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ウェルビーイング経営の事例15選|企業の施策・オフィス環境を紹介

ウェルビーイング_経営_事例_施策_オフィス環境

従業員の健康と幸福を重視した「ウェルビーイング経営」が注目されているなかで、どのような取り組みを行うべきか悩んでいる人事担当者の方もいるでしょう。

企業は労働環境の改善に力を入れている一方で、さらに一歩進んだ「従業員が心身ともに健康で、かつ幸せを感じられる職場づくり」にも注力しています。

そこで本記事では、ウェルビーイング経営の重要性と、さまざまな業界の企業が実践する具体的な取り組み事例を紹介します。

また、従業員の働きやすさを考慮して、オフィスの環境づくりを工夫している事例も取り上げました。

ウェルビーイング経営の実例を学び、企業の持続的な成長に欠かせない施策のヒントを見つけてみてください。

ウェルビーイング経営は「従業員の健康と幸福」を重視

ウェルビーイング_経営_従業員_健康_幸福_重視

ウェルビーイング経営は「従業員の健康と幸福」を重視した経営手法で、従業員の「身体面・精神面・社会面」の要素を満たすことが目的です。

組織に関わるすべての人のウェルビーイングを目指し、企業はさまざまな目的を持って取り組んでいます。

似ている言葉に「健康経営」がありますが、ウェルビーイング経営の従業員視点での施策とは異なり、企業側の視点で行う経営手法です。

しかし、健康経営の「身体的な健康の維持・増進」は、ウェルビーイング経営の基盤ともなり、経済産業省の報告でも両者の経営の視点が重要だとしています。
参考:未来人材ビジョン(P54)|経済産業省

ウェルビーイング経営について詳しく知りたい方は、以下の記事を確認してみてください。実践による効果や取り組み方法をわかりやすく解説しています。

ウェルビーイング経営_効果_事例解説
ウェルビーイング経営とは?5つの効果と取り組み方法・事例を解説ウェルビーイング経営とは、社員の幸福な状態(ウェルビーイング)を目指す施策を行う経営手法のことです。離職率低下や生産性向上などさまざまなメリットがあります。具体的な取り組み方法や企業事例を解説します。...

ウェルビーイング経営の取り組み事例【12選】

ウェルビーイング_経営_取り組み_事例

ウェルビーイング経営を推進している企業から、自社独自の特性を活かした12社の取り組みをピックアップしてご紹介します。

企業名取り組み事例
トヨタ自動車株式会社・お昼休憩の時間を「ウォーキングデー」として設定
・肩こりや腰痛などの解消を目的とした健康アプリの導入
サントリーホールディングス株式会社・日常生活で「プラス10分」の運動をする活動宣言
・若年層の朝食摂取を促す「フリーズドライスープ」を配布
日本マクドナルド株式会社・子どもが⼩学校卒業まで利用できる育児時短勤務制度
・食習慣や運動習慣のヒントを提供する健康教室
パナソニック ホールディングス株式会社・「対面業務」と「リモート業務」のハイブリッドで成果創出
・キャリア形成に向けた、柔軟かつ自律的な働き方の提供
花王株式会社・内臓脂肪をためにくい食事法の料理教室
・運動習慣の改善を促す歩行計の貸し出し
日清食品株式会社・誰でも相談できる「24時間受付の相談窓口」を設置
・女性の健康やメンタルヘルスに関する講演会
味の素株式会社・自分の健康データを確認できるポータルサイトの活用
・健康改善をモチベートする健康アプリの導入
ANAホールディングス株式会社・兼業や副業で新たな知識やスキルの習得を奨励
・客室乗務員に向けた短日数勤務の制度を導入
任天堂株式会社・出退勤の時間をコントロールできる制度の導入
・社内広報サイトで社長メッセージを掲載
アドビ株式会社・ウェルビーイング関連製品への補助プログラム
・仕事や日常生活の問題が相談できるオンラインサポート
株式会社マネーフォワード・多様な働き方を叶える勤務体制
・育児休暇の取得を促進するハンドブックの提供
未知株式会社・社員のエンゲージメントや満足度を定期的に調査
・ケア対象の社員との「1on1ミーティング」の実施

各企業の取り組みは、従業員の健康や幸福を第一としたうえで「従業員は企業の重要な資産」と考えたものばかりです。

以下より各企業の取り組み事例を紹介していきますので、ウェルビーイング経営を実践するときの参考にしてみてください。

トヨタ自動車株式会社

トヨタ自動車株式会社が目指している姿は「すべての人が心身ともに健康で、安全な環境の下、生き生き活躍し続ける職場づくり」です。

ウェルビーイング経営の基本となる健康への取り組みでは、社員のニーズに寄り添った施策を多角的に実施しています。

  • お昼休憩の時間を「ウォーキングデー」として設定(週2回)
  • 肩こりや腰痛などの解消を目的とした「健康アプリ」の導入
  • 目の疲れを軽減するエクササイズを定期的に配信
  • 食堂メニューのグリーンサラダを増量

同社では、生産性に関する指標(プレゼンティーイズム)や、活力に関する指標(ワークエンゲージメントを測定し、社員の状態を把握しながら改善を図っています。

また「トヨタに関わるすべての人の笑顔と幸せ」を実現するため、議論を行うための研究会の立ち上げも取り組みの一つです。

サントリーホールディングス株式会社

サントリーホールディングス株式会社では、従業員・家族の心身の健康と、全従業員がやる気に満ちて働いている状態を目指した経営を行っています。

同社のウェルビーイング実現に向けた取り組みは、以下のとおりです。

  • 日常生活で「プラス10分」の運動をする活動宣言
  • 若年層の朝食摂取を促す「フリーズドライスープ」を配布
  • 睡眠改善に向けた「快眠セミナー」の開催と「快眠サプリ」の提供
  • 心の健康への対処法を学ぶ「ラインケアセミナー」の実施

上記の取り組みでは、従業員が自ら取り組むべき項目を選定し、健康への意識を持つように企業が働きかけています。

また、ストレスチェックの結果をもとに心理的な負荷の要因を探り、従業員のメンタルヘルス不調の予防にも積極的に取り組んでいます。

参考:サントリー 健康白書 2023|サントリーホールディングス株式会社

日本マクドナルド株式会社

日本マクドナルド株式会社では「あらゆる人がいきいきと働き成長できれば、未来はもっと明るくなる」の信念のもと、働きやすい環境づくりや人材育成を行っています。

同社では、社員のライフイベントによる働き方の変化や、女性のキャリアアップに対応するため、以下のような取り組みを実施しています。

  • 働く時間・休⽇をプライベートに合わせて柔軟に変更できる仕組み
  • 子どもが⼩学校卒業まで利用できる育児時短勤務制度
  • キャリアアップを目指すスタッフ公募制度

また、健康管理の基本や食習慣などのヒントを提供する「健康教室」の実施も、ウェルビーイング実現に向けた同社の取り組みです。

パナソニック ホールディングス株式会社

パナソニック ホールディングス株式会社では、人が活きる経営の実践を目指しており、その前提として「社員のウェルビーイング」を目標に掲げています。

同社におけるウェルビーイングの根幹となる取り組みは、以下の3つの柱をもとに進められています。

  1. 安全・安心・健康に、はたらく。
  2. やりがいを持って、はたらく。
  3. 個性を活かしあって、はたらく。

「2」の取り組みは、生産性が高い「対面業務」と「リモート業務」に分類し、両者の成果創出を目指す施策です。

「3」では、個人のキャリア形成やワークライフバランスの実現に向けた、柔軟で自律的な働き方を提供しています。

  • 週4日勤務と副業の組み合わせ
  • 通勤圏外の実家での介護と週4日フルリモートの組み合わせ

上記のように、社員の状況に合わせた働き方ができる環境を作っています。

参考:DEIと社員のウェルビーイング|パナソニック ホールディングス株式会社

花王株式会社

花王株式会社では「社員の健康は会社にとっても財産であり、成⾧の源泉」という考えのもと、ウェルビーイング実現に向けた取り組みを行っています。

同社が掲げるウェルビーイング「一人ひとりのよりよい状態」への取り組みは、以下のとおりです。

  • 内臓脂肪をためにくい食事法「スマート和食」の料理教室
  • 運動習慣の改善を促す歩行計「ホコタッチ」の貸し出し
  • 全社員向けのセルフケアセミナーを動画で配信

同社では、内臓脂肪・歩行・健康に関する研究から、オリジナルの健康づくり「Kao GENKI-Action」を導入しています。

これは、健康状態や生活習慣を可視化させて「スマート和食」や「ホコタッチ」を活用し、健康につながる「くらし」を無理なく継続させる取り組みです。

日清食品株式会社

日清食品株式会社では「社員の心身の健康保持・増進」を重要な経営課題と位置づけ、社員が健康に働ける環境づくりに取り組んでいます。

ウェルビーイング経営の基盤となる、独自の「健康経営戦略マップ」を作成し、生産性・満足度・やりがいなどの指標を目標として掲げています。

同社が実施しているおもな取り組みは、以下のとおりです。

  • 健康や育児などの相談ができる「24時間受付の相談窓口」を設置
  • 女性の健康やメンタルヘルスに関する講演会の実施
  • 楽しみながら歩くトレイルイベントの実施

また、ストレス計で「ストレスの自覚や関心の強い人」や「無自覚のストレスを抱えた人」を把握し、セルフケアの提案やオンライン面談も実施しています。

参考:健康経営|日清食品株式会社

味の素株式会社

味の素株式会社では「従業員のウェルビーイングは人財資産の強化を支える基盤」の考えのもと、多角的な視点でウェルビーイング向上に取り組んでいます。

健康の維持・増進に向けた施策の一つが、従業員自らが考えて取り組みに参加する「味の素流セルフ・ケア」です。

この取り組みは、基盤となる健康診断や個別面談に加えて、以下のようなプログラムを展開しています。

  • 自分の健康データを確認できるポータルサイトの活用
  • 健康への意識と健康改善をモチベートする健康アプリの導入
  • 健康改善の順位づけと表彰をする「健診戦」の実施

同社では「持続可能なエンゲージメント・ウェルビーイング」を目標指標とし、最終的には「すべての従業員が働きがいを感じる会社の実現」を目指しています。

ANAホールディングス株式会社

ANAホールディングス株式会社では「ワクワクで満たされる世界を」の経営ビジョンのもと、重要課題の一つ「人財」に関する取り組みを行っています。

「人財」の価値創造を通してウェルビーイング実現を目指し、以下のような「働きやすさ・働きがいの向上」の施策を実施しています。

  • 兼業や副業を推進し、新たな知識やスキルの習得を奨励
  • 客室乗務員に向けた短日数勤務の制度
  • 企業・団体・自治体などへのグループ外出向

また、若手や中堅の社員が、組織文化の変革に取り組める「Happiness Planet Gym」の仕組み導入も、同社の施策の一つです。

参考:中長期的な価値創造|ANAホールディングス株式会社

任天堂株式会社

任天堂株式会社では、社員が能力を最大限に発揮できる環境にするため、働きがいのある職場づくりに取り組んでいます。

各種制度の整備やコミュニケーション活性化への施策を実施しており、おもな取り組みは以下のとおりです。

目的取り組み内容
ワークライフバランス・男性の育児休業の取得促進
・出退勤の時間をコントロールできる制度の導入
エンゲージメント向上・社内広報サイトで社長メッセージを掲載(月1回程度)
・社員同士のコミュニケーションを活性化させるポータルサイトの活用

また、座りすぎ解消のラジオ体操や、心身不調をケアする健康相談室など、健康面をサポートする取り組みも実施しています。

参考:社員|CSR情報(任天堂に関わるすべての人を笑顔にする)|任天堂株式会社

アドビ株式会社

アドビ株式会社は「社員こそが最も重要な資産である」との考えから、健康に関する制度や福利厚生プログラムなど、さまざまな施策を実施しています。

その施策のなかで、社員とその家族の健康や、ライフスタイルの充実を目的とした「ウェルビーイング補助プログラム」があり、補助内容は以下のとおりです。

補助額約9万円(※2024年時点)
対象のアイテム
・サービス
・スポーツ機器(自転車、スキー など)
・学習ツール・アプリ・サブスクリプション
・ペットケア製品(グルーミング、おもちゃ など)
・ファイナンシャルプランニングサービス(税務準備・相談 など)
・緊急時の対策品(消化器、懐中電灯 など)

また、仕事や日常生活での問題が相談できる「オンラインサポート」や、生活習慣を改善する「健康支援ツール」など、健康面の取り組みも充実しています。

参考:Adobe Benefits|アドビ株式会社

株式会社マネーフォワード

株式会社マネーフォワードは「社員の可能性をもっと前へ。」のミッションを実現するため、社員が安心して働ける環境づくりに注力しています。

組織のグローバル化や社員の多様化が進んでいるなかで、同社では以下のような施策や工夫を取り入れています。

  • 多様な働き方を叶える勤務体制(フレックスタイム、リモートワークなど)
  • 健康経営の推進(メンタル不調の予防、運動機会の提供など)
  • 育児休暇の取得促進(「産休育休ハンドブック」の提供)

また、入社後の時間割や相談先をわかりやすく伝えるための「オンボーディング支援サービスの活用」も、社員の不安を軽減させる取り組みの一つです。
参考:Talent Forward|株式会社マネーフォワード

株式会社マネーフォワードの取り組みについては、以下のインタビュー記事でも解説しています。ウェルビーイングの施策を検討するときの参考にしてみてください。

「メガスタートアップが考える、これからの時代のウェルビーイング」 本レポートは、2022年9月28,29日に開催された、「ウェルビーイングリーダーズサミット by ミキワメ」の基調講演の文字起こしです...

未知株式会社

未知株式会社では「世の中のポテンシャルを飛躍させる。」の理念のもと、企業をコーディネートする事業を展開しています。

経営を進めるにあたり、ポテンシャルを秘めた人を大成させるため、人材採用や育成にも注力しています。

その一つの取り組みが、社員のエンゲージメントや満足度を定期的に調査する「従業員サーベイの実施です。

同社では、サーベイツールの『ミキワメ ウェルビーイングサーベイ』を導入し、以下のような活用をしています。

  • ケア対象になった社員と上長との1on1ミーティングを実施
  • ポジティブな発信を促す「うれしいねLINE」の導入

上記の取り組みによって、社内のコミュニケーションも活発になり、仕事を休む社員の減少にもつながっています。

ウェルビーイングを実現するオフィスの事例【3選】

ウェルビーイング_実現_オフィス_事例

ここからは、ウェルビーイング実現に向けたオフィス環境の事例について、3社の取り組みをご紹介します。

オフィス事例企業名
コミュニケーションを活発化させる開放的なオフィス楽天株式会社
従業員が考えたコンセプトを表現した会議室フリー株式会社
「固定席」と「自由に選択できる席」を組み合わせたオフィス株式会社PR TIMES

明るくて快適なオフィスはもちろん、仕事に集中できる環境や、周りの従業員との対話がしやすいオフィスも、よりウェルビーイングの実現につながります。

以下より、各企業のオフィス事例を解説していきます。

コミュニケーションを活発化させる開放的なオフィス

開放的なオフィス環境は、社員同士の情報共有やコミュニケーションを促進し、より創造性の高い業務が行えます。

楽天株式会社のオフィスでは、デスクの間に壁や仕切りを設けていないため、見通しがよく、オフィス全体の一体感と開放感を兼ね備えています。

社員からは「オフィス環境が洗練されていて、働く意欲につながっている」との声もあり、働いていて心地良いと好評です。

また、自由に高さを変えられる昇降デスクを導入しており、社員の健康面も考えたオフィス設計です。

開放的なオフィス環境は、コミュニケーションを取りながら業務を効率的に進められるため、社員のストレス軽減にもつながります。

従業員が考えたコンセプトを表現した会議室

フリー株式会社のオフィスでは、有志のメンバーが考えた「コンセプト会議室」を設けています。

和室風の部屋や、駄菓子屋をモチーフにした会議室など、従業員独自のコンセプトにもとづいた会議室が作られています。

また、各階すべての会議室には、同社ビジネスに関連した名称を付けており、親しみを感じやすいのも特徴です。

会議室のオープン時には、運営部門だけが呼びかけするのではなく、企画した社員も加わり、チームとして運用に関わる相乗効果も生まれています。

この事例のように、従業員の考えを反映した施策を行うことで、個々が自己表現する場としての役割もあり、組織への愛着を生み出す手助けになります。

「固定席」と「自由に選択できる席」を組み合わせたオフィス

株式会社PR TIMESでは、社員同士の対話や交流を生み出しやすくするため、オフィスに「固定席」と「自由に選択できる席」を設けています。

自由に選択できる席(ABW:Activity Based Working)は、働きやすさだけではなく、従業員の「選択する」という自律性も大切にしています。

一方で固定席のエリアは、社員同士の視線が交差して会話が生まれるように、席を縦横に組み合わせた配置が特徴です。

また、全体を通して通常の壁を減らし、ガラス壁を取り入れたことで、明るく開放的なオフィスになっています。

新しいオフィス環境の構築によって、社員同士のコミュニケーションの量が大きく増加し、別部署の社員と意見交換をする機会も増えています。

ウェルビーイング経営を実践する企業ランキング

ウェルビーイング_経営_実践_企業_ランキング

株式会社 日経BPが実施している「ESGブランド調査」によって、ウェルビーイング経営の企業ランキングが公表されています。

ESGブランド調査とは?

環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)・インテグリティ(誠実さ)の4分野から、合計68の項目を設定し、各社(各ブランド)のイメージを調査している。

調査では「社員のウェルビーイング(幸せ)を意識した経営をしている」の設問を行い、回答した人の割合をもとに順位づけしています。

2022年に実施した調査の結果は、以下のとおりです。

順位企業名割合(%)
1Google(グーグル)7.0
2ユニバーサル・スタジオ・ジャパン5.4
3P&G5.3
4イケア4.7
5ヤクルト本社4.7
6スターバックス コーヒー ジャパン4.4
7資生堂4.3
8日本マクドナルド4.3
9イトーヨーカ堂4.1
10三菱地所レジデンス4.0
10明治安田生命4.0

参考:「ウェルビーイング経営」、初代トップはグーグル|株式会社 日経BP

Googleは、業務時間の20%を「通常業務と異なる業務」にあてられる制度を導入しており、多様な働き方に対応する取り組みを行っています。

ウェルビーイング経営の重要な3つのポイント

ウェルビーイング_経営_重要_ポイント

ウェルビーイング経営の推進にあたり、以下の3つのポイントを抑えておきましょう。

重要な点は、従業員の健康と幸福に焦点を当て、従業員のニーズを聞きながら働きやすい環境を整えることです。

以下より、各ポイントを詳しく解説していきます。

心身の健康をサポートする職場環境の整備

従業員の心身の健康を保つことは、ウェルビーイング経営の基礎となる部分です。

そのため、従業員が健康への意識を持てるようにサポートする取り組みが、働きやすさと健康促進に直結します。

上記のような取り組みによって、従業員は健康への関心を高めてポジティブな感情を持ち、仕事に対する姿勢も意欲的になります。

また、従業員のライフスタイルに合わせて、労働時間を柔軟に変更できる制度や休暇が取りやすい環境も、健康維持につながる重要な施策です。

コミュニケーションを活発化させる環境づくり

従業員間でコミュニケーションが取りやすい環境は、業務の情報共有と連携を促進させて、生産性向上とストレス軽減につながります。

コミュニケーションの活発化によって他者とつながることが、ウェルビーイングの「社会面」の要素が満たされ、組織運営をするうえでも重要な点です。

上記のような取り組みによって、日常的なコミュニケーションを促進し、新しいアイデアの発見や業務上の不安解消にもつながります。

従業員のニーズを反映した施策の実施

ウェルビーイング経営の施策は、経営者の判断・決定によるものだけでは「身体的・精神的・社会的」のすべてを満たせません。

そのため、従業員が求めている点や不満に感じている点など、実際の現場の声を聞いて環境改善に努めることが、ウェルビーイング経営の重要なポイントです。

従業員のニーズを反映させるためには、まず組織全体のエンゲージメントや満足度をサーベイで調査し、改善が必要な部分の特定が必要です。

経済ニュースの「NewsPicks」を運営している株式会社ユーザベースでは、従業員一人ひとりが自走している組織づくりに注力しています。

そのなかで、採用と人材開発の強化を目指し、従業員からのフィードバックをもとに「ユーザベースらしさ」を体現するカルチャーチームを立ち上げています。

参考:ユーザベースのカルチャーチームが目指す未来|株式会社ユーザベース

以下の記事では、サーベイの種類や導入によるメリットを解説していますので、自社でも導入を検討したいという方はぜひ参考にしてみてください。

サーベイ_種類_メリット_デメリット
サーベイの意味とは?10種類の解説と導入メリット・注意点を徹底調査!サーベイとは、社員の満足度や組織への信頼度を把握するための調査です。調査結果を分析し改善することで社員の満足度が向上します。本記事では10のサーベイ種類と導入するメリットを詳しく解説しています。...

ウェルビーイング経営によるメリット・効果とは?

ウェルビーイング_経営_メリット_効果

ウェルビーイング経営を推進することで、以下のようなメリット・効果が得られます。

  • 会社に魅力を感じる従業員が増え、離職率が低下する
  • 職場環境の整備により従業員満足度エンゲージメントが向上する
  • 上記の効果が社会的に評価され、企業イメージの向上につながる

ウェルビーイングの基盤となる「心身の健康維持」においては、従業員のメンタル不調や病気のリスクを軽減させ、医療費削減の効果も期待できます。

また、厚⽣労働省の報告によると、企業の働き方が改善されることで従業員の睡眠の質が向上し、企業の業績にもプラスの影響があることもわかりました。

参考:アフターコロナに向けたウェルビーイングと⽣産性の両⽴|厚⽣労働省

このように、ウェルビーイング経営には多くのメリットがあり、国主導で研究が行われるなど日本全体の意識も高まっています。

ウェルビーイング経営については、以下の記事で詳しく解説していますので、取り組み方法や企業事例を確認したい方はぜひご覧ください。

ウェルビーイング経営_効果_事例解説
ウェルビーイング経営とは?5つの効果と取り組み方法・事例を解説ウェルビーイング経営とは、社員の幸福な状態(ウェルビーイング)を目指す施策を行う経営手法のことです。離職率低下や生産性向上などさまざまなメリットがあります。具体的な取り組み方法や企業事例を解説します。...

まとめ:ウェルビーイング経営の事例をもとに施策の検討と実践を

ウェルビーイング_経営_事例_施策_検討_実践

今回の記事では、ウェルビーイング経営を進めている企業の取り組みを中心に解説しました。

各企業の取り組みは、従業員の健康維持・増進につながるシステムの導入や、ライフスタイルに合わせた働き方ができる制度など、多種多様です。

ウェルビーイング経営の基本となるのは、身体面・精神面・社会面の3要素を満たすように、あらゆる視点で検討と実践を繰り返すことです。

そのためには、組織の現状把握と従業員の意見収集を徹底し、組織に関わるすべての人が満足するような施策が求められます。

本記事で紹介した企業の事例を参考にして、サーベイやアンケートを活用しながら、自社に必要な取り組みを検討してみてください。

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