であると言えます。

共同通信社を志望する就活生へ

一般社団法人共同通信社に対する理解は深まりましたか?企業に興味を持ったあとはOB訪問などを行い、実際に働いている方から積極的に話を聞いてみてください。また、共同通信社を受けるにあたって対策は必須です。早期の対策が共同通信社内定の鍵となるでしょう。