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電子部品業界の魅力
電子部品業界の魅力

文系の就活と言えば金融や商社、不動産やBtoCメーカーが最初に思いつきます。しかし、知名度こそ低いものの電子部品業界に目を向けるのも面白いかもしれません。文系にとってあまりなじみのない電子部品業界について、業界内定者の筆者が解説します。

電子部品業界の特徴

何を作っているのか

電子部品は製品を動かすための一部であり、さまざまな部品の総称です。この製品とは家電やパソコンだけでなく、駅の改札やエレベーターなど身の回りの電気で動くものすべてを対象としています。例えばスマートフォンは1000点もの電子部品から構成されており、それぞれ異なる役割を担っています。その中に含まれる電池やモーターなども電子部品の一つです。

今後も成長する可能性が高い

モノとインターネットがつながるIoTに始まり、日常生活を支える電気製品をさらに裏から支えている電子部品は不可欠な存在となっています。特に今後は自動運転や電気自動車など自動車に関する技術が発展することで、電子部品業界全体が今まで以上に成長するといわれています。

世界シェアの製品・高い海外売上高比率

業界が今後も成長する理由の一つに高い技術力があります。より高性能な電子機器を開発するためには、中に入っている電子部品をさらに小さくする必要があります。実際、電子部品は今までよりも高性能でありながら、さらに小さくて薄いものが日々生まれています。このような電子部品の開発、製造には高度な技術力が求められ、結果的に他社よりも優れた製品を生み出すことができるのです。こうして世界中の企業から需要が生まれることで、多数の世界シェア製品、高い海外売上比率に繋がっています。

文系が電子部品業界を目指すために知っておくべきこと

海外と関わるチャンスが多い

海外売上比率が高いため、必然的に海外の顧客や生産拠点に携わる機会が多くなります。海外の支店や工場へ赴任や出張をする場合もありますが、ビデオカンファレンスを利用して国内にいながら海外営業の職に就くこともできます。いづれにしても、将来海外に関わりたいという方にとっては電子部品業界はおすすめです。

選考倍率は技術職より高い

文系からの知名度が低いことから、倍率もそれほど高くないように感じるかもしれません。実際、業界全体の成長に伴って採用人数も増えています。しかしBtoBメーカーは理系の技術職を優先して採用しており、文系の総合職は多くても50人程度と非常に限られています。特に大企業レベルになると応募者の人数もレベルも増えるため、十分な対策が求められます。

文系の職種

電子部品業界では文系職種として、営業・調達(購買)・人事や広報などの管理部門・生産管理・知的財産などがメインです。ここでは特に調達、生産管理、知的財産についてご紹介します。
調達は自社製品の開発、生産のためにその素材を社外から購入することが仕事です。素材以外にも生産に必要な設備なども対象としています。電子部品は製品単価が低く、相対的に原価率が高くなりやすいため、調達の担当者がコストをできる限り下げることが求められます。
生産管理は工場の生産を計画通りに進めることが仕事です。顧客からの注文に対して納期や品質、設備や人員管理など、生産全体の流れを意識しながら効率化を図ります。
知的財産は企業の特許関連の手続きを担当します。技術に関する特許が多いため、理系出身の社員も多く在籍しますが文系職種として募集されることが多いです。知的財産は特許や商標などの権利関係の業務がメインであり、法務はそれ以外のビジネスにおける法的諸手続きを担当しています。

文系の電子部品業界の志望動機

なじみがない分書きづらい

普段は目にすることがなく、まさに陰で人々の生活を支える立役者ともいえる存在であるため、文系の方は他業界よりも志望動機が書きづらい場合が多いです。そのような場合、製品そのものではなく製品が社会に与える影響や、これまでの自分の経験を照らし合わせるなどマクロ的視点から書いてみてください。
文系である筆者も、なぜ業界内でこの部品を扱う企業を志望しているかという視点ではなく、製品以外の企業ごとの特徴の違いを意識して書きました。

インターンシップやOB訪問を活用

企業側も知名度の低さを補うために、優秀な文系学生の獲得に向けて積極的に採用活動を行っています。説明会でも事業内容などを知ることができますが、インターンシップやOB訪問を活用することがおすすめです。
文系学生が電子部品業界を志望する場合、多くの学生がインターネットを利用した情報収集をするため、断片的な情報しか得られない場合があります。インターンでは具体的に企業についてだけでなく、インターネット上では得られない社員の声や電子部品業界そのものについても知ることができます。

代表的な企業

京セラ

京セラは業界内売り上げで第一位の企業であり、創業者である稲盛和夫は経営者として非常に有名です。事業内容は電子部品に限らず、素材や太陽電池、スマートフォンの開発など多角化経営が特徴です。

村田製作所

主力製品はコンデンサーと呼ばれる電子部品です。利益率が20%とメーカー内でも非常に高く、海外売上比率も9割と業界内でもかなりグローバルな立場にあります。

日本電産

モーターを軸とした製品展開を行っています。国内外を問わずM&Aを積極的に行い、グループ会社を含めた連結社員数は10万人を超える企業です。

新たな業界を知って就活の幅を広げる

文系の学生にとって知名度が高いとは言えない電子部品業界ですが、実はグローバル規模で成長する非常に注目されている業界です。もちろん、ここ以外にもあまり知られていない業界は数多く存在します。自分に合った企業を見つけるために、さまざまな業界を調べてみてはいかがでしょうか。