用語集

マインドフルネスとは?意味や効果、瞑想の方法

マインドフルネスは、ストレス社会と言われる現代を生きるために役立つ方法として注目されています。GoogleやAppleなどの大手グローバル企業が教育研修に取り入れているのを聞いた方もいるでしょう。

マインドフルネスはメンタルヘルスの向上やストレスマネジメントに有効と言われます。本記事ではマインドフルネスの意味や効果、瞑想によって自分を改善する方法などを紹介します。

マインドフルネスとは

マインドフルネスとは「今、この瞬間」にだけ目を向け、今を大切にする意識の状態や過程を指します。今の現実をありのままの姿で受け入れることで、心を落ち着かせ、自分自身を正しく認識することを目指すものです。

人は過去の問題や未来の不安などを抱えて悩み、ストレスを肥大化させてしまいがちです。雑念に心を乱されることで失敗が多くなり、自信を失ってしまいます。マインドフルネスは過去や未来、感情などにとらわれずに今に心を向けることで雑念をなくし、前向きで落ち着いた気持ちを生み出す方法です。

マインドフルネスの意味と語源

マインドフルネスは英語の「mindfulness」をカタカナにしたもので、「気配り」や「心遣い」の意味があります。物事の価値や善悪にとらわれず受け入れる意識のあり方が「mindfulness」です。

「mindfulness」自体は仏教の経典で用いられているパーリ語の「sati」、サンスクリット語の「smṛti」に由来すると言われています。「sati」は「気づき」意味する言葉で、ありのままの姿を見つめる心のあり方を指します。

ビジネス界での活用

マインドフルネスは、大手企業が社員研修に取り入れたことで、ビジネスの世界で有名になりました。GoogleやApple、ゴールドマン・サックスなど、さまざまな業種の企業でマインドフルネスが導入され、社員から高い評価を得ています。

マインドフルネスを実践することで、社員のストレス耐性を向上させ、物事にポジティブに取り組ませることができます。ストレスやメンタルヘルス対策が求められる現代では重要な取り組みです。社員の集中力やパフォーマンスの向上にもつながり、ベンチャー企業でも導入が進められています。

医療での活用

マインドフルネスは医療でも活用されています。マサチューセッツ大学医学校名誉教授のジョン・カバット・ジン博士は、マインドフルネスをストレス軽減の治療に利用できることを見出しました。彼は西洋医学とマインドフルネスを融合させたマインドフルネス瞑想法を確立し、普及に努めています。

また、マインドフルネスは病気に伴う諸症状の緩和にも有効と考えられ、注目されています。

参考:マインドフルネスストレス低減法

マインドフルネスの基本要素

マインドフルネスの実践方法はジョン・カバット・ジン博士の瞑想法やGoogleでの独自プログラムなど、多岐にわたります。その中でも、以下の2つの基本要素は共通しています。

今の瞬間を意識する

マインドフルネスは今この瞬間を意識するのが基本です。過去や未来を考えたり、身の回りの人や物事に意識を向けたりすることなく、自分自身の体や呼吸などに集中します。

雑念をなくし、無駄に発散し浪費していた思考力や注意力を高めるのがマインドフルネスの特徴です。今の現実を正しく認識し、自分を理解して自信を生み出すことに繋がります。

評価や判断をせずに受け入れる

マインドフルネスでは今の状態を受け入れるのが基本です。物事について考えるときには良し悪しを評価したり、好き嫌いを判断したりしがちです。マインドフルネスでは主観的な意識を排除し、対象を客観的に見ることを重視します。

評価や判断をしてしまうと先入観や偏見が生まれ、ありのままの姿を理解できなくなります。感情に左右されない本質的な状態を認識するのがマインドフルネスの重要なポイントです。

マインドフルネスの効果

マインドフルネスには効果があることが学術・医学研究の中で示されています。下記のように、日常生活、ビジネスからメンタルケアまで幅広く効果を発揮しています。

  • 集中力や記憶力の向上
  • 自信と余裕の獲得
  • ストレスの軽減とストレス耐性の上昇
  • 心身のリラックス
  • うつ病の再発予防
  • 痛みや炎症などの軽減
  • 不眠症や不安障害の改善

企業では社員一人一人のパフォーマンスを向上させ、個々の能力や適性に応じて最善の働き方をしてもらうのが重要です。社員の心身の健康を保つことも求められています。

マインドフルネスにより健全な心身を整えることで、パフォーマンス向上やストレス緩和に寄与すると考えられています。

マインドフルネス瞑想のやり方

マインドフルネスの実践方法として最も有名なものが瞑想法です。主流な方法として下記の4点があります。

  • 静座瞑想法
  • ボディースキャン
  • 歩行瞑想法
  • 食事瞑想法

静座瞑想法

静座瞑想法は呼吸瞑想法とも言われる手法です。静座瞑想法では背筋を伸ばして椅子や床に座り、呼吸に意識を集中させます。深呼吸を5回繰り返してから、そのままのペースで呼吸を続けていきます。

静座瞑想法は10分程度から始めて取り組んでいくのが基本です。呼吸が乱れたり、雑念が生まれたりしたら呼吸を意識して冷静さを取り戻しましょう。

ボディースキャン

ボディースキャンは全身を順次意識して瞑想するものです。床やベッドに横になって目を閉じ、身体のあらゆる部分に順番に意識を向けていきます。左足のつま先から付け根、右足、下腹部から首を通って頭頂部までじっくりと見ていきます。

各部位に集中すると色々な感覚が生じます。痛みや凝りなどに気付くこともあれば、熱さやかゆみを感じることもあるでしょう。不快感を抱いたときには深呼吸を行い、快適な自分の状態を作り出します。ボディースキャンは当初20分ほどかかることが多いですが、習慣化して取り組むうちに毎日10分くらいで実施できるようになります。

歩行瞑想法

歩行瞑想法は歩くことを意識して集中力を高める手法です。まっすぐに歩きながら、自分の足の裏から伝わってくる感触や足の動き、上半身の感覚などを意識します。視線は前方に向けて固定し、ゆっくりと歩きながら自分の体の動きに集中します。

身体全体の動きに不快感があったり、呼吸が乱れたりしたときには、深呼吸をして感覚を和らげます。10分ほどの歩行を通して全身の調和を確認するのが重要なポイントです。

食事瞑想法

食事瞑想法は食べ物を意識することで五感の感性を育むものです。食べ物の種類だけでなく、彩りや形状、匂いや食感、噛んでいるときの音などを感じ取ります。

食事瞑想法は一日に三回機会がありますが、毎回実施しなくとも問題はありません。落ち着いて時間を取れるタイミングで取り組みましょう。

食べる前には食べ物をよく観察します。そして、食べ物を口に運ぶ動きや嚙む動作、飲み込む動作などを逐一意識していきます。細かな変化を感じ取ることで、気づきを得るのが大切です。

マインドフルネスの注意点

マインドフルネスは今を意識して集中し、気づきを通してさまざまな効果を得られるのが魅力です。しかし、注意すべきポイントもあります。逆効果になるリスクもあるので、以下の2つには留意しましょう。

集中することよりも雑念をなくす

マインドフルネスは今の瞬間を意識するのが大切です。呼吸や身体を意識しようと神経を集中させるのは重要ですが、その気持ちが強すぎると緊張してストレスになる可能性もあります。

リラックスすることが重要です。心を無にしてただ感じることで効果が発揮されます。集中しようとし過ぎると緊張してしまうので、雑念をなくす意識で取り組みましょう。

ポジティブな思考を心がける

ストレスやうつ病等の対策としてマインドフルネス瞑想法に取り組む人も多いでしょう。落ち着いてじっくりと自分の今を見つめた結果、さらにストレスが大きくなり、症状が悪化する場合もあります。これはネガティブな思考が生まれるためです。

自分を客観的な視点で見つめることが大切です。慈悲瞑想法が効果を発揮することから想像できるように、ポジティブな思考がマインドフルネスには欠かせません。

気分がうつ気味だとついネガティブに考えてしまいがちです。ありのままの姿をポジティブに受け入れるように意識しましょう。

まとめ

マインドフルネスは今のこの瞬間を意識して大切にする思考のトレーニングです。

マインドフルネスはパフォーマンスの向上に直結するだけでなく、メンタルヘルスやストレスのマネジメントにも効果を発揮することが示されています。大手からベンチャー企業でも研修として多く取り入れられ、成果や好評に繫がっているのが特徴です。

企業では社員に仕事に自信を持って取り組み、成果を上げる意欲を高めてもらうことが重要です。マインドフルネス瞑想を取り入れれば社員が自身を客観的に理解し、各々にとって最善の働き方をしてくれるようになるでしょう。

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