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サマーインターンの選考はいかがでしたか。選考に落ちたという方、「夏は練習らしいし、なんとかなるだろう」と思っていませんか。このままいくと、なんとかならないかもしれません。なんとかなるのは、秋から改善に取り組んだ人だけです。今あなたは改善する材料を手に入れた状態ですから、ここからの努力次第で就活の成否が決まると言えます。今回は、夏の選考に落ちた就活生の立て直し方についてお話しします。

サマーインターンで試される「自責」の価値観

私の夏は散々なものでした。

就活生には、選考を難なく通過していく猛者と、悪戦苦闘している普通の就活生がいます。凡人の筆者は後者でした。応募した企業の半数以上に落とされ、「滑り止め」と考えていた企業にすら落とされ、メンタルはボロボロでした。落ちた原因がよくわからず、不安は増すばかり。「このまま本選考でも内定が出なかったらどうしよう…」毎日不安に駆られていました。しかし不安は杞憂に終わりました。秋、冬に入ると成果は上向いていき、最終的に早期ルートで外資系企業の内定をもらえたのです。夏からの状況を変えたポイントは「自責志向への転換」でした。

自己防衛で人間は他責にしたがる

初めての本格的な選考で落とされると、
「運が悪かった」
「相手の見る目がない」
「グループディスカッションのメンバーが微妙だったせい」
と考える就活生が少なくありません。たしかに受けたのが2、3社なら面接官がとてつもなく見る目が無かったりと、自分以外の要因で落とされることもあるかもしれません。しかし受けた会社の数がそれなりにあるならば、責任は自分にあります。「大数の法則」にしたがって、選考結果が実力に近い形で収束していくからです。そのため、他責ではなく自責に気持ちを切り替えていくのが適切です。自責といっても、あなたが人間として不完全なのではなく、「今の用いている攻略法が企業に効いていない」だけです。「あなたの攻略法」を責めて下さい。徹底的に責めて改善することで、内定が近づきます。

何が原因だったのか選考ステージごとに考える

自責に気持ちを切り替えたところで、落ちた原因を検討していきましょう。毎年多くの就活生が繰り返す失敗を選考ステップごとにご紹介していきます。

書類選考で落ちる

書類選考で主に重視される項目は「学歴」・「学生時代頑張ったこと」・「志望動機」です。学歴はどうしようもありません。一部の伝統的・保守的企業では大学名のみで足切りが行われているのも事実です。しかしあくまで一部の会社に限った話ですから、問題は「学生時代頑張ったこと」「志望動機」になります。落ちるエントリーシートでありがちな失敗としては
【学生時代頑張ったこと】
①説明が少なく話の概要がつかみにくい
②定性的な話が多く具体性に欠ける
③自分の努力や工夫がイメージしにくい
④示されている資質が企業の求めるものに合致していない
(協調性を求める企業に論理的思考力をアピールするエピソードを書くなど)
【志望動機】
①ありふれた内容
②業務内容の理解が浅い
などが挙げられます。一般的に就活が始まって間もないサマーインターンでは、「志望動機」より「学生時代頑張ったこと」、サマーインターンを経ての秋冬インターンでは「志望動機」を重視されるため、時期や状況に応じて修正していきましょう。

SPI・webテストで落ちる

意外と陥りやすいのが、筆記試験での落選です。SPI、玉手箱、TG-webなどの筆記テストはある程度の慣れ・対策が必要で、対策不足では落とされてしまいます。特に知性が重視されるコンサルティング会社などではボーダーラインが高いため、より対策が必要です。この筆記試験の対策法は主に
①試験の受験回数を増やし現場で慣れる
②対策本を購入して練習を重ねる
といったものがあります。複数回落とされた就活生は対策本を用いてしっかり対策することをオススメします。SPIテストセンターでの結果は本選考に再利用できますから、早めに対策してしまいましょう。
筆者は夏のインターンシップで外資系コンサルティング会社にwebテストで落選したのをきっかけに対策を始めました。対策を始めて以降webテストで落選することはなくなり、その後のインターンシップで受けたSPIの結果を冬の本選考でも活用して内定を得ることができました。

グループディスカッションで落ちる

選考序盤でしばしば登場するのがこのグループディスカッションです。グループディスカッションで落ちる根本的な原因としては
①議論が苦手(コミュニケーションの問題)
②ケースの解き方がわかっていない(考え方の問題)
の2つが考えられます。前者は発言のタイミングや言い回し、人の意見の聞き方などです。議論のやり方はさまざまな就活サービスで対策講座が用意されていますので、積極的に参加して経験をつみましょう。より重要なのは後者です。グループディスカッションで与えられる課題を解くには、議論慣れだけでなく論理的思考力が必要です。問題をいかに定義して分解していくか、ケース問題そのものの解き方を把握しておくことで、飛躍的に発言の価値が増していきます。「自分の意見をあまり採用してもらえない」と心当たりのある方は、ケースの解き方がわかっていないかもしれません。

一次面接で落ちるのは基本ができていない証拠

一次面接は一般的に「最低限ちゃんとした学生か確認する」ことを目的としています。そのため、この序盤の面接で落ちる場合は「いずれかの項目が最低限の基準を満たしていない」ことになります。礼儀・身だしなみ・言葉遣い・話し方・話す内容などに原因があると考えられますが、意外と自分では気づきにくいものです。友人や先輩といった第三者に見てもらい、弱点発見を手伝ってもらってはいかがでしょうか。

二次面接以降はライバルとの競り負け

二次面接以降になると、学生に要求される水準は上がります。大きな失敗をしていなくても他の就活生との相対評価で落とされてしまうため、一次面接で落とされるケースより原因がわかりにくいことが多いのです。ケースバイケースの対応が必要ですが、一般論として言えるのは「採用担当者のかゆいところをかけるか」です。新卒採用のターゲット人材にどのような人物が想定されているか、自分がターゲット人材だとアピールするにはどのようなアピールが必要かを逆算していきましょう。

筆者は夏からコンサルティング会社を中心に受けていたため、話すエピソードも自分の「論理的思考力」と「忍耐力」をアピールするものでした。コンサルファームでは評価されるこのエピソードは、チームワークを重視する日系メーカー、金融機関には評価されず、ことごとく落選してしまいました。しかし企業から求められる資質をベースにエピソードを複数用意するようにした結果、夏に落選した企業も秋以降はほとんど通過することができました。

正直に申し上げて、二次面接以降どうしても通過しない会社もあると思います。これは人によっては向いていない業界もあるためです。「優等生肌の堅実な学生」が「クリエイティブでとがった人材を求める会社」の内定を取るのは難しそうですよね。努力を超えた適性があることも考慮しつつ、自分に合った会社に応募してください。

自責と他責のバランス感覚を

就活をしていく上で、自分の取り組みを客観的にとらえ、改善していくことは欠かせません。しかし真面目に取り組みすぎるあまり、自信を完全に失ってしまう学生も少なくありません。自分の改善すべきポイントは意識しつつ、最後には自分を信頼してあげられるようなバランス感覚を身につけましょう。これからの秋冬インターン、そして本選考に向けて、健闘を祈ります。