用語集

マイクロラーニングとは?eラーニングとの違いや企業における活用法を解説

マイクロラーニングは、代表的なオンライン学習法であるeラーニングに代わるものとして、近年注目されている学習方法です。しかし、耳にしたことのある人でも「そもそもマイクロラーニングって何?」「eラーニングと何が違うの?」と思っている方も少なくありません。

そこで本記事では、マイクロラーニングとは何かについて、メリット・デメリットや具体的な活用方法などを交えて解説していきます。

マイクロラーニングとは

マイクロラーニングとは、1分~5分程度の短時間学習を示す言葉です。
パソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンなど、手持ちの機械を使って「いつでも」「どこでも」学習できる点が特徴といえます。

eラーニングとの違い

eラーニングとマイクロラーニングでは、大きく次の3点が異なります。

  • コンテンツ時間の長さ
  • コンテンツ制作のハードル
  • 配信方法

eラーニングは、1本40分から1時間程度の動画が一般的です。学校の授業のように、1つのテーマに集中した講義を行います。
学習計画やカリキュラムが綿密に作成されているだけでなく、コンテンツ作成にも時間と手間をかけているのがeラーニングの特長です。

一方、eラーニングでは手軽に学習できるように、1本あたり1分~5分程度の短い動画コンテンツとなっています。コンテンツ作成のハードルが低いため、会社が自社用に独自コンテンツを作成することも可能です。

また、eラーニングではLMS(学習管理システム)というプラットフォームを利用して配信するのが一般的ですが、マイクロラーニングはSNS経由での配信も可能です。
コンテンツ1本あたりの容量が少ないことから、多様な配信方法を選択できる点がマイクロラーニングの特長のひとつといえるでしょう。

モバイル端末とマイクロラーニングは好相性

マイクロラーニングの普及背景として、「ミレニアル世代」と呼ばれる人たちの台頭が挙げられます。ミレニアル世代とは、2000年以降に成人を迎える世代のことです。

彼らは幼い頃からモバイル端末に慣れ親しんでいます。気になることや疑問に思ったことは、検索を通じて即座に情報へとアクセスしていきます。ミレニアル世代にとって、長時間タイプの学習であるeラーニングよりも、スマートフォンやタブレットで気軽に学習できるマイクロラーニングのほうが取り組みやすい学習方法といえるでしょう。

今後はミレニアル世代が社会の中心となっていくため、マイクロラーニングの利用もますます進んでいくものと考えられます。

マイクロラーニングの3つのメリット

eラーニングと比較すると、マイクロラーニングには次の3つのメリットがあります。

  • 時間にとらわれず学習できる
  • 学習効果が高い
  • 教材を提供しやすい

それぞれ詳しくみていきましょう。

メリット1:時間にとらわれず学習できる

マイクロラーニングは、スマートフォンさえあれば時間や場所に制限されず学習が可能です。
通勤中や仕事の休憩時間などのちょっとしたスキマ時間に勉強できるため、忙しい会社員でも気軽に利用できる点がメリットといえます。

コンテンツ1本あたりの時間が長い eラーニングは、まとまった時間の確保が困難な社会人には負担が大きいものです。その点、1分~5分で1つのテーマを学べるマイクロラーニングであれば、時間を意識せずに学習できます。

メリット2:学習効果が高い

マイクロラーニングは、eラーニングなどの長期間のカリキュラムと比べ、効率的な学習ができるといわれています。
人間の集中力は、15分程度が限界です。そのため、長時間の講義をeラーニングで受けるよりも、数分程度の短い学習を繰り返したほうが集中力を高く保てます。

また、記憶の定着法として反復学習が有効なのは、多くの方がご存知のことでしょう。
マイクロラーニングであれば短時間で同じ内容を繰り返し学習できるため、効果的な学習が期待できます。

メリット3:教材を提供しやすい

マイクロラーニングでは、1本あたりのコンテンツ時間が数分程度です。eラーニングのように教育計画を策定し、1つのコンテンツ内容を入念に練り上げる必要は必ずしもありません。

例えば、接遇マナーの学習教材を用意する場合、正しい接遇マナーを実演している映像を撮るだけで、1つのコンテンツが完成します。制作コストも最小限に抑えられるでしょう。
一方、eラーニングの場合は長時間の動画制作だけでなく、場合によってはテキスト教材も必要です。そのため、マイクロラーニングより制作費が高額になる傾向にあります。

eラーニングのように専門業者へ依頼しなくても、自社のリソースでコンテンツを作成できるのはマイクロラーニングの強みといえるでしょう。

マイクロラーニングの3つのデメリット

魅力的なメリットの多いマイクロラーニングではありますが、押さえておきたいデメリットも存在します。

ここからは、マイクロラーニングの主なデメリット2点をみていきましょう。

デメリット1:複雑な知識の習得には向いていない

マイクロラーニングでは、比較的シンプルな内容を短時間で学習します。そのため、複雑な知識の習得にマイクロラーニングは不向きといわれています。

マナーやルールの学習など、シンプルな内容を学ぶときにマイクロラーニングは有効です。しかし、長時間の学習が必要となる中小企業診断士や宅建などの資格勉強では、1つのコンテンツ時間が短すぎると内容説明が不十分になってしまいます。そのため、マイクロラーニングだと逆に非効率な学習となる可能性があります。

複雑な知識の習得には、eラーニングや直接指導が適しているでしょう。

デメリット2:対人スキルの習得に向いていない

マイクロラーニングは、対人スキルの習得には不向きです。

簡単な挨拶程度であれば短期間で覚えられるため、マイクロラーニングによる短時間動画でも問題ありません。
しかし、接客や営業スキルなどの対人コミュニケーションを学ぶ場合は、マイクロラーニングだけだと学習内容として不十分といえるでしょう。対人スキルの習得には、対面型の研修会やOJTなどの実践的なコンテンツが必要になるためです。

対人スキルの座学はマイクロラーニングで学習し、実践は対面型の研修で学習する、といったように、内容に応じて学習方法を変えてみるとよいでしょう。

マイクロラーニングを活用できる場面

マイクロラーニングは、次のような場面で活用可能です。

  • 語学学習
  • 新入社員研修
  • 管理職研修

それぞれ詳しく紹介していきます。

活用シーン1:語学学習

語学学習においては、継続的な勉強とモチベーションの維持が大切です。特に語学への苦手意識を持っている人は、「1レッスン50分の語学学習を毎日続けてください」と会社から指示されても、長続きしないでしょう。

マイクロラーニングであれば、長いコンテンツであっても1本5分程度です。スマートフォン上から閲覧できるため、学習に入るまでのハードルは高くありません。「通勤電車に乗ったら毎回1つのコンテンツを勉強する」と習慣づけておけば、継続もしやすいでしょう。

また、短いコンテンツであることから、達成感を味わえる回数も自ずと増えます。「今日も語学学習を進められた」という達成感は、語学学習へのモチベーションを維持するのに有効です。

活用シーン2:新入社員のビジネスマナーや用語の研修

名刺の渡し方、電話応対、メール送信の方法などはシンプルな内容であるため、短時間で学べるマイクロラーニングが効果的です。

また、ビジネス用語や業界用語の暗記は、反復学習によって効率的な学習が期待できます。マイクロラーニングであれば、時間や場所にかかわらず気軽にコンテンツを閲覧できるため、反復学習の機会を無理せず作り出せるでしょう。

活用シーン3:管理職の経営戦略やマネジメントの研修

管理職に就いている人は、プロジェクトや部下のマネジメントに忙殺されることが多いため、学習に長い時間を確保できません。また、管理職を集めて研修や勉強会を頻繁に開催すれば、コスト面での負担も大きくなるでしょう。

マイクロラーニングを活用すれば、マネジメントや経営戦略の基礎知識などをスキマ時間に学習できます。一定の基礎知識を身につけてもらったあとに実践研修やOJTを提供すれば、管理職の時間を必要以上に奪うことなく効率的な学習が実現可能です。

マイクロラーニングが企業研修に向いている理由

マイクロラーニングは、特に企業の研修ツールとしての活用に適しています。理由は以下の2点です。

  • 集合研修の代わりになる
  • 業務の合間に社員が勉強できる

それぞれみていきましょう。

理由1:集合研修の代わりになる

コロナ禍において、従業員を一同に集めて研修するのは難しいのが実情です。
その点マイクロラーニングであれば、動画を通じて従業員が共通の内容を学習できます

感染症対策の観点からテレワークも珍しくない現代において、時間と場所を選ばずに学習できるマイクロラーニングは現状に適した学習ツールだといえるでしょう。

理由2:業務の合間に社員が勉強できる

マイクロラーニングでは、1本あたりのコンテンツ時間が1分~5分程度であるため、業務のスキマ時間を活用した学習が可能です。

残業への風当たりが厳しくなってきている現在では、勉強会や研修などのしわ寄せで社員の残業が増えるような事態は避けたいものです。
マイクロラーニングであれば短時間の学習機会を提供できるため、自社全体の生産性を低下させることなく社員教育を実施できるでしょう。

まとめ

マイクロラーニングとは、1分から5分程度の短いコンテンツを視聴する新しい学習方法です。
時間と場所を選ばずに学習できるため、多忙な社会人にとって最適な学習方法のひとつといえるでしょう。

マイクロラーニングは複雑な知識の習得には不向きですが、基礎知識や用語の暗記などの反復学習に高い学習効果を発揮します。
語学やビジネスマナーの習得を社員へ促したい場合は、ぜひマイクロラーニングの導入を検討してみましょう。

ABOUT ME
ミキワメラボ編集部
ミキワメラボでは、適性検査、人事、採用、評価、労務などに関する情報を発信しています。

活躍する人材をひと目でミキワメ

ミキワメは、候補者が活躍できる人材かどうかを500円で見極める適性検査です。

社員分析もできる30日間無料トライアルを実施中。まずお気軽にお問い合わせください。