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ロールモデルとは?ふさわしい人物や設定する効果、活用方法を解説

ロールモデルとは、自分の行動や考え方の模範となる人を指します。ロールモデルを設定すると、企業の人材育成においてさまざまな効果が得られます。

本記事では、ロールモデルにふさわしい人物や、設定することで得られる効果について解説します。ロールモデルを活用する方法についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

ロールモデルとは?

ロールモデルとは、自分の行動や考え方の模範となる人物のことです。人は誰でも「〇〇のようになりたい」というロールモデルを選び、その影響を受けることで成長するとされています。

ビジネスにおいては、自分が理想とするキャリアを形成している人や結果を出している人、仕事における行動や考え方をお手本にしたい人などがロールモデルとなります。

参考:ロールモデルとは – コトバンク

身近な人物をロールモデルに設定するとよい

ロールモデルには、上司や先輩社員など身近な人物を設定するとよいとされています。

仕事をする上でお手本となるような人物が身近にいれば、その人の行動や考え方を日常的に学ぶことができ、自分が成長するためのヒントを見つけられるからです。また、どのように仕事を進めればよいのか、どうすれば結果が出せるのかなど、ロールモデルとなる人から具体的なアドバイスを貰うことも可能です。

もちろん、有名人や歴史上の人物をロールモデルに設定することもできますが、自分が接したことのない偉大な人物の行動や考え方を模倣するのは、あまり現実的ではありません。

そのため、もしロールモデルにふさわしい人物が社内にいない場合は、取引先や同業他社の社員をロールモデルに設定するのがよいでしょう。

ロールモデルは複数いても問題ない

なお、複数の人物をロールモデルに設定しても問題ありません。

例えば、営業のロールモデルはAさん、プレゼンのロールモデルはBさん、資料作成のロールモデルはCさんといったように、業務ごとにロールモデルを設定することで自分が必要とするスキルを獲得しやすくなります。

また、自分の成長にあわせてロールモデルを変更することも可能です。段階的にロールモデルを変更していけば、理想のキャリアを実現するために常に成長を続けられます。

ロールモデルにふさわしい人物の要件

ロールモデルにふさわしい人物の要件は、立場や経験によって異なります。

ここでは、以下3つの立場のロールモデルにふさわしい人物の要件を解説します。

  • 新入社員のロールモデル
  • 中堅社員のロールモデル
  • 管理職のロールモデル

新入社員のロールモデル

まだ経験の少ない新入社員は、スキルを重視してロールモデルを設定すると模倣が難しく、かえってモチベーションの低下につながる恐れがあります。そのため、仕事に対する姿勢を重視してロールモデルを設定するとよいでしょう。

具体的には、上司や先輩社員からの指示をきちんと理解できる人、難しい仕事にも積極的にチャレンジする人、日頃から自己啓発を行っている人など、向上心を持って仕事に取り組んでいる人が該当します。

中堅社員のロールモデル

中堅社員になると、自分の仕事をこなすだけでなく、後輩の指導・育成や、チームのマネジメント、管理職の補佐なども行う必要があります。そのため、バランスよく仕事ができる人をロールモデルに設定するとよいでしょう。

具体的には、後輩に仕事をわかりやすく指示できる人、周囲と円滑なコミュニケーションをとりチームワークを強化できる人、管理職の不在時にリーダーシップを発揮できる人などが該当します。

管理職のロールモデル

管理職は、自部署の目標を設定し、目標達成に向けて部下を管理・育成する必要があります。そのため、企業全体をよりよい方向へ導くことができる人をロールモデルに設定するとよいでしょう。

具体的には、経営者目線で事業計画を立案できる人、部下の適性やスキルに応じた人員配置を行い、やる気を引き出すことができる人、状況に応じて新たな試みの導入やプロセス改善ができる人などが該当します。

ロールモデルを設定する効果

ロールモデルを設定することで得られる効果は、以下の通りです。

  • キャリアプランが立てやすくなる
  • 成長スピードが加速する
  • 離職率が減少する
  • 組織の活性化につながる
  • 女性の活躍を推進できる

キャリアプランが立てやすくなる

まず、ロールモデルを設定することで自分の将来像を明確にイメージすることができるため、キャリアプランが立てやすくなります。

職場の上司や先輩社員など、身近な人物をロールモデルに設定すれば、キャリアプランの実現に向けてどのような取り組みが必要なのか、具体的に教えてもらうこともできます。

成長スピードが加速する

また、キャリアプランの実現に向けた取り組みを明確化することで、成長スピードが加速します。

ロールモデルを設定しなくとも目標を立てること自体は可能ですが、比較対象がいないため、目標達成率を把握しづらくなります。また、自分の現状や問題点を客観視できず、目標を見失う恐れもあります。そのため、ロールモデルをお手本に具体的な行動目標を設定し、定期的に振り返りを行うことで成長を加速させることができます。

離職率が減少する

近年では、「今後のキャリアが描けない」「自分自身が成長できない」といった理由で離職を考える人が増加しています。

前述の通り、ロールモデルを設定することでキャリアプランが立てやすくなり、成長スピードが加速するため、離職を防止するという観点でも効果的といえます。

組織の活性化につながる

さらに、ロールモデルを設定すると、その人の行動や考え方をお手本にしようと積極的にコミュニケーションをとるようになります。また、自分がロールモデルとなった場合も、後輩を指導したり育成したりする機会が増え、モチベーションアップにつながります。このように、社員同士が良好な関係を築くことで、組織全体の活性化が期待されます。

女性の活躍を推進できる

なお、女性は出産・育児などのライフイベントと仕事を両立する必要があるため、仕事に対する不安や悩みを抱える方も少なくありません。しかし、職場にロールモデルとなる女性社員がいれば、チャレンジ意欲が高まり、継続して働き続けることができます。

そのため、女性管理職がいない、営業など女性が極端に少ない職種がある、といった企業は、ロールモデルとなる女性社員の育成に力を入れるとよいでしょう。

参考:メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル – 厚生労働省

ロールモデルを活用するためのステップ

ロールモデルを活用するためには、以下3つのステップが必要です。

  • ロールモデルを設定する
  • ロールモデルを観察・分析する
  • ロールモデルを模倣する

ロールモデルを設定する

まずは、立場や経験に応じたロールモデルを設定します。

社員が自主的にロールモデルを設定することが難しい場合は、企業側がロールモデルを探す機会を設けることで、キャリア形成を支援しましょう。例えば、社員同士が交流できるイベントを開催したり、フリースペースを設置したりすることが効果的です。

ロールモデルを観察・分析する

ロールモデルを設定したら、その人が「どのように仕事を進めているか」「どのような価値観で働いているか」などを観察・分析します。

遠くから眺めているだけでは得られる情報が限られるため、積極的にコミュニケーションをとり、分からないことがあれば質問をして、しっかりとロールモデルを理解するようにしましょう。

ロールモデルを模倣する

ロールモデルを観察・分析できたら、その人の行動や考え方を真似ていきます。

はじめから完璧に真似ることは難しいですが、目標を細かく設定し、定期的に振り返りを行うことで、少しずつロールモデルに近づくことができます。ロールモデルとなる人にフィードバックを貰うことも効果的です。

まとめ

ロールモデルとは、自分の行動や考え方の模範となる人を指します。ロールモデルにふさわしい人物の要件は、立場や経験によって異なりますが、上司や先輩社員など、身近な人物をロールモデルに設定するとよいでしょう。

ロールモデルを設定したら、その人が「どのように仕事を進めているか」「どのような価値観で働いているか」などを観察・分析し、実際に模倣します。

ロールモデルを設定すると、キャリアプランが立てやすくなるだけでなく、成長スピードが加速する、組織の活性化につながる、女性の活躍を推進できる、離職率が減少するといった効果を得られます。

ただし、ロールモデルを完全に模倣しようとすると、自分の個性まで失われる可能性があります。模倣すべき点を明確にし、今ある自分のよさも大切にしましょう。

参考:
ロールモデルって何?期待される6つの効果と求められる要件を紹介! | ITエンジニアの派遣なら夢テクノロジー
ロールモデルの意味は?設定するメリットや注意点などを紹介 – Jobrouting
ロールモデルの意味とは?ロールモデルの要件や設定する理由を解説 | ピポラボ | ピポラボ
ロールモデルがいない」人材育成における3つのデメリットとは – 人事担当者のためのミツカリ公式ブログ

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