用語集

集団凝集性とは?意味やメリット・デメリットについて

集団凝集性とは、組織を構成するメンバーを、集団にそのまま留まらせようとする心理的な力のことを言います。
集団凝集性の高い組織は、仲間同士の信頼関係が築かれており、結束力も高く業績が良いケースが多いのが特徴です。
この記事では、集団凝集性の意味や種類、メリット・デメリット、集団凝集性を高める方法などについてご紹介します。

集団凝集性とは

まずは、集団凝集性の意味や種類について解説していきます。

集団凝集性の意味

集団凝集性とは、組織を構成する人をその集団に留まらせるために働く心理的な力のことです。
アメリカの心理学者レオン・フェスティンガー、スタンレー・シャクター、クルツ・バックの3名によって定義された概念であり、英語では「Group Cohesiveness」と表現します。

良くまとまっている企業や組織は、集団凝集性が高いことが多く、構成するメンバーの一人ひとりが高いモチベーションで仕事に臨んでいるのが特徴です。

集団凝集性が高いと、メンバーはお互いに対して魅力を感じ、集団に所属していることに価値と喜びを感じる傾向があります。
メンバー全員が共通の目標を持つことで、チームワークも良好に保つことができるでしょう。

たとえば、学校や企業では、入学後や入社後に、宿泊での研修を実施する場合があります。
出会ったばかりでも寝食を共にすることで、早期に人間関係を構築させ、集団凝集性を高める効果が期待できます。

集団凝集性の種類

集団凝集性は、「対人凝集性」と「課題達成凝集性」の2種類に分けられます。
組織の結束力を伸ばすためには、どちらか一つではなく、両方の集団凝集性をバランスよく高めていく必要があります。

それぞれの特徴を見てみましょう。

対人凝集性

対人凝集性とは、組織のメンバー同士がお互いに好意を持ち、良好な人間関係を築くことで発生する集団凝集性です。
自分が組織内で認められている満足感から、帰属意識が高まっている状態です。
「組織の同じメンバーで仕事を成し遂げたい」という意欲が強く湧き、組織からの離脱を望まなくなります。

課題達成凝集性

課題達成凝集性とは、その組織に所属することで、個人が権利・特典・自己実現が可能な状態で発生する集団凝集性です。
「その組織に所属していれば自分の目的を達成できる」と考え、組織への帰属意識や、仕事のモチベーションが高まる状態を指します。

集団凝集性が高い組織とは

集団凝集性が高い組織には、次のような特徴が見られます。

組織が少人数で構成されている

いつも決まっている少人数のメンバーで仕事に取り組んでいると、信頼関係が構築され、集団凝集性が高まります。
逆に、メンバーの入れ替わりが多い組織や、組織を構成する人数が多い場合には、メンバー同士のコミュニケーションが希薄になり、集団凝集性は高まりにくいと考えられます。

長い時間を一緒に過ごしている

仕事以外でも、飲み会などメンバー同士の交流が多い組織は、集団凝集性が高い傾向があります。
長い時間を一緒に過ごし、コミュニケーションを通じてお互いの人柄を知ることで、団結力が強くなり、助け合って効率の良い仕事ができるためです。

同じメンバーでの成功体験がある

社内で成果を残している組織は、その成功に携わったメンバーとしてお互いを認め合っています。
その結果、集団凝集性が高まり、さらなるチームワークの向上や効率の良い仕事が期待できるでしょう。

組織にとってのライバルがいる

組織にとってのライバルである、他社や他部署の存在があると、「一致団結して競争に勝ちたい」という気持ちが生まれ、集団凝集性は高まります。

集団凝集性が高い場合のメリット

組織の集団凝集性が高いことで、以下のようなメリットが享受できます。

安定した組織ができる

集団凝集性が高い組織は、メンバーの結束力や団結力が高まっている状態であるため、大規模な仕事を抱えている場合でも目標を達成しやすいのが大きなメリットです。

また、それぞれの得意・不得意分野を補い合うチームワークの良さがあるため、連携しやすく安定した組織となります。
その結果、短時間で業務をこなすことが可能となり、目的達成や問題解決により近づけるでしょう。
集団凝集性を獲得後、期間が長くなればなるほど組織は安定します。

帰属意識が高まる

仕事に対してのモチベーションが高まることから、組織に対しての帰属意識も高まります。
帰属意識が高まれば、組織に信頼感や安心感を抱き、生産性の向上につながるでしょう。

離職率が低下する

高い集団凝集性を持つ組織では、メンバー同士が信頼し合い、好意を持って接しています。
人間関係の面で嫌な思いをせず仕事ができる、居心地のよい環境であることから、離職率はおのずと低下します。

人員の入れ替わりがないため、組織は安定し、より高い成果を目指せるでしょう。
採用や研修にかかるコストも削減可能です。

集団凝集性が高い場合のデメリット

組織の成長に大きくつながる一方で、高い集団凝集性によって以下のような問題が起こるおそれもあるため注意が必要です。

同調圧力が生じる

同調圧力とは、集団で少数派の意見を持つメンバーに対し、多数派の意見に従うよう暗黙のうちに強制することです。
同調圧力が働いていると、少数派の意見を持つメンバーは、組織内で嫌われ仲間外れになることや、輪を乱すことを恐れます。
たとえ多数派の意見が間違っていると考えていても、人間関係を保つために多数派の意見に従わざるを得ません。

その結果、会議の形骸化や視野の狭い考えに陥ってしまうことがあります。
メンバーの結束力が高いからこそ発生する関係性を意識し、意見の主張がしにくくなることを一人ひとりが認識しておくとよいでしょう。

集団浅慮(グループシンク)に陥る

集団浅慮(グループシンク)とは、集団で決定された意見の方が、個人の意見よりも優れているという考えに陥ることを言います。
組織に支配的なリーダーが存在する場合や、外部との隔絶がある場合に起こりやすい状態です。

集団浅慮は同調圧力が原因となっていることが多く、集団凝集性が高い組織では注意しなければなりません。
また集団浅慮に陥ると、独創的な発想を失い、技術革新が起こりにくくなるデメリットもあります。
メンバーが自信過剰になっていないかどうかを常に意識しておきましょう。

なれ合いの状態になる

組織のメンバーの親密度の高さは、方向性を間違えば単なる「なれ合い」となってしまいます。

なれ合いは、仕事のスピードを遅くする・重大なミスを見逃すなど、企業の足を引っ張る原因にもなりかねません。

組織自体が、ただ仲が良いだけのなれ合いの状態に陥らないよう、集団規範(集団内での決め事)を見直し、規範意識の向上を図りましょう。

内集団びいきが発生する

客観的には他集団と比較して優劣のない組織であっても、自分の組織がほかの集団よりも優秀である状態を維持しようとする「内集団びいき」が発生することがあります。

内集団びいきが起こると、組織の結束は高まるかもしれません。しかし、外集団への偏見や差別が増し、いかに自分たちが優位に立てるかを重視するようになっていきます。その結果、社会や企業から浮いた存在となり、本来得られるはずの成果や利益が得られなくなる危険性があるのです。

また、内集団びいきが行き過ぎると、逆に組織内の結束に支障をきたすこともあります。外集団に対する優越性を維持するために、劣っているメンバーや組織になじめないメンバーを排除しようとする“黒い羊効果”と呼ばれる現象が起こります。

集団凝集性を高めるポイント

組織の利益につながる集団凝集性を高めるためには、メンバーの結束力の向上が不可欠です。
そこで、メンバー同士の結束力を高める方法をご紹介します。

組織のメンバーで長い時間を共有する

メンバーが仕事以外の時間も含めて、長い時間を共に過ごすことが重要です。
とくに、職場以外でコミュニケーションを取る機会が多いと、仕事だけの付き合いではわからなかったお互いの理解が深まり、集団凝集性が高まります。

小さなグループを作る

組織のメンバーを少なくし、個人間の接点やコミュニケーション量を増やすことも良い手段です。
集団凝集性は組織が小さい方が高まる傾向があります。
最初は、4~5人程度のメンバーで小さな組織を作り、集団凝集性を高めると良いでしょう。

成功体験を重ねる

目標達成のために適度な努力が必要となるストレッチゴールを設定しましょう。
組織が一体となって目的達成を繰り返す過程で、結束力や団結力がより強くなり、集団凝集性が向上します。

組織への参加に条件を設ける

誰もが簡単に参加できる敷居の低い組織よりも、経験や資格・スキルが必要となる組織の方が、集団凝集性は高まります。
自分が組織に所属できたことを誇りに思い、メンバーと信頼関係を築きながら成果を残そうという気持ちが働くためです。

集団凝集性と関連性の高い用語

集団凝集性と似た意味を持つ用語に、「心理的安全性」や「組織コミットメント」があります。集団凝集性との関係や違いを解説します。

心理的安全性

心理的安全性とは、「組織内のほかのメンバーが、自分の発言に対して拒絶や罰することをしないと確信できる環境」のことです。
つまり、嫌われたり仲間外れにされたりする心配がなく、安心して自分の意見を言える状態を指します。

集団凝集性が高い組織では、メンバーが好意的な協力関係にあるため、心理的安全性も比較的高いと言われています。

組織コミットメント

集団凝集性が、人材を留まらせる心理的な力であることに対し、組織コミットメントは集団に対する忠誠心や愛社精神によって縮まる「組織と個人との心理的距離感」を意味します。

組織コミットメントが高い人材ほど、組織目標に対する理解が深く、高いモチベーションを持って仕事に臨む傾向があります。
また、長く組織に定着しようとする意識も高いため、離職率の低下にもつながるでしょう。

まとめ

集団凝集性とは、メンバーが組織にとどまりたいと思う心理的な力のことを言います。
集団凝集性が高まれば、生産性の向上や業務スピードの向上・離職率の低下などさまざまなメリットを得られます。

しかし、集団凝集性が高すぎても、なれ合いから集団浅慮に陥りやすくなるため、注意しなければなりません。
異なった意見や批判を受け入れる姿勢を重視し、適度な集団凝集性を保ちながら、規範意識の向上を意識するように心がけましょう。

参考:
ウィキペディア│集団凝集性

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