二代社長の佐治敬三は最難関のビール事業に挑戦する意志を固め、父・信治郞は「やってみなはれ」と背中を押した。63年4月、日本初の生ビールを発売、寡占化していたビール業界に風穴を開けるべく挑戦を開始した。最初は大量の商品が売れ残り飲食店へ頭を下げて回ることもあった。
その後ビール事業は45年間赤字が続いたが、2008年、再参入から46年目にして悲願の黒字化達成を果たした。サントリーグループの歴史をつくってきたのは、常に果敢なチャレンジ精神だった。誰もやらなかったことに挑む。常識を疑い視点を変え、考えぬいて、ひたむきに行動する。失敗や反対を恐れずひたすら挑戦し続ける。新しい市場創造も、新たな価値提供も、そんな情熱から生まれた。『やってみなはれ』は、現在も未来も、私達の原動力となる価値観である。