用語集

ハロー効果とは?起こりやすいシーンやマーケティングに活用するポイント・注意点を解説

ハロー効果とは人物や物事を評価する際、目立つ特徴に左右され、ほかの特徴についての評価にも影響が及んでしまう現象を指します。

ハロー効果は、使い方によって良くも悪くも作用するため注意が必要です。本記事では、ハロー効果の種類や起こりやすいシーンを具体例とともに解説。マーケティングに活用する際のポイントや注意点、混同しやすい用語についてもご紹介します。

ハロー効果とは?

ハロー効果(Halo effect)とは、人物や物事などを評価する際、目立つ顕著な特徴に左右され、そのほかの特徴に対する評価にも影響が及んでしまう現象を指します。

「ハロー(halo)」には、光背や後光などの意味があることから、「光背効果」や「後光効果」とも呼ばれています。

参考:ハロー効果とは-コトバンク

ハロー効果は2種類に分けられる

ハロー効果は、「ポジティブハロー効果」と「ネガティブハロー効果」の2種類に分けられます。それぞれの違いを確認しましょう。

ポジティブハロー効果

ポジティブハロー効果とは、人物や物事を評価する際、目立つ能力の高さにつられて他の特徴も高く評価してしまう現象を指します。

たとえば、「高学歴だからどんな仕事でもできるはずだ」「英語ができるから優れたビジネスパーソンだ」などの先入観や思い込みが挙げられます。

高学歴や英語が堪能でも必ず仕事ができるとは限りません。しかしプラスのイメージがあることで、仕事ができる優れた人物だと思い込み、ポジティブハロー効果の影響によって無意識に高い評価を与えてしまっているのです。

参考:「人は見た目が9割」って本当?:能力だけじゃない 出世する人が放つオーラの不思議|NIKKEI STYLE

ネガティブハロー効果

ネガティブハロー効果は、別名「ホーン効果」や「悪魔の角効果」「逆ハロー効果」とも呼ばれ、人物や物事を評価する際、特定の分野の評価が低いことにより、そのほかの評価まで低くなってしてしまう現象を指します。

「有名大学卒業ではないから難しい仕事は任せられない」「清潔感のない服装をしているから仕事ができないだろう」などが具体例として挙げられます。

出身大学や身なりに関する評価が低くても、仕事ができないとは限りません。しかし、ネガティヴハロー効果の影響で全体的に低評価をつけてしまっているのです。

ビジネスシーンでハロー効果が起こりやすい場面

ハロー効果は無意識に起こる可能性があります。特にビジネスシーンで注意してほしいのは「人事評価」や「採用面接」です。具体例とともに確認しましょう。

人事評価で起こりやすいハロー効果

人事評価とは、従業員の業務における成績や遂行度、能力などを組織が評価し、昇進や昇給などに反映させる制度のことです。

人事評価では、ポジティブハロー効果・ネガティブハロー効果ともに起こりやすいです。

例えば、

  • 後期の成績はいまいちだったが、前期の成績がトップだったので、後期も高い評価をつけた
  • 業務の成績や遂行度は数値的に高かったが、問題行動を起こしたため、全体的に低い評価をつけた

などです。

また、ネガティブハロー効果により本人の能力や業績と乖離した評価を下すことは「ハローエラー」と呼ばれ、人事評価を行う担当者が回避すべき事項となっています。

採用面接の際に起こりやすいハロー効果

ハロー効果は採用面接でも注意が必要です。大手企業に勤務経験ありなど、過去の学歴や職歴に目立った点があると、ポジティブハロー効果が起こりやすくなります。

また容姿端麗であったり、採用担当者と母校や出身地が同じあるだけで好印象を抱くこともあります。

反対に、際立った特徴がなかったり、容姿端麗ではないと、能力や人柄を正しく判断できない事態に陥ります。

人事評価や採用面接においてハロー効果を防ぐには?

不適切な人事評価、対象者の昇進や昇給に悪影響を及ぼします。また能力の高い人材を逃すのは企業にとっても大きな痛手です。

人事評価や採用面接の担当者によって評価の誤差が出ないよう、ハロー効果の防止を徹底しましょう。

防止に有効なポイントは下記です。

評価や採用の基準を明確にする

人事評価や採用面接の基準において、各項目ごとに基準が明確になっていれば、これまでの実績や職歴・学歴など、目につく特徴だけに評価が左右されるのを防げます。評価のブレがなくなり、公平性を保つことが可能なため、面接される側の不満も解消できます。

総合的に判断する

対象者の良い面・悪い面だけを見るのではなく、総合的に判断することが求められます。

学歴やスキルだけに目を奪われると過大評価をしてしまう可能性があるため、業務に対する姿勢や考え方なども評価対象にすることが大切です。

思い込みや先入観を排除する

自分自身の思い込みがあると、合理的ではない誤った判断を下す可能性が高くなります。無意識レベルの思い込みも多いので、気をつけましょう。

ハロー効果をマーケティングに活用するポイント

ハロー効果は人物だけではなく商品に対しても起こります。

しかし、うまく活用すればマーケティング面で成果を挙げることが可能です。ハロー効果をマーケティングに活用する際のポイントと具体例を確認しましょう。

有名人や専門家を起用する

自社商品を宣伝する際、好感度の高い有名人や名のとおった専門家を起用することで、商品に対するイメージが良くなり、評価も高まります。

例えば化粧品なら、魅力的な女優やモデルを広告やCMに起用することで「購入したい」「使ってみたい」と消費者を動かすことができます

また、専門家に商品を試してもらうのも効果的です。お墨付きをもらうことで、より価値が高まり、消費者の購入意欲を駆り立てることにもつながります。有名なキャラクターを起用するのもマーケティングの一つとして有効です。

SNSや口コミにおける評価の高さを活用する

高評価の口コミも活用できます。一昔前までは「口コミ=イノベーティブな人や、商品の専門家の意見」というイメージを持たれていました。

しかし、最近はSNSの普及により、全く面識のない人のSNS・ブログでの発信が、消費者の購買行動に影響を与えるようになりました。現在の消費者は、口コミを「利害関係のない第三者から発信される信憑性の高い情報」と捉えています。

この心理的傾向は「ウィンザー効果」と呼ばれ、ハロー効果と同様にマーケティングの手法として活用することで、消費者の購入意欲を高めることが可能です。

参考:SNS時代の今、「口コミ」は認知・情報探索媒体として機能している

受賞歴を公表する

受賞歴は商品の質の証です。セレクションでの最優秀賞や金賞などの受賞歴があるなら積極的に公表しましょう。信用度が増すので、消費者の購入意欲も高まります。

特にこの手法はネット通販で目にする機会が多いです。

研究結果や数値などのデータを公表する

商品の研究結果や数値などのデータを公表することで説得力が増します。そのため、

サプリメントや健康食品において、含有成分のデータや研究結果が揃っていれば、積極的に公表しましょう。

ハロー効果をマーケティングに活用する際の注意点

ハロー効果を活用する際には以下の点に注意が必要です。

  • 商品の期待値が高くなりすぎる
  • 各企業がハロー効果を取り入れ過ぎて、見慣れてしまう

ハロー効果によって商品の期待値が高くなりすぎる

ハロー効果によって期待値が高くなりすぎてしまうことで、実際の商品やサービスと消費者の期待が乖離してしまう恐れがあります。

いくらイメージアップを図っても、実際の満足度が低い場合、リピーターになる確率は低いでしょう。さらに、ネガティブハロー効果の影響で、その企業が扱う他商品のイメージダウンもなりかねません。

各企業が取り入れることで見慣れてしまう

ハロー効果はよく使われるマーケティング手法のため、各企業が取り入れることで、同じような広告やCMが多く制作され、消費者が見慣れてしまう可能性があります。

有名人やキャラクターを起用した広告を出したとしても他社と変わらず差別化できていない場合、効果は見込めず売上に直結しにくいので注意してください。

ハロー効果と混同しやすい用語との違い

類義語の「ピグマリオン効果」や「初頭効果」との違いを確認しておきましょう。

ピグマリオン効果

「ピグマリオン効果」とは、ギリシャ神話に登場する人物の名を冠した教育心理学の用語で、他者や周囲から期待されることで成績や成長が促される現象を指します。

教育心理学者であるロバート・ローゼンタールが提唱したため、「ローゼンタール効果」とも呼ばれています。ピグマリオン効果は、成績や成長を促す作用があるため、主に教育現場で教師が生徒に対して活用することが多い手法です。

参考:ピグマリオン効果とは – コトバンク 

ピグマリオン効果の対義語は「ゴーレム効果」で、他者や周囲からの期待が低いことからパフォーマンスが実際に低下してしまう現象を指します。

参考:ゴーレム効果とは – コトバンク

初頭効果

「初頭効果」は、最初に見た印象で人物や物事を判断してしまう現象を指します。

逆の用語は「親近効果」で、最後に示された情報によって人物や物事の印象を決定づけてしまう心理効果の一つです。

初頭効果とハロー効果を組み合わると、より効果的な印象操作術として活用できます。

まとめ

ハロー効果は人物や物事の目立つ特徴が、そのほかの特徴の評価にまで影響を及ぼす現象です。マーケティング手法として応用すれば商品にいいイメージを与えることができ、消費者の購買意欲を高めることが可能です。

ビジネスシーンでは人事評価や採用面接の際に起こりやすいため、担当者はさまざまな観点から正しい判断を行う必要があります。ハロー効果は使うシーンによって良くも悪くも作用することから、企業は評価や採用の基準を明確にしておくなどの対策を講じ、常に正常な判断ができるように備えておくことが大切です。

参考:ハロー効果(光背効果)とは|ポジティブハロー効果・ネガティブハロー効果も解説!心理学用語

参考:ハロー効果をマーケティングに応用する方法とは?他社の事例も紹介 | YOBICOM 

ABOUT ME
ミキワメラボ編集部
ミキワメラボでは、適性検査、人事、採用、評価、労務などに関する情報を発信しています。

活躍する人材をひと目でミキワメ

ミキワメは、候補者が活躍できる人材かどうかを500円で見極める適性検査です。

社員分析もできる30日間無料トライアルを実施中。まずお気軽にお問い合わせください。