用語集

SOHOとは?向いている職種やメリット・デメリット、事業を開始する方法

SOHOとして働くメリット・デメリット、事業をはじめる方法、向いている業種・職種について解説します。SOHOワーカーとして働く際の心構えについてもご紹介するので、是非参考にしてください。

SOHOとは?

SOHOとは、「Small Office/Home Office」の頭文字をとったもので、小さな事務所や住居兼事務所を使用するワークススタイル、またその仕事場や物件を指します。時間や場所にとらわれない働き方として注目され、SOHO可の物件も増えているようです。

参考:soho(ソーホー)とは? soho物件はオフィスとどう違う?どんな人が住んでいるの?

1999年に設立された一般社団法人 日本SOHO協会によるSOHOの定義は下記です。

SOHO(ソーホー)は、Small Office Home Office=スモールオフィス・ホームオフィスの略称(Small Office Home Office)で、企業などから委託された仕事を、情報通信を活用して自宅や小規模事務所等で個人事業主として請け負う労働形態のことです。

http://www.j-soho.or.jp/index.html

しかし一般的には、個人事業主だけでなく、小規模事業者もSOHOの対象とみなされることが多いです。

SOHOの類義語

SOHOの類義語は「フリーランス」「ノマドワーカー」「スタートアップ」などです。それぞれ用語の意味を解説します。

フリーランス

フリーランスは契約形式の一つで、特定の団体や企業に属さず業務を請け負うことを指します。SOHOもフリーランスも個人事業主という点は共通です。しかしSOHOが基本的に同じ場所(オフィスや住居兼事務所)で仕事をする一方、フリーランスはオフィスを構えないことが多く、カフェやコワーキングスペースなどで仕事をします。

ノマドワーカー

「ノマド」は英語で遊牧民を意味しており、場所にとらわれずITデバイスを活用して働くワークスタイルを指します。個人事業主でも会社員であっても、働く場所が決まっていない人の総称がノマドワーカーです。フリーランスは契約形式で、ノマドワーカーはワークスタイルを指すことが特徴です。

スタートアップ

イノベーションや新ビジネスモデルの構築を短期間で目指し、新市場の開拓を目的とするのがスタートアップ企業です。スタートアップ企業は法人設立が多いですが、SOHOは法人も個人事業主も含まれます。この点が両者の違いです。

SOHOのメリット

SOHOのメリットは以下のとおりです。

初期費用を抑えられる

事務所専用物件を借りる場合、敷金・礼金・保証料などがかなりかかります。しかし

自宅を事務所にすると、初期投資が大幅に抑えられます。特に独立直後は、資金繰りに悩む人も多く、初期投資の節約は大きなメリットです。

業務内容や仕事量を調整できる

個人事業主のSOHOなら、業務内容や仕事量を調整できます。やりたい仕事だけ取捨選択できるのです。また、プライベートが忙しい時期は仕事量をセーブするなど、自身のライフスタイルに合わせて調整することが可能です。

働く時間に制限がない

サラリーマンのような「定時」がないので、仕事をする時間に制限はありません。

クライアントの納期さえ守れば、好きな時間に好きなだけ働けます。

自分の都合に合わせて、勤務時間を調整できるのは魅力的です。

また、自宅兼事務所なら通勤時間は0分なので、時間を有効活用できます。

SOHOのデメリット

SOHOにはデメリットも存在します。

収入が不安定になる

仕事がないと報酬が得られないため、収入が不安定になりやすいです。悩みが増えたりストレスを貯める人もいるでしょう。

またクライアントによっては支払いタイミングも異なりますので、計画的に資金運用ができるようにしましょう。

仕事とプライベートの切り替えが難しい

一つの空間を2つの目的で使用するため、仕事とプライベートを切り替えにくいです。生産性が下がる可能性もあるので、自己管理をしっかり行いましょう。集中力が切れたりはかどらない場合は、場所を変えるなど工夫してみてください。

業務の範囲が広い

本業以外の庶務も多いです。新規開拓だけでなく、契約書作成、備品発注、請求書の発行、納税など、SOHOの業務は多岐にわたります。細かい業務に忙殺されないようにしましょう。

仕事の責任を全て負わなければならない

サラリーマンならミスや遅刻をしても定額をもらえます。しかしSOHOの個人事業主は、一つ一つの案件の成果が、自身の評価や報酬に直結します。受注した仕事に対して高いプロ意識と責任感を持たなければなりません。全ての行動がクライアントとの信頼関係に響きます。目の前の仕事に真摯に取り組み、強固な信頼関係を築きましょう。

SOHOとして事業をはじめる方法

SOHOに許可や資格などは必要ありません。スムーズに働き始めるために、事前に準備すべきことを確認しておきましょう。

事業内容を決める

まず、どんな業務で仕事を受注するか考えましょう。これまでの経験や人脈、培ったスキルを活用できる事業がおすすめです。事業内容によっては、オフィス専用物件やその他機材が必要になる場合もあります。本格的な業務開始前に確認し、準備しておきましょう。

事業拠点を決める

業務を行う拠点を決めましょう。住居兼事務所にするなら、必ずオフィスとして利用可能な物件に入居しましょう。居住用の賃貸物件を勝手にオフィスにするのは、規約違反です。またSOHO可の物件でも、レイアウトや間取りが仕事向きかよく検討しましょう。オフィスとプライベート空間の距離や、トイレ・洗面所の位置なども要確認です。来訪者のためにも、ユニットバスは避けましょう。

個人事業の開業届を提出する

次に個人事業主の開業手続きを行います。開業方法は、税務署に開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を提出するだけです。税務署は地域ごとに管轄が異なるため、住む地域の担当税務署に提出してください。開業届を出さなくても、「自分はSOHOです」と名乗れば、SOHOとして仕事をすることは可能です。

しかし、開業届を出すメリットは非常に大きいです。

  • 最大65万円節税できる「青色申告」を使った確定申告が可能になる
  • 屋号の名義で銀行口座を開設できる

最大65万円節税できる青色申告は、開業届を提出しないと適用されません。

(※別途、開業日から2ヶ月以内に青色申告の申請も必要です)

また屋号の名義で銀行口座を開設できるため、経理関連の作業がしやすくなります。他にもオフィス契約や融資の審査等で開業届控えの提出が求められることもあります。開業届は事業内容や職業を証明する書類としても使えるため、なるべく提出しておきましょう。

WebサイトやSNSなどを使い窓口を作る

WebサイトやSNSを利用し、営業窓口を作りましょう。実績やノウハウ、スキルなど、自己PRを積極的に発信することで案件獲得につながる可能性もあります。

FacebookやTwitterにSOHO専用のアカウントを作るのも一つの手です。

SOHOに向いている業種・職種は?

SOHOに向いている業種・職種は、ITを活用してPCでできる業務です。主に以下の業種・職種です。

デザイナー

デザイナーはSOHOの代表的な職種です。クライアントの要望に叶うデザインを納品するという仕事のため、オフィスで仕事をする必要性はあまりないためです。定期的な打ち合わせはオンラインで実施すれば十分です。

ライター・Web編集

ライター・Web編集は、ネット環境とPCがあれば場所を問わないので、SOHOに適しています。Webライターや編集者のニーズは一定あり、優秀な人なら複数案件の掛け持ちで安定した収入を得ることも可能です。

動画や画像の編集

デジタル化や5G普及にあいまって、動画視聴の習慣が定着しつつあります。また、SNSやバーチャルアバターを用いた仕事や案件も増えてきました。そのため、デジタル動画編集ソフトやフォトショップ、イラストレーターなどのツールを使える場合、受注が増える可能性もあります。これまで動画や画像編集に携わってきた人なら、スムーズにSOHOを始められそうです。 

エンジニアやプログラマー

エンジニアやプログラマーは、人材不足も相まって年々需要が高まっています。クライアントの要望に応えられる十分なスキルがあれば、SOHOワーカーとしての生活は十分可能です。ジャンルが細分化されている業界なので、得意分野や対応可能な言語を積極的に磨くことが大切です。

SOHOに向いていない業種・職種は?

飲食業や接客業は不向きです。そもそも住居兼事務所として物件を契約する場合、不特定多数の人が出入りする飲食業や接客事業は禁止されることが多いです。

またSOHOは基本的にPCを用いて作業をするので、そうでない業務においてはSOHOで事業展開が難しいです。

SOHOワーカーとして働く際の心構え

SOHOワーカーは、自由に時間を使って働ける一方で、収入が不安定になるなどのデメリットもあります。SOHOワーカーとして活躍するための心構えを解説します。

自分の得意分野やスキルを身につけておく

より多くの仕事を受注できるよう、デザインやプログラミングなどの得意分野を作り、スキルを体得しておくことが大切です。得意なジャンルがあれば仕事を獲得できる可能性が高くなり、収入を安定させられます。

1日のスケジュールを決める

SOHOは自己管理ができないと集中力や生産性が下がります。1日のスケジュールをしっかり決め、効率よく業務を進めましょう。そうすれば、定時のあるサラリーマンのように、メリハリのある働き方ができます。

SOHO可の賃貸探しにおすすめのサイト

適した物件を見つけるにも、相場チェックや内見は入念に行いましょう。

まずはオンラインのポータルサイトで探しましょう。

「SOHO東京」 https://www.soho-tokyo.com/

「the SOHO」 https://thesoho.net/

「東京デザイナーズ生活」https://tokyo-designers.com/

他にも様々なサイトがあるので、複数社を比較し、自分の理想に近い物件を見つけてください。

まとめ

SOHOは業務内容や仕事量、働く時間などを自由に選択できる点はメリットです。しかし、収入が不安定になることや仕事とプライベートの切り替えが難しいなどのデメリットもあります。メリット・デメリットを理解したうえで、ライターやプログラマーなどの業務で独立したい方はSOHOを選択肢の一つにしてみてはいかがでしょうか。

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