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新聞記者の就活対策
新聞記者の就活対策

新聞記者になるためには、新聞社・通信社の記者職の採用試験に合格する必要があります。新聞社・通信社の採用試験の選考には、その社オリジナルの筆記試験が課されることがほとんどです。新聞記者になるために必要な筆記試験対策に関する記事を、一般常識編と論文・作文編に分けてお送りします。この記事では、一般常識の概要と対策について解説していきます。

新聞社の筆記試験の概要

書類選考通過後に課される関門

まずは、全国紙5紙と大手通信社2社の選考フローを見てみましょう。
・読売新聞社
エントリーシート郵送
エントリートライアル筆記テスト(一般常識・論作文)
エントリートライアル1次面接
エントリートライアル総支局訪問
エントリートライアル役員面接
内々定 or 定期採用試験
※エントリートライアルで適性を判断し、合格者のみ6月の定期採用試験に進めるとしている。実質の本選考(早期選考)で、6月の定期採用試験は実施されているか不明。

・朝日新聞社
ウェブエントリーシート提出
適性検査(SPI3、英語含む)
1次面接
2次面接・小論文試験
最終面接
内々定

・日本経済新聞社
ウェブエントリーシート提出・適性検査(SPI3、英語含む)
筆記試験(日経TEST準拠問題・作文)
1次面接
2次面接
最終面接
内々定

・毎日新聞社
入社志望書・作文課題提出(ウェブ)
筆記試験(ニュース時事能力検定2級レベル)

1次面接
2次面接・作文試験
3次面接
最終面談
内々定
※ニュース時事能力検定2級以上合格者は書類審査・筆記試験免除、準2級合格者は書類審査免除

・産経新聞社
書類審査
筆記試験(国語・時事・簡単な数学、作文)
1次面接
2次面接
最終面接
内々定

・共同通信社
エントリーシート郵送
1次選考(1次面接)
2次選考(筆記試験)
3次選考(面接、取材実技、グループディスカッションなど)
4次選考(面接、WEB適性検査)
内々定
※3次選考は年度によって異なる。2019年度入社試験は、春季は取材実技試験と面接、夏季はグループディスカッションと面接。

・時事通信社
エントリーシート提出
筆記試験(時事問題・漢字・英語、作文)
1次面接・グループディスカッション
2次面接
WEB適性検査
最終面接
健康診断
内々定
※健康診断の案内が来たらほぼ内定。

朝日新聞社は2019年度入社試験より、多様な人材の獲得を目的に筆記試験を廃止しました。しかし、その他の新聞社・通信社は筆記試験を課しており、内定獲得への関門となっています。
共同通信社のみ筆記試験を1次面接後に行います。しかし、その他の新聞社・通信社は書類選考通過後に行い、筆記試験に通過しないと面接選考に進むことができません。社によってその割合は異なりますが、この筆記試験で7~9割の受験者を落とします。

筆記試験は一般常識と論文・作文試験がある

筆記試験は一般常識試験と論文・作文試験に分けられます。一般常識の出題内容は社によってさまざまですが、時事問題や漢字、国語、英語などが主です。日本経済新聞社の日経TEST準拠問題のようなオリジナル性の高い試験を課すところもあります。

時事問題の難易度が高い

新聞記者は高度で幅広い教養・知識が必要とされる職種です。したがって、課される一般常識試験の中でも特に時事問題の難易度が非常に高いと言われています。新聞を読み込んでおかなければ解けないような問題であり、記念受験者を落とす意味合いも持ちます。

一般常識試験の対策

新聞を読む

新聞社の筆記試験対策の一番の基本は、受ける新聞社の紙面を読み込むことです。基本的にどの社も、自社の紙面に載っているものから時事問題を出題します。つまり、紙面を読み込んでおけば理論上、時事問題に関しては全問正解を目指せるのです。しかし、新聞記者を目指す人は複数社受ける人がほとんどで、受ける社の紙面全てに毎日目を通すことは現実的ではないのも確かです。1面に載るニュースから出題されることが多いため、すべての面に目を通すことはできなくとも、1面だけでも各紙チェックをしておきたいところです。

キーワード集を使用する

時事問題に関するキーワードを押さえることは、筆記試験そのものの対策になるだけでなく、新聞記事を根本から理解するためにも重要です。『朝日キーワード』や『日経キーワード』のような、最新の時事キーワードを解説したキーワード集を使用するのがおすすめです。
また、現在論点となっているテーマをキーワード集によって知ることで、重点的に勉強すべきテーマをつかむこともできます。

『新聞ダイジェスト』を使用する

『新聞ダイジェスト』は毎月発行され、全国紙5紙(読売・朝日・日経・毎日・産経)とブロック氏の東京新聞の、その月の内容がまとめられたものです。その月の重要テーマについての記事や、特定のテーマに対する各社の社説がまとめられており、速報性は新聞紙面に劣りますが、効率よく情報収集ができます。
巻末には筆記試験対策用の復習問題や漢字問題がついており、筆記試験対策に非常に効果的な教材です。

一般教養・常識問題の参考書を1冊仕上げる

時事問題に関しては、以上の新聞紙面、キーワード集、『新聞ダイジェスト』で十分な対策が可能です。しかし、時事問題以外にも一般教養に関する知識も問われるのが新聞社の筆記試験です。科学や数学など一般教養的なテーマも出題される筆記試験を通過するためには、その対策の参考書を1冊仕上げておくと安心です。中でも『一般教養の天才』は、マスコミ志望者向けに作られているのもありおすすめです。ただ、一般教養については比率的にそこまで高くないため、自信のある人は対策は不要かもしれません。

過去問題に取り組む

各社の採用サイトに筆記試験の過去問題が掲載されていることが多いです。全国紙5紙と大手通信社2社では、毎日新聞社と産経新聞社以外は過去問題が掲載されています。力試しと傾向をつかみ今後の対策に生かすことを目的に、対策を始める前に一度解いてみましょう。そして、あらゆる対策が終わり次第、自分の苦手なテーマややり残していたテーマが無いか確認する意味でももう一度取り組み、大体7~8割正解できるようにしておきましょう。

会社に応じた対策をする

日本経済新聞社は日経TEST準拠問題、毎日新聞社はニュース時事能力検定2級レベルの問題が出題されます。したがって、それぞれに応じた対策を講じることが、その社の筆記試験対策の近道であると言えます。日経TEST、ニュース時事能力検定2級用の参考書も出版されているので、それを使用して対策を行いましょう。
また、毎日新聞社はニュース時事能力検定2級保有者は書類審査、筆記試験が免除になります。筆記試験対策にもなるので、取得しておくことも有効な対策です。

英文ニュースを読む

共同通信社、時事通信社の通信社2社は英語問題が出題され、その難易度も高いです。共同通信社は英文和訳、時事通信社は英文和訳に加えて和文英訳もあります。基本的に英文和訳も和文英訳もニュースが題材であり、時事的な単語を知っている必要があります。英文ニュースを読むことで、時事英単語に触れることができ、和訳の対策にもなります。「BBCニュース」や「The Japan Times」がおすすめです。

新聞記者になるための筆記試験一般常識対策

新聞記者になるためには筆記試験という関門を突破する必要があります。特に時事問題は非常にレベルが高く、新聞を読んだりキーワード集を使ったりなど対策には膨大な時間がかかり、心配な人も多いでしょう。しかし、早めに対策をしておけば必ず突破できるはずです。「思い立ったが吉日」、新聞記者を志す人はすぐに動き出すことを強くお勧めします。