インターンシップは本当にミスマッチを無くすのか
インターンシップは本当にミスマッチを無くすのか

就職活動において「インターンシップ」という言葉は非常に身近になってきました。2018年10月時点で、2020年卒の就活生のうち、インターンシップに参加したことのある就活生は9割を超えるというデータも出ています(ディスコ調べ)。多くの学生が参加する、ミスマッチを無くす上でも非常に効果的なインターンシップですが、実はかえってミスマッチにつながる可能性もあるのです。

インターンシップについて

インターンシップとは

インターンシップとは、学生が企業で業務を体験することができる制度のことです。インターンと略して言うことが多いです(以下、インターン)。インターンは大きく「長期インターン」「短期インターン」に分けることができます。
長期インターンは、3か月~数年など長期間、実際の社員と同じ裁量で業務に従事するものです。アルバイトと同様に有給であることが多いです。
一方、短期インターンは、短いものは1日、長くても1週間~2週間で行われる、企業の業務を疑似体験できるものです。企業側がインターン用に準備したプログラムを体験する形なので、実際の業務に携わるわけではありません。就職活動におけるインターンは、短期インターンのことを指すことがほとんどです。この記事でも、「インターン=短期インターン」という前提で進めていきます。

インターンは「採用目的」

インターンを実施する目的は、企業は「社会貢献活動」「業務理解を促進する」「ミスマッチを無くす」などと表向きではしています。というのも、採用活動を目的とするインターンは禁止されているからです。
しかし、企業はインターンを「採用目的(優秀者の囲い込み・PR活動)」で開催しています。これについても、今や一般常識となっています。実際、囲い込みに関してはインターン参加者限定での選考対策があったり、優秀者は早期選考ルートに乗れたりさまざまです。「採用選考活動には一切関係ありません」と記載されていても、関係あるものだと考えておきましょう。

インターンは学生にとって業界・企業理解の場、ミスマッチを無くすの場に

インターンはその企業の業務をワークという形で体験することができ、さらに社員さんに関わることができる場です。学生にインターンに参加する理由を聞いても、選考で有利に働くという理由だけではなく、業界理解・業務理解を深めたい、社員の雰囲気を知りたいといった理由も多いです。ネットや書籍などで調べられる情報よりも多いものを得られる非常に有意義な場でもあり、毎年多くの人が参加します。

インターンが逆にミスマッチを起こすかもしれない理由

業界・企業理解、業務体験の場であるインターンが逆にミスマッチを起こしてしまうとはいったいどういうことなのでしょうか。

採用目的である以上、企業を良く見せようとする

企業はインターンを採用目的で行う以上、インターンでは学生に良い印象を持ってもらおうと努力します。特に、優秀な学生を早期に囲い込もうとする企業では顕著です。良く見せる方法としては、懇親会や豪華な昼食で学生をもてなしたり、実際に現場で活躍するトップ層の社員を参加させたりなどです。
良い企業だという印象によって、実際には自分に合っていない業務・業界・企業であっても魅力的に感じ、ミスマッチの原因となってしまうのです。

用意されるプログラムは業務で一番面白いもの

先ほどの「良く見せようとする」ことは、インターンで用意されているプログラムについても同じことが言えます。基本的にインターンで用意されるプログラム・ワークは、その企業の業務の中でも一番面白いもの、もしくは面白く感じられるように変えたものです。
学生に敬遠されないように、業務の大変さや退屈さを感じさせてしまうものはできるだけ避けたいというのが企業の本音です。もちろん、企業によっては業務の大変さを示す内容にしていますが、大きなやりがいを感じることができるなど必ず魅力のあるものにしています。インターンのプログラムで知ることができなかった業務内容や大変さは、ミスマッチの原因となってしまいます。

囲い込みが学生の気持ちを揺さぶる

企業はインターンに参加した優秀な学生を、インターン終了後さまざまな手段で囲い込みしていきます。例えば、インターン参加者・優秀者限定のランチ会や懇親会、勉強会を開催するなどです。
囲い込みを受けた学生で、嫌な気持ちになる人はいないはずです。逆に志望度が上がる人は多いでしょう。本当はあまり興味がなかったり、自分には合っていなかったりしても、囲い込みによって気持ちが揺らぎ、ミスマッチの原因となってしまうのです。

インターンでミスマッチを起こさないために

本来ミスマッチを無くす場であるインターンで、かえってミスマッチを起こさないためにはどうすればよいのでしょうか。

採用目的だということを念頭に置く

インターンは採用目的ということを、学生は念頭に置いたうえで参加しましょう。体験しているワークは魅力的に見せているものだとか、企業がもてなしているのは囲い込むためだとか考えることです。もちろん考えすぎると人間不信になってしまいますが、ミスマッチを起こさないためにも疑うことは重要です。

マイナス面にも目を向ける

企業のマイナス面に目を向けるというのは、ミスマッチを起こさないためには重要です。インターンでは、企業もできるだけマイナス面は感じさせないようにします。学生は、マイナス面に目を向けることで、その企業を総合的にかつ多角的に判断することができます。
マイナスな面は、OB・OG訪問やネットの口コミなどから探ることができます。もちろん、すべてを鵜呑みにする必要はありませんが、公平に見るためには重要な作業です。

参加後の復習を入念に

インターンは参加後の復習が大事です。参加中は魅力的に見せられ、志望度が高くなっていたとしても、参加後冷静に復習し、総合的に判断したらそうでもなかったということはよくあります。インターン参加後は、学んだことを振り返り、ネットやOB・OG訪問などで得た情報なども自分の軸に照らし合わせながら、企業を総合的に判断しましょう。

インターンによるミスマッチを避けるために

インターンは業務を体験することができ、業界や企業を深く理解できる貴重な場です。しかし、採用目的で行われている以上、企業は学生に良く見せたいという気持ちは必ずあります。そのことを念頭に置いていないとミスマッチになり、企業側も学生側もどちらも損する結果となってしまいます。インターンがかえってミスマッチの原因となってしまわないよう、この記事で紹介したことを頭に置いてインターンに参加しましょう。