経済を潤すための資源が乏しく、財政収支は近隣諸国との貿易・投資などを通じて回復を図っているラオス。政府は中所得国になることを国是として掲げ、電力開発を経済発展の柱として国家プロジェクトを実施した。もともと輸出品が少ない点から、売電を目的とした発電所の開発ポテンシャルは大きく、国内電力普及率の向上と外貨獲得を通じた経済発展の要となると考えられていた。ラオスとタイの国境を流れるメコン川の支流であるナムニアップ川は、豊富な水量を活かした水力発電所構築の場所として、まさに絶好の立地。このプロジェクトの中核を担ったのが、日本最大のダム「黒部川第四発電所」を構築し、技術とノウハウを持つ関西電力だ。