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朝日新聞社での働き方・特徴
朝日新聞社での働き方・特徴

朝日新聞社は、読売新聞社や毎日新聞社などと並び、全国紙を発行している日本を代表する新聞社です。また、朝日新聞社は、ジャーナリズム精神が最も強いメディアとも言われています。この記事では、志望度の高い学生が集まる「朝日新聞社」が行うビジネスや、募集職種、選考内容などをご紹介します。

朝日新聞社はどんな会社か

「株式会社朝日新聞社」は、全国紙の一つである「朝日新聞」の発行を中心に、さまざまな事業を展開する「総合メディア企業」です。「読売新聞」に次ぐ国内第2位のシェアを誇る「朝日新聞」を、1879年の創業時から発行しています。「朝日新聞」は、高学歴のエリート層が読む「クオリティペーパー」として、国内で最も権威のある新聞と評されることが多いです。また、民放キー局の一つである「テレビ朝日」は、朝日新聞社と資本関係にあります。

朝日新聞社が行う主なビジネス

朝日新聞社は新聞社である以上、新聞発行事業が中心となりますが、そのほかにもさまざまな事業を行っています。

新聞

朝日新聞社における社員の半数以上を占める記者は、国内外にある支社局を拠点に日々取材活動に励んでいます。記者によって書かれた原稿は、日々発行される朝日新聞の紙面を飾ります。
一般紙として、政治から経済、社会、スポーツまでさまざまな分野の記事が掲載されています。その年で最も優れた報道に送られる「新聞協会賞」も多数受賞しており、2018年は「財務省による公文書の改ざんをめぐる一連のスクープ」に贈られました。「取材力の朝日」と言われるように、取材力の強さに定評がある新聞社です。

デジタルメディアによる情報サービスの提供

「朝日新聞」のウェブ媒体である「朝日新聞デジタル」を中心に、デジタル展開にも力を入れています。紙面にとらわれない新しいメディアの形を模索し、国際・医療・EC・教育など、あらゆる分野のデジタルコンテンツを展開しています。新聞を取り巻く環境が変化する中、読者のニーズに応じた新たな「挑戦」に取り組んでいると言えるでしょう。

文化活動の企画・運営、スポーツイベントの主催

朝日新聞社は、展覧会や音楽講演、映画祭などといった文化事業を企画・運営したり、スポーツイベントを主催したりしています。朝日新聞社が持つネットワーク・信頼性をフルに活用し、毎年、多くのイベントを開催しています。2018年は、「ムンク展」「藤田嗣治展」「ボストン美術館の至宝展」を開催しました。

不動産事業

朝日新聞社は各地に不動産を有しており、大きな収益源となっています。大阪本社も入る「中之島フェスティバルタワー」や「有楽町センタービル」など、資産価値の高い不動産を多く保有しています。2014年に謝罪をした一連の誤報により、部数は大幅に減ったものの、不動産事業が好調であることもあり、一定の収益を保っています。

朝日新聞社で働く人

ここまで、朝日新聞社が行うさまざまなビジネスについてご紹介しました。次に、朝日新聞社で募集している職種と仕事内容、さらに朝日新聞社が求める人材についてご説明します。

募集している職種

朝日新聞社の2020年入社採用試験では、記者部門・ビジネス部門・技術部門の3部門で募集しています。特徴的なのは、各部門の併願が可能だという点です。
記者の中では、取材記者と写真(映像)記者の2職種が募集されています。採用時期によって、校閲、デザイナーなどの職種を募集する可能性もあります。
ビジネス部門には、販売やメディアビジネス(広告)、企画事業、デジタル、管理・財務が職種としてありますが、採用試験では全職種一括採用され、入社後適性に応じて各部署に配属されます。
技術部門も、IT技術者として一括採用され、入社後にそれぞれデジタル技術者、ネットワーク技術者、アプリ開発者、コンテンツ制作関連技術者、研究職として活躍していきます。

求める人材

朝日新聞社は、人物本位の選考を行っており、面接選考を重視しています。コミュニケーション能力が求められる仕事であり、その点は面接でも特に重視されていると言えるでしょう(リクナビ2020より)。
その他、記者として働くにあたって、心身のタフさや報道に対する熱い姿勢なども同時に求められていると言えるでしょう。ただ、基本的には多様な人材を求めており、内定者に話を聞くと、「型にはまらない、さまざまな特徴を持った人がいる」とのことでした。

朝日新聞社の本選考

朝日新聞社の採用試験は、エントリーシート・SPIテストセンター提出、1次面接、2次面接・小論文試験、最終面接と進んでいきます(2019年度)。朝日新聞社の採用試験は、例年早いタイミングで行われており、4月を待たずに内定を出しています(経団連非加盟)。

朝日新聞社の採用試験の特徴

朝日新聞社の採用試験には、他の一般企業や同業他社とは異なる特徴があります。
一点目は、前述したように各部門を併願することができるという点です(2018年入社採用試験より)。他の全国紙(読売・日経・毎日・産経)では、記者職・ビジネス職・技術職をそれぞれ併願することは認められていません。
二点目は、一般常識を問う、独自の筆記試験が無いということです。マスコミ業界、特に新聞社では、筆記試験は大きな役割を果たしてきました。しかし、朝日新聞社は、2019年入社採用試験より筆記試験を廃止し、リクルートが実施するSPIテストセンターを課す形としました。朝日新聞社の筆記試験は特に難易度が高く、就活生の大きなネックとなっていました。筆記試験を廃止することで、筆記試験を理由に受検を諦めていた就活生を取り込むという狙いがあると言います。実際に、受検者は一気に増えたと言います。しかし、2次面接のタイミングで小論文試験は課されるとのことなので注意が必要です。
三点目は、SPIテストセンターで英語能力検査が課されるという点です。SPIテストセンターでは、性格検査と基礎能力検査(言語・非言語)の二つの検査を受検するのが基本です。しかし、オプション検査として、英語能力検査、構造的把握力検査があり、企業は必要に応じて二つのオプション検査を課すことができます。朝日新聞社では、記者部門・ビジネス部門ともに英語能力検査を課しています。

注意点

朝日新聞社は難易度の高い筆記試験を廃止した代わりに、SPIテストセンターを課しているということは前述したとおりです。朝日新聞社では、そのSPIテストセンターの足切りボーダーは高いと言われています。ビジネス部門ではそこまで高くないということですが、記者部門のボーダーは高く、一定の人がこの時点で不合格となっています。もちろん、エントリーシートと併せた総合評価であるため一概には言えませんが、SPI対策ができていないと通過は厳しいと言えます。
また、過去の筆記試験の難易度の高さや、SPIテストセンターのボーダーの高さから、内定者の学歴は高い傾向にあります。東京大学を始めとして、早稲田大学、慶應義塾大学の学生がボリュームゾーンとのことです。SPIは対策次第で、通過することは可能であるため、早めの対策がカギとなりそうです。

朝日新聞社の特徴

朝日新聞社を受検する就活生は、他にNHKや新聞社、通信社の記者職を併願する傾向にあります。朝日新聞社の特徴としては、「ジャーナリズム」「デジタル」「自由な雰囲気」にあると言えます。
朝日新聞社は、「権力の監視」をメディアの役割と捉え、ジャーナリズム精神の強いメディアとして知られています。権力を持つ者を厳しい目でチェックし、2018年も「財務省による公文書の改ざんをめぐる一連のスクープ」で新聞協会賞を受賞しています。リベラルな思想を持つ傾向にあり、保守層から敵視されることもしばしばです。ただ、その姿勢を曲げることなく、今日における日本のジャーナリズムの中心的な役割を果たしています。
また、朝日新聞社は、デジタル事業にも力を入れています。他社に先駆けたのは日経新聞ですが、朝日新聞社も後を追う形でデジタル戦略を推進中です。「朝日新聞デジタル」を中心に、紙面にとらわれない新たなメディアの形を日々模索しています。
朝日新聞社には、「自由な雰囲気」が流れていると言われています。記者個人の関心・問題意識に基づいた取材も多くすることができ、その分、記事を書いた人の名前が載る「署名記事」の割合も高い傾向にあります。最大のライバルと言われている読売新聞社は、チームでの取材を得意としており、「軍隊の読売」とも言われているので、その対極とも言えるでしょう。

朝日新聞社を志望する就活生へ

株式会社朝日新聞社に対する理解は深まりましたか?企業に興味を持ったあとはOB訪問などを行い、実際に働いている方から積極的に話を聞いてみてください。また、朝日新聞社を受けるにあたって対策は必須です。早期の対策が朝日新聞社内定の大きな鍵となるでしょう。