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記者職の夏採用・秋採用
記者職の夏採用・秋採用

記者職を志す学生は今も昔も多く、採用数の少なさもあり、採用試験で涙を呑む人も毎年数多くいます。春採用で諦めてしまう人も多くいますが、記者職では夏採用・秋採用でも多く採用するという特徴があります。この記事では、夏採用・秋採用の一般的な認識と記者職の夏採用・秋採用の特徴、記者職を募集する企業についてまで解説していきます。

夏採用・秋採用の一般的な認識

夏採用・秋採用は以下のような認識が一般的です。

春採用が一段落した夏・秋に行う2回目の採用試験=2次募集

日本の大手企業は、基本的に経団連の倫理憲章(大学3年3月広報解禁、4年6月選考解禁)に基づいて採用活動を行っています。経団連は2020年卒を最後に、採用活動の時期の取り決めをやめるとのことですが、代わって政府が主導して、時期を取り決めるとのことです。政府は、2021年卒も同じく、3年3月に広報解禁、4年6月に選考解禁とするとしています。
この時期に合わせて採用を行う企業は、6月中旬から後半にかけて、その年の1回目の採用試験(春採用)は一段落します。
しかし、採用活動はそれでは終わらないのです。多くの企業は、大体7月から9月にかけて、その年の2回目の採用試験を行います(行わない企業も多くあります)。2回目の採用試験が夏から秋にかけて行われるということから、「夏採用」「秋採用」と一般的に言われているのです。名称は「夏季定期採用試験」「第2回定期採用試験」など企業によってさまざまです。

辞退者の穴埋め

企業が夏採用・秋採用を行う目的の一つが、辞退者の穴埋めです。就活生は、内定を複数持つということは珍しくありません。「内定辞退」は法律で定められた「就活生の権利」であり、もちろん企業も把握しています。辞退者をある程度見込んで内定者を多めに出す企業も多くありますが、それでも不足する場合はあります。
春採用で出した内定者が辞退し、枠が余ってしまった場合に企業が行う措置の一つが「夏採用・秋採用」なのです。
春採用で内定をもらえなかった人、内定はあるが納得のいく企業から内定をもらえなかった人、志望企業が変わった人などが、その枠を求めて夏採用・秋採用を受検する傾向にあります。

帰国者向けの採用試験

夏採用・秋採用を行う目的には、もう一つ、帰国者を採用するためというものも挙げられます。大学在学中に留学をする人や、海外の大学に進学する人は多くいます。そのような人は、春採用のタイミングで日本に帰ってこれるとは限りません。夏採用・秋採用は、留学から帰ってきた人、海外の大学を卒業した後に日本で就職を考えている人向けに行うという側面もあるのです。
海外留学を経験した人材や、海外の大学で学んだ人材を求める企業が行う夏採用・秋採用は、事実上の「帰国者向け採用試験」であることも多いです。

狭き門として知られる

夏採用・秋採用は辞退者の穴埋めや、帰国者向けの採用試験であるということで、枠としては非常に狭き門です。もちろん企業によりますが、倍率・難易度ともに春採用よりも圧倒的に高いと言われています。春採用で100人採用しているとすると、夏・秋採用で採用するのは多くて10人といったところが一般的です。
また、部活動や公務員試験などで春採用を受けられなかった人も、夏採用・秋採用を受検することになります。夏採用・秋採用がいかに狭き門であるかということはお分かりいただけるかと思います。

再チャレンジが認められない企業も

どの業界においても、春採用では残念だったものの、夏採用・秋採用で再チャレンジしたいという人も多くいるはずです。しかし、再チャレンジを認めていない企業が多くあるのも事実です。募集要項に、「エントリーは同一年度につき一度まで」などと書いている場合があるので注意して見るようにしましょう。また、募集要項には書いていないものの、春に受けた人は書類選考で自動的に落とされるというケースもあります。

記者職の夏採用・秋採用

記者職では夏採用・秋採用の割合が比較的高い

狭き門として知られる夏採用・秋採用ですが、記者職に限っては、その枠は比較的多く用意されています。春採用と夏・秋採用で、7:3、8:2程度の割合で採用している企業が一般的です。
また、どの企業も基本的に、春採用で残念な結果だった人でも受検が可能です。一般企業では、二度チャンスをもらえないという場合も多く、その点においても違いがあります。
夏採用・秋採用で一定数以上採用するという傾向は、マスコミ業界では昔からあります。では、なぜマスコミ業界(特に記者職)は夏採用・秋採用の割合が高いのでしょうか。

語学力を持つ留学経験者・海外大学を卒業した人を求めている

記者職は、海外支局があるなど海外で働く機会も少なくなく、日本でも取材で英語を使うということは少なくありません。このような事情から、語学力を重視する企業も多く、留学を経験した学生や、海外の大学に進学した学生を積極的に採用する傾向にあります。記者職においては、そのような人向けの枠を、夏採用・秋採用に一定数設けている企業がほとんどなのです。

多様な人材を求めている

記者は「取材が命」です。警察や政党などの組織の重要人から話を聞き出し、スクープを狙います。秘密の引き出し方は人それぞれです。正解はありません。どの企業にも、さまざまなタイプの記者がおり、自分の強みを活かした取材法でスクープを狙います。
また、政治部や経済部、社会部など多岐にわたる部署があります。さまざまなバックグラウンドを持った記者がいてこそ、組織として成り立つのです。
以上のような事情から、「人材の多様性」が記者職では求められており、夏採用・秋採用でも積極的に人材を採用するようにしているのです。

記者職を募集している企業と採用

以上のように記者職は、語学力の必要性と人材の多様性という二つの点から、夏採用・秋採用を積極的に行っています。では、実際に記者職を募集している企業はどこで、採用はどうなっているのか見ていきます。

新聞社・通信社・NHK

記者職を募集しているのは、主に新聞社・通信社・NHKです。新聞社や通信社は社員の半分以上を記者職が占めています。NHKはテレビ局であるため、記者職以外にも、アナウンサー職やディレクター職、経営を支えるマネジメント職など多くの職種があります。
記者を志す学生は、基本的にこの3つの企業群が受検する候補になります。

NHK以外のテレビ局は非職種別採用

テレビ朝日や日本テレビ、フジテレビなどの民間放送局にも確かに記者職はあります。しかし、記者職として採用されることは基本的にありません。総合職として一括採用され、適性によって制作や営業など各職種に配属される形になります。したがって、記者を志していても、希望通りに配属されない可能性も高く、記者職志望の学生は好んで受験しない傾向にあります。

年度によって、夏採用・秋採用の実施時期は異なる

全国紙大手5紙(朝日新聞社・読売新聞社・日本経済新聞社・毎日新聞社・産経新聞社)、共同通信、NHKは、例年夏採用・秋採用を行っています。募集の日程は年度によって異なるので、適宜採用サイトを確認する必要があります。
2019年卒採用試験では、読売新聞社が6月中旬にエントリーシートを締め切るなど、動きが早くなっています。また、2020年卒採用試験では、日経新聞社・共同通信社が表立って春採用の選考時期を早めており、夏・秋採用がどうなるか注意が必要です。

記者職志望者は夏採用・秋採用にも積極的にチャレンジを

本文で述べたように、一般企業と比較して、記者職では夏採用・秋採用でも積極的に採用しています。 帰国生はもちろんですが、春採用で思うような結果が出なかった人、考え直した結果、記者になりたいと思った人は、積極的に夏採用・秋採用に挑戦してみましょう。確かに、一般企業よりは倍率は低いものの、高い難易度であることは間違いありません。しかし、記者を志す熱い気持ちを伝え、入念な対策をすれば、内定を勝ち取ることも可能です。最後まで諦めない姿勢を忘れず、夏採用・秋採用に臨んでください。