ページ上部バナー
テーマパーク業界
テーマパーク業界

誰もが一度は行ったことがある夢の国・ディズニーランド。関西を代表するテーマパーク・ユニバーサルスタジオジャパン。どちらも娯楽として欠かせませんが、意外と就職先として検討している方も多いはず。そこで、この記事ではディズニーを運営しているオリエンタルランドとUSJことユニバーサルスタジオジャパンを就活生の目線で分析してみたいと思います!

両社の事業

まず、両社が行っている事業について見ていきましょう。テーマパークだけ運営している会社と思われがちですが、どちらの企業も意外と様々な事業を行っています。

オリエンタルランドの事業

まずはオリエンタルランドの事業について。オリエンタルランドの主な事業はテーマパーク事業ですが、その他にもホテル事業、モノレール事業、複合型施設事業、さらには農業も行っています。
ホテル事業ではディズニーアンバサダーホテルやミラコスタといった4つのホテルの管理・運営を行っています。モノレール事業は、舞浜駅・ディズニーリゾートなどを結ぶ「ディズニーリゾートライン」を指します。
また、複合型施設事業はディズニーリゾートのことではなく舞浜駅にある商業施設「イクスピアリ」のことです。複合型施設事業では、施設の運営や各店舗の売り上げ管理などを行います。
「オリエンタルランドって農業もやっているの?」と思うかもしれませんが、実はパーク内にあるレストランで使用される食材のうち一部を自社で生産しているんです。これはかなり意外ですよね。

USJの事業

様々な事業を行っているオリエンタルランドに対し、USJが行っている事業はテーマパーク事業と、エンターテイメント業界・レジャー業界に対するビジネス提案の2つです。
テーマパーク事業は言うまでもなくユニバーサルスタジオジャパンの運営や管理、企画などですが、同業界に対するビジネス提案も行っているのは意外ですよね。
マーケティングに力を入れているUSJならではの特色と言えるでしょう。2016年にはパーク外で「戦国・ザ・リアル at 大坂城」を開催するなど、パークから出たエンターテイメント事業も今後展開していくと予想されます。

両社の資本構成

続いて、両社の資本構成を比較してみましょう。両社の大きな違いとして、オリエンタルランドは上場企業であるのに対しUSJは非上場企業であることが挙げられます。その経緯や株主について詳しくご説明します。

オリエンタルランドの資本構成

オリエンタルランドの資本金は632億112万7千円です。東証一部に上場しており、大株主は上から順に京成電鉄、三井不動産、千葉県となっています。
京成電鉄が筆頭株主に位置している理由として、もともとオリエンタルランドは浦安の埋立地にレジャー施設を建設するために三井不動産、京成電鉄、朝日土地興業が共同出資して設立された会社という経緯があるからです。
また、会社そのものが京成グループに名を連ねています。意外なことに米国のウォルトディズニー社とは一切資本関係がなく、ショーやグッズの版権を持つのがウォルトディズニー社という関係です。

USJの資本構成

USJの資本金は500億円です。(2014年時点)現在、非上場企業であることから入園者数や売り上げなどが明確ではありません。
設立当初は大阪市が半分以上を出資していましたが、2005年にゴールドマン・サックス証券に対してリファイナンスを行い、現在ではその子会社であるSGインベストメンツ株式会社の完全子会社になっています。
すなわち、USJは外資系企業ということになります。2007年に東証マザーズに上場していましたが、2009年には上場廃止となりました。しかし、2018年に再び上場すると噂されており注目が集まっています。

両社の強み・弱み

就活では欠かせないのが企業の強み・弱みを分析するということ。オリエンタルランドとUSJの強み・弱みも分析していきましょう!

オリエンタルランドの強み

まず、オリエンタルランドの強みについて。主力事業がテーマパーク事業ということで、ディズニーリゾートの強みを分析します。ディズニーリゾートの強みとしてブランド力と立地の2点が挙げられます。
まずは世界的に知られているディズニーというブランド力はやはり強みです。パークに行ったことがなくともディズニーそのもののファン、という方は大勢いますし、ディズニーという統一された世界観をパークで表現できるのは他のパークにない特徴でしょう。
また、東京からわずか50分、成田空港からもほど近いという立地の良さも強みです。地方からの日本人観光客はもちろん外国人観光客も訪れやすい場所に位置しています。

オリエンタルランドの弱み

その一方で、ディズニーというブランドに依存しているというのは弱みにもなりえます。競合であるUSJはマーケティングに力を入れてターゲット層も明確にし、旬のアトラクションを取り入れているのに対しディズニーリゾートは流行りを取り入れるにも「ディズニーに関連したものの中で」という制約があります。
これに加え、近年の連続した値上げにより来園者数は頭打ちになっているようです。しかしながら、2018年はディズニーランドの35周年イベントにより過去最高の来園者数を達成しました。混雑の緩和やマーケティングが今後の課題になるのではないでしょうか。

USJの強み

続いて、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長しているUSJの強みについてです。USJの強みは何と言っても徹底したマーケティングです。会社の組織図を見てもわかるようにマーケティングを行う専門の部署を設置しています。
「ハリウッド映画をテーマにしたパーク」から「国内外を問わず人気のコンテンツを揃えたパーク」に転換し、近年は「進撃の巨人」や「エヴァンゲリオン」などの日本アニメも取り入れています。
ディズニーに比べてごちゃまぜ感は否めませんが、パーク内のエリアごとにターゲットを明確にすることで来園者数の増加に成功しています。

USJの弱み

ディズニーリゾートに迫る勢いで怖いものなしのように思えるUSJですが、安全面についてはまだまだ課題が残っています。
2018年に起きた「フライングダイナソー」や「ハリウッドザドリーム」の緊急停止事故などは記憶に新しいはずです。安全装置が作動したが故の停止ではありますが、今後テーマパーク事業が成長するには一層の安全対策が求められます。

両社の今後

最後に両社の今後について検討します。2020年の東京オリンピックもあり、訪日外国人観光客はますます増えることが予想されます。
そのためテーマパーク業界は今後も堅調に推移していくでしょう。その中で、両社が発表している今後の施策をご紹介します。

オリエンタルランドの今後

オリエンタルランドはパーク事業について、大幅な拡張を発表しています。19年には新アトラクションの「ソアリン」が開業し、20年には新エリアの「美女と野獣」エリアがオープンする予定です。
また、電子マネー決済の導入も発表されておりより充実し便利なパークになるようです。パーク事業の他に、舞浜外で事業を行うという案もあり今後も目が離せません。

USJの今後

USJは任天堂のゲームの世界観を体現したエリア「SUPER NINTENDO WORLD」を2020年にオープンすることを発表しています。あの「マリオカート」のアトラクションなど、日本人にはもちろん日本を好きな外国人にも人気が出そうなエリアです。USJは今後も「クールジャパン」文化を世界に発信するテーマパークとして伸びていきそうですね。

もっと業界研究を!

いかがでしたでしょうか。これで業界研究は十分、というわけではありません。ぜひレクミーの業界研究方法を参考にしながらご自身でも業界研究を行ってみてください。

業界研究のやり方はこちらを参考にしてみてください→総合商社最強の業界研究