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大学の成績は就活に影響するか
大学の成績は就活に影響するか

必ずといっていいほど要求される成績証明書。就活では成績が悪いと不利に働くのでしょうか?企業の目線から、なぜ提出させるのか、評価に関係するのか、そして成績が悪い就活生の対策法を考えていきます。

就活で避けては通れない成績の提出

インターンシップや本選考では成績を提出する場面がたくさんあります。具体的には
①エントリーでGPAを記入する
②成績証明書を提出する
③面接で成績・学業について聞かれる
というのが一般的です。提出の頻度は高いため、多くの就活生が「成績が選考で重要なのか?」と不安になるのも当然かもしれません。

企業が成績を聞いてくる理由

なぜ企業は成績を確認するのでしょうか?その背景には人事部の事情があります。

卒業できるか確認したい

企業は1人採用するのに、平均約50万円の費用をかけています。内定を出したあとに留年されてしまうと50万円は回収できず、かけた労力も全て水の泡になります。この損失を避けるためにも、企業は「この学生は卒業できるのか」を確認したいのです。

人柄を知りたい

成績やGPAには、少なからず人柄があらわれます。堅実な性格の学生は必修科目で好成績を収めていたり、好奇心が旺盛な方は多様な授業を履修している傾向があります。成績が単なる「勉強ができるか」ではなく、人柄を知る材料にするのは少し意外に思われるかもしれません。

学業の適性を確認したい

ほとんどの就活生にとって、大学で勉強したことは仕事に直結しません。しかし理系の研究職やシンクタンクでは学業と仕事内容が関連することもあります。専攻が直接関連しなくても、「仮説思考ができるか」「地道な研究に耐えうるか」といった資質を見極めることは重要です。一部の職種では成績を見ることで、こうした適性チェックの参考にしています。

結論:「参考資料」に過ぎない

成績だけでは落選しない


経団連「2018 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」より筆者作成

たとえ成績が悪くても、落選を心配しなくて大丈夫です。上の図は経団連が約600社を対象に行った調査で、企業が採用活動で重視したポイントがまとめられています。学業成績は20項目中【18位】と下位に位置しており、選んだ企業は【4.4%】に留まりました。この統計から、企業は「参考資料」として成績を見ていることがわかります。

成績は判断材料として扱いにくい

成績が「選考資料」に留まっている大きな理由は、成績が比較しにくいことにあります。上の図では2人の学生、AさんとBさんを選考しています。Bさんの方がSとAが多いですね。しかしこの数字から何が判断できるでしょうか。
「BさんはAさんに比べて真面目だ」
「Aさんはあまり賢くない」
と判断するには、この数字は不十分です。大学・学部・授業によって「単位の取りやすさ」が全く異なるためです。この記事をご覧の方も、大学で「楽単」「エグ単」があるのではないでしょうか。Bさんが積極的に「楽単」を取っているとしたら、SやAを取るのは簡単なはずです。つまり、同じ環境で得点を比較していないため、容易に優劣を付けられないのです。このため、企業は成績よりもSPIなど共通の筆記試験を重視する傾向があります。

一部企業では判断材料になる

4.4%の企業が重視した点に採用しているのも事実です。4.4%は先述した理系の研究職や、コンサルタントなど高度な思考力を求められる職種であると考えられます。一部企業で内定者の学歴が偏るのも頭脳労働に耐えられるかを重視しているためではないでしょうか。

成績が悪い就活生の対処法

「それなら仕方ない」という理由を用意する

「学生の本分は学業」といいますが、企業も学業以外の活動の大切さを理解しています。そのため、事情をしっかりと説明することで成績の埋め合わせは可能です。アルバイトや部活動、サークルなど、学業以外に頑張ったエピソードをしっかりと用意しましょう。そこで自分の資質をアピールできれば、人事はGPAを気にしないでしょう。

筆記試験でよい点数を取る

成績が悪いと、入社後の研修や資格取得についていけるか懸念される可能性があります。証券外務員や情報処理系の資格などは業務に必要なため、会社によっては極めて重要なポイントです。この不安を払拭するためには、筆記試験で最低限の学力をアピールしましょう。SPIなどで高得点を取ることができれば、「成績は何か事情があったのだろう」と企業も納得してくれるでしょう。

卒業までの計画を説明する

先述の通り、「確実に卒業できるか」が人事の最大の心配事です。成績に言及された場合は、しっかりと卒業できることをアピールしましょう。具体的には
「今年は◯◯単位の取得を予定しており、余裕を持たせるため◯◯単位多めに履修しています。」
という形で単位取得を計画的に考えている姿勢を見せましょう。

選考対策を万全に

成績だけで選考に落選することはほとんどありません。グループディスカッションや面接をしっかりこなせば、内定は問題なくもらうことができます。成績を提出したあとは不安になるかもしれませんが、気にせず選考対策を進めておきましょう。