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新聞社のさまざまな職種
新聞社のさまざまな職種

新聞社にはどのような職種があると思いますか。多くの人がまず思い浮かべるのが「記者」でしょう。新聞記者という言葉を多く耳にすることもあり、「新聞社=記者」というイメージは強いはずです。しかし、記者職の社員が占めるのは、全社員のうち6割程度で、それ以外にさまざまな職種があるのです。この記事では、新聞社の記者職以外の職種にフォーカスし、新聞社で働くイメージを変えていきたいと思います。

新聞社は「職種のデパート」

新聞社はさまざまな職種があることから、「職種のデパート」と言われています。

新聞社は記者職だけではない

新聞社と言うと「記者」のイメージが強いと思います。しかし、新聞社は紙面を作成し、それを売ることで収益を得ています。さらに、紙面には広告枠があり、その広告枠を売ることでも収益を得ています。新聞社の収益は、販売収入と広告収入の二つが中心なのです。さらに、新聞社は美術展・スポーツ大会などのイベントを主催したり、最近ではデジタル分野にも進出したりしています。もちろん、一般企業と同じように経理や人事も必要です。新聞社には、紙面に掲載される記事を執筆する記者職以外にも、このような業務を担う職種があるのです。

新聞社は職種別採用

ほとんどの新聞社は職種別に採用を行い、応募段階から新聞社のどの職種で働きたいかということを決めることを求めています。新聞社の職種は大きく3つに分類することができます。それぞれ、「記者職」「ビジネス職」「技術職」です。さらにビジネス職の中には、紙面の販売を担う「販売」、広告枠の営業を担う「広告」などといった複数の職種に分けることができます。ビジネス職として一括採用し、入社後適性によって配属を決定するという新聞社もあれば、販売や広告などそれぞれの職種ごとで採用を行う新聞社もあります。
すべての職種を一括採用し、入社後に記者職・ビジネス職・技術職に配属するという方式は取っていません。

全国紙の採用はどうなっているのか

全国紙を発行する5社の募集職種は、それぞれ以下のようになっています。
読売新聞社
・記者
・業務(広告)
・業務(販売戦略)
・業務(事業)
・業務(経営管理)
・メディアエンジニア(ME)
朝日新聞社
・記者部門
・ビジネス部門(販売、メディアビジネス(広告)、企画事業、デジタル、管理・財務を一括採用)
・技術部門
※各部門併願可
日本経済新聞社
・記者
・デジタル
・営業・企画
・情報インフラ・新聞製作技術
毎日新聞社
・新聞記者
・校閲記者
・デザイナー
・ビジネス部門(販売戦略、営業・企画、文化スポーツ事業、デジタルメディア、経理、人事・総務を一括採用)
・技術部門
産経新聞社
・取材記者
・サンケイスポーツ取材記者
・サンケイスポーツ整理記者
・ビジネス職(販売コンサルティング、営業・事業、サンケイスポーツ営業を一括採用)
・デジタル総合職

新聞社の各職種

新聞社の記者職以外のイメージしづらい職種をそれぞれ解説していきます。前述したように、職種は企業ごとでそれぞれですが、以下では一般的な分類をしています。

ビジネス職:販売

ビジネス職の一つである「販売」は、主に新聞紙面の読者を増やすことが業務の中心です。新聞社における「販売局」などといった部署に属することになります。
基本的な業務は、新聞販売店のコンサルティング業務になります。日本は、各家庭に新聞が毎朝届けられる仕組みが整っています。この日本特有の「戸別配達制度」を支えているのが、全国各地にある新聞販売店です。新聞販売店は、あくまでも各新聞社のビジネスパートナーであり、新聞社の子会社などでもありません。しかし、朝日新聞は「ASA」、読売新聞は「YC」などといった新聞販売店がそれぞれあり、密に連携をしています。このような新聞の配達や販売(契約)を担う新聞販売店のコンサルティングを行っていきます。
具体的には、社員にはそれぞれ担当エリアが振り分けられ、そのエリア内の新聞販売店のコンサルティングを担当することになります。契約数を増やすことを目的に、専門的な立場からアドバイスをしたり、時には一緒にイベントを開催したりしていくことが販売局員の仕事になるのです。

ビジネス職:広告

ビジネス職の一つである「広告」は、新聞紙面の広告枠を売ることが業務の中心になります。「広告局」などという部署に属することになります。
主な業務は、企業・官公庁・自治体などへの広告営業です。時に広告代理店とも連携をしながら、企業などのニーズに合わせた広告の提案をし、広告の出稿を目指します。基本的には、各社員に担当企業が複数与えられ(同じ業界であることがほとんど)、担当企業に営業を行っていくことになります。
最近では、新聞紙面だけでなく、イベントの開催やデジタル媒体の活用など、枠にとらわれず、複数のメディアを活用して広告効果を高める「クロスメディア営業」を行う社も出てきています。実際に、日経新聞は「広告局」ではなく、「クロスメディア営業局」という名称です。

ビジネス職:事業

ビジネス職の一つである「事業」は、絵画の展覧会や音楽コンサートなどの文化事業、スポーツイベントなどのスポーツ事業などを主催する業務を担います。「事業局」などに属することになります。
さまざまな企業や関係者と密に連絡を取り合い、新聞社としてのイベントを開催していきます。特徴的なものを例に挙げると、読売新聞は「読売巨人軍」を有しており、事業局員は主催試合の運営に携わります。読売新聞は他に、正月の「箱根駅伝」を主催し、朝日新聞は夏の「甲子園」を主催するなどしています。
文化振興、スポーツ振興などの社会貢献のほか、ビジネスとして収益を上げることが事業局の役割です。

ビジネス職:その他デジタルや経営管理など

ビジネス職には他にも、ウェブ上でビジネスを展開するための「デジタル」や、会社全体の経営に必要不可欠な人事・経理・法務などを担う「経営管理」などがあります。
新聞を発行するのが主なビジネスモデルであった新聞社が今後、ウェブ上でどのようなビジネスを行っていけるか考えていくのが「デジタル」に携わる職員です。新聞の発行部数が減少している今、どの社もウェブ上でのビジネスを模索している最中です。今後の新聞社のビジネスモデルを作り出していく職種であると言えます。
新聞社もその他一般企業と同様に、経営に必要不可欠な「経営管理」の職種があります。人事や経理、法務などを行う大事な職種です。
このように、新聞社にはビジネス職の中にもさまざまな職種があるのです。

技術職

主に理系出身者が、大学や大学院で学んだ専門分野を活かし、新聞社のシステムの開発・運用を担うのが新聞社の「技術職」です。社のインフラを整え、新聞の発行を支えています。技術職については、通常の定期採用の他、大学推薦や研究室推薦でも採用を行っている社が多いのが特徴です。

新聞社はまさに「職種のデパート」

この記事を読んで、新聞社が「職種のデパート」と言われる所以が分かっていただけたのではないでしょうか。 新聞社といえば「記者職」がフォーカスされがちですが、新聞の販売を担う職種や広告枠の提案を行う職種などがあって、新聞社は成り立っているのです。新聞社にはそのような記者職以外のさまざまな職種があるということを理解し、ぜひ今後の企業選びに役立ててみて下さい。