用語集

アウトソーシングとは?言葉の意味からメリット・デメリットを解説!

アウトソーシングという言葉をご存知でしょうか。

現在、社内だけで業務を進めることはときに非効率なケースがあります。そういった状況下では、アウトソーシングを利用することで、業務の効率化を図ることが可能です。

当記事ではアウトソーシングの言葉の意味から種類、メリット・デメリットなどについてまとめました。

アウトソーシングとは?

アウトソーシングとは、企業が業務の一部を外部に委託することを意味します。業務の効率化を目的として導入することが多く、外注化・外部委託なども言われます。

また、子会社やグループ会社への委託する場合もアウトソーシングに含まれます。対義語はインソーシングです。

ちなみに、外部との連携を「アウトソース」といい、その対象となる外部の組織や個人を「アウトソーサー」と言います。

例えば、税理士やコンサルアウトソーサーですし、自社HPの制作や運営を外注するのもアウトソースです。

参考:アウトソーシングとは – コトバンク 

アウトソーシングの歴史

アウトソーシングという名称が広まったきっかけは、1989年にコダック社が情報処理部門をIBM社にアウトソーシングした事例です。それまでは、「ITを部門のアウトソーシング=技術力のない会社がするもの」という一般的イメージがありました。

しかしコダック社のような高い技術力を持つ大手が行ったことで、「アウトソーシング=コア事業への集中・強化するための有効手段」と認められるようになりました(コダック・エフェクト)。

アウトソーシングの種類

アウトソーシング種類は大きく分けて下記3つがあります。

  • BPO
  • ITO
  • KPO

それぞれ解説していきましょう。

BPO

BPOとは、Business Process Outsourcingの頭文字をとった言葉です。

主に人事業務・総務や経理などバックオフィス業務の外部委託が該当します

経営に直接関わる企画・計画の立案まで委託するため、生産性や利益の向上も期待できるのが特徴です。

ITO

ITOは、Information Technology Outsourcingの頭文字をとった物です。

自社インターネット技術やコンピューターなど、情報系の技術に関する業務の委託が該当します。システムの運用・管理の中でも個別性が低い定型業務が適しています。

専門の高い情報セキュリティに対応できる利点があるため、ITリテラシーが高くない企業におすすめです。

KPO

KPOは、Knowledge Process Outsourcingの略称です。

医療品や航空機設計など、高度な調査や分析が必要な知的生産業務の外部委託が該当します。KPOは、マニュアル化が難しい高度な知識を必要とする業務を外部委託するので、コストがかかりがちです。

しかし、昨今は海外(中国やインドなど)にアウトソーシングし、優秀な人材を低コストで確保することが多いです。

アウトソーシングの需要が高まっている理由

アウトソーシングの需要が高まっている理由について解説します。

若年層の人材不足

少子高齢化によって、日本国内では労働者は減少傾向にあります。

特に高齢化が深刻なのは労働集約型の業種です。後任の育成が難しく、アウトソーシングに頼ることが多くなりました。

例えば、油圧機器メーカー大手であるカヤバ工業は、2003年にシステム企画以外の、システム開発・保守・運用業務を日本IBM社に全面アウトソーシングしました。

その理由は、「平均年齢が40歳を超えており、技術の進歩や時代についていけなくなるという危機感がある」でした。

参考:「アウトソーシングの真の狙いは“高齢化”対策」 | 日経クロステック(xTECH)

多角化経営の拡大

昨今は、様々なサービスや商品など、事業の多角化が進んでいます。

しかし、限定的な人員では、事業規模の拡大は現実的ではありません。

その際、すでに知識・技術がある企業に外部委託するのです。そうすることで、社員が優先的に取り組むべき業務に注力でき、既存業務の質を維持しつつ効率化も図れます。

技術の進歩

ITやシステムの発達により、多くの作業が自動化できるようになりました。

人件費の削減が可能になり、少ないコストで今まで以上のアウトプットが得られるようになりました。

上記のような背景から、現在アウトソーシングの需要が高まっています。

アウトソーシングのメリット

アウトソーシングのメリットについて解説をしていきます。

下記3点について、アウトソーシングは優れています。

  • コア・コンピタンスを強くできる
  • 業務をスピーディーにでき、効率化が図れる
  • 企業の人員や人件費を削減できる

コア・コンピタンスの集中

最も大きいメリットはコア・コンピタンス(競合他社を圧倒できる企業の核(コア)となる能力)の集中・強化です。事業におけるタスクをできる限り身軽にすることで、迅速化やコスト削減、さらにリスク低減につながります。

そのため、専門外業務をアウトソーシングすることで、自社の専門分野に注力できるのです。コアコンピタンス化を図り、ケイパビリティ強化へとも繋がります。

特にベンチャー企業など、短期間で大幅な成長を目指す場合、経理や総務などの事務系業務にリソースを割くことは非効率といえるでしょう。

アウトソースで他社とタッグを組むことで、本来やるべきことにエネルギーを注げ、よりよいサービス事業を行えるのです。

業務をスピーディーにでき、効率化が図れる

また、業務の効率化にもアウトソーシングは有効です。自社で全ての業務を請け負った場合、限られた人員でできる業務には限界があります。

さらに、知識や技術がないジャンルの業務を社員に振った場合、教育のコストと手間がかかるでしょう。決して効率的とはいえません。

すでに技術や知識がある企業・人材にアウトソーシングすると、教育のコストや時間を削減できます。その結果、無駄な業務を省き、中心的な業務はより効率的に進むといった状況を作れるのです。

自社で行う必要性のない業務は積極的にアウトソーシングで消化していきましょう。

企業の人員や人件費を削減できる

人員や人件費の削減もアウトソーシングのメリットです。

社内で固定費として、業務を振るのではなく、外部に委託してしまった方がコストを抑えられるケースが多いでしょう。

特に事務系の業務など、専門的な能力を問わない業務についてはアウトソーシングをして、外注化した方が効率的です。

もちろん、ITOやKPOといった高度な技術を外部に求めるアウトソーシングの場合、コストがかかるケースもありますので、その点は依頼前によく確認することをおすすめします。

参考:アウトソーシングとは?メリット・デメリットを理解しよう | ビジドラ~起業家の経営をサポート~

アウトソーシングのデメリット

一方、アウトソーシングのデメリットは下記3点です。

  • 情報漏洩の危険性がある
  • 社内に技術と知識が蓄積されなくなる
  • 逆にコストが高くなる場合がある

情報漏洩の危険性がある

企業の内部情報を少なからず外部に提示することになるため、情報が漏洩する危険性があります。

そのため、どこまでの情報を開示するかきちんと線引きをしましょう。

また、トラブルに巻き込まれないよう、セキュリティや情報管理体制が整っている会社に依頼しましょう。

社内に技術と知識が蓄積されない

外部に委託すると、該当分野に関する知識・技術が社内に蓄積されにくくなります。外部委託で成果が出なくても、自社内で立て直しにくくなるでしょう。

リスクヘッジとして、該当業務の管理や進捗を社内で徹底し、ノウハウを維持することをおすすめします。

逆にコストが高くなる場合がある

アウトソーシングによって逆に人件費がかかる場合があります。

例えば高い技術を求めるときです。

コストがかかってもアウトソーシングを行うべきか、コストを抑えて自社で賄うかをきちんと検討しましょう。

ちなみに高度な技術は社内育成が難しいため、特に業務のIT化など専門知識が必要な場合は、外部委託がおすすめです。

突発的な業務には対応できない

クオリティーを担保しやすい定型業務を外部委託する場合、イレギュラーや突発的な出来事には柔軟且つスピーディーな対応は難しいです。なぜなら、企業が労働者へ直接支持出しができず、アウトソーシング会社を介してコミュニケーションをとるからです。

参考:アウトソーシングとは?メリット・デメリットを理解しよう | ビジドラ~起業家の経営をサポート~

アウトソーシングに適した業務

アウトソーシングに適した業務について説明していきましょう。

マニュアル作成で対応ができる簡単な業務

マニュアル化が可能な簡単な業務は自社で行う必要がありません。

例えばカスタマーサポートやコールセンターです。

事前にマニュアルを共有すれば、委託先も簡単に稼働が可能です。

利益を直接生みにくい業務

また、利益と直結しないが重要な業務(経理・総務など)もアウトソーシングに適しています。特に企業規模が小さく、人員が少ない場合は、アウトソーシングを積極的に利用しましょう。

経営戦略の必要性が低いコアと離れた業務

他にも経営戦略を必要としない雑務など、コア業務から離れた業務にリソースを割くのは時間の無駄ともいえます。

社員にはコア業務に集中してもらい、その他業務はアウトソーシングが理想の形でしょう。

アウトソーシングと人材派遣の違い

アウトソーシングと人材派遣の違いを説明します。

業務管理形態

アウトソーシングの場合は、業務を委託し、作業スペースや人材の確保を委託先が全て行い、管理してくれます。

一方、人材派遣の場合は、派遣された社員を自社の管理下において業務を依頼します。

人材派遣は社内にて業務管理するため、企業が直接指示出しができます。コミュニケーションが取りやすいので、業務状況の確認がスムーズです。

セキュリティ状態

アウトソーシングは外部へ情報を開示することになりますが、派遣は社内に人材を確保するため、予期せぬ情報流出が極力減らせます。

予算

アウトソーシングは事前に決めた予算内に収まることが多いですが、

派遣は残業代や休日出勤手当が発生する場合があります。

アウトソーシングと人材派遣の使い分けは、

  • 定形業務か?非定型業務か?
  • ノウハウの蓄積が必要か?
  • 社員の直接管理下におきたいか?
  • 固定予算内に収めたいか?

などを判断基準にしましょう。

参考:アウトソーシングと人材派遣の違いとは? メリットやデメリットを事例も交え解説|企業のご担当者様(アデコ)

まとめ:適切にアウトソーシングを活用して業務効率をアップさせよう

アウトソーシングとは、企業が業務の一部を外部に委託することです。

アウトソーシングは、業務の効率化などに効果的ですが、使い方を誤れば、コストが余計にかかったり、ノウハウを失ったり、情報漏洩したりする場合があります。

委託先を慎重に選び、どの範囲までを外部に委託するかを検討することが重要です。

適切にアウトソーシングを利用して、自社の業務効率を最大化させましょう。

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