こんにちは。この記事では、2024年卒 旧帝大早慶 新卒就職人気企業ランキング（自社調べ）から読み解く、24卒旧帝大早慶層学生の就職動向をお伝えします。
コロナ禍が緩和した学年である24卒の動向は、同じように25卒の動向を占う上でも参考になるかと思います。
旧帝大や早慶出身の学生の就職動向を知ることにより、企業・学生両者にとって今後の就職活動の動向を知る一助になれば幸いです。
- 総合商社、コンサル・シンクタンクの人気は好調。メガバンクを筆頭に金融やDXトレンドの中心になっているIT、通信は堅調。運輸（陸運/海運/空運）は、業界順位は横ばいも、コロナ規制緩和により空運が日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)を中心に復調。
- 不動産や広告はピーク時より人気下降傾向。
- 企業の選択軸として専門性や将来的な高所得を目指せるかを重視する傾向。転職前提で将来に繋がる要素を重視する傾向がみられる。
人気企業・業界ランキング
三菱商事は3年連続で1位を獲得しました。属性や地域を問わず、どの大学からも人気が高く、志望者の裾野が広がっています。伊藤忠商事は、非資源分野を筆頭にした好調な業績、働き方改革など総合商社のイメージを覆すブランドが奏功し2位にランクアップ。インターンシップを介した通年化採用など、積極的な採用を行う三井物産は3位となりました。
三井住友銀行と三菱UFJ銀行は両行Top10以内と引き続き高い順位を維持しました。みずほフィナンシャルグループも27位から14位にランクアップ。農林中央金庫（31→19位）や日本政策投資銀行（16位→20位）など系統金融、政府系金融も人気を堅持しています。
IT/通信企業が今年も堅調です。楽天(12位→13位)、NTTデータ(13位→11位)、NTTドコモ(34位→29位)、Google(49位→33位)を筆頭に、年々IT企業を志望する学生層が広がっている傾向にあります。
既に選考が進んでいるコンサルティングファームの人気も根強いです。野村総合研究所(5位→6位)、アクセンチュア(19位→10位)、PwCコンサルティング(29位→14位)を始め、ボストン コンサルティング グループ（73位→22位）、デロイト トーマツ コンサルティング（49位→24位）、マッキンゼー・アンド・カンパニー（74位→32位）、アビームコンサルティング（49位→34位）、EYストラテジー・アンド・コンサルティング（107位→51位）、ベイン・アンド・カンパニー（132位→61位）、KPMGコンサルティング（159位→64位）等、大躍進した企業が多く並びました。
他方、不動産や広告業界は順位を落としており、人気は下降傾向です。三菱地所（17→26）、三井不動産（14→29）、博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ（10→28）、電通（16→40）等、全体的に人気が落ち込んだ結果になりました。
人気企業ランキング上位100社
参考）過去5年間 同時期順位経年変化
人気企業ランキング（24卒Top25社まで）
業界人気ランキング（20業界まで/全50業界 ※1）
キャリアゴールと企業の魅力要因
学生が目指すキャリアゴール（キャリアにおいて何を目指すか）（※2）は、「スペシャリスト」が2011年本調査後初めて1位にランクインしました。
企業を選択する際に重視する項目（※3）でも、2011年本調査後初めて「将来的な高所得の見通し(報酬と昇進の機会)」が1位にランクインしました。
今年の就活生はスペシャリスト志向と所得に対する欲求が高く、逆にグローバル志向が下がっています。スペシャリストと所得は、会社を変えたとしても高所得とキャリアの安定性を求めたいという考えが表れています。逆にグローバル志向の低下は、コロナ禍で海外に興味をもつことができなかったといえます。
キャリアゴール
企業の魅力要因
大学別ランキング
大学別ランキングで見ても最上位校生全体で大きな傾向は変わらない結果となりました。なお、その中でも、コンサルティングファームは東大生のランキングでTOP30に8社も（全体はTop30に5社）ランクインする等、人気傾向の偏りがみられました。
東京大学
京都大学
早稲田大学
慶應義塾大学
文理別で見る就職動向
文理別ランキングで見ても最上位校生全体と大きな傾向は変わらず、総合商社とコンサルティングファーム・シンクタンクが人気です。他方、文系は金融、広告、不動産が理系比較で人気傾向です。理系は、文系比較でIT、食品・化学・電子電気・重機メーカー、インフラなど研究職・技術職を募集する企業が人気傾向です。
文系
理系
※Forbes JAPAN2023年7月号誌面96-97ページにタイアップ記事を掲載
まとめ
ここまで、2024年卒 旧帝大早慶 学生の新卒就職動向を、文理比較や企業選びの観点からお伝えしてきました。
毎年人気な業界が人気を持続する傾向に加え、DX/情報社会化、コロナ後の業界の復調などマクロトレンドも人気に影響が見られます。旧帝大早慶層へのブランディングを検討する上で、社会的なマクロトレンドと自社の強みをブランディングしていくのも一法と言えそうです。
また、転職を視野に入れて専門性や将来的な所得を重視する傾向も見られました。具体的事業内容や仕事内容だけでなく、自社に入社したら数年後どのような能力・スキルが身に付き、市場の中でどのような存在になれるか、といったイメージを持たせていくことも重要と言えそうです。
■「2024年卒 就職人気企業ランキング(2ｰ3月)」調査概要
調査対象：2024年卒予定の、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学、東京工業大学、一橋大学、京都大学、大阪大学、神戸大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、九州大学の計12大学の大学生もしくは大学院生
調査期間：2023年2月20日～2023年3月15日
調査方法：弊社主催の合同説明会、または弊社会員へのWEBアンケートにより回収
選社企業は、弊社にてリストアップした約400社、または自由記述により学生1人につき第一志望企業群（5社まで）を選定。
人気ランキングは、第一志望企業群に選ばれた企業の得票数が多いものをランキング化。
・業界人気ランキングは、第一志望企業群に選ばれた企業が分類される業界（※1）の得票数が多い業界をランキング化。
４．有効回答 : 2,102名（文系54.8％、理系42.5％、その他2.7％ / 男性71.9％、女性28.1％）
※1 当社分類基準により設定
※2 9つのキャリアゴールの中から最も重要だと思うものを最大で3つ選択。投票数が多いものをランキング化
※3 企業の魅力要素40個の中から重要視している特徴を学生が複数選択。投票数が多いものをランキング化。
※4 あくまでも当社調べとなります。
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