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第4弾「ケース面接」では、ロジモンがテンプレケース面接を斬ります。5大商社を無双し、外コン、メガバンク、ベンチャーを総ナメにした19卒トップ就活生ロジモンが、就活を始めてから何を考え、何を感じ、如何にして行動してきたかを連載します。理系学生で多忙な日々を送ってきたロジモンが、限られた時間でトップ企業の内定を総ナメにした軌跡の中に、内定獲得へのヒントがあります。

ケース面接の特徴

「ケース面接」という言葉は、コンサル志望者以外には馴染みのない言葉かもしれません。ケース面接では「リーティングマークの売上を2倍にするにはどうすればいい?」などの質問が投げられます。それに対して就活生が提供したソリューションを通じ、就活生の思考力を測るのがケース面接の意義です。

ケース面接の進め方

ケース面接にはお決まりの進め方がありますが、それを面接の場で教えてくれる企業は殆どありません。したがって、ケース面接を課す企業を受験する場合には、予めケース面接が何たるか・どのように進めればいいのかを知っておく必要があります。

それでは、ケース面接の大まかな流れを確認していきましょう。

グレーで表記した部分は、ケース面接の点数とはほとんど関係がありませんが、面接を受ける上での基本的振る舞いやコミュニケーションが出来ているのかのチェックは行われるので、とんでもないことをしでかさないようにだけ気を付けてください。オレンジで表記した部分は、論理的思考力・発想力が問われています。青で表記した部分は、他人の意見の活かし方が見られています。以下で、それぞれどのように進めていけばいいのかを確認していきます。

お題発表

ケース面接のお題の例として「リーティングマークの売上を2倍にするにはどうすればいい?」などが挙げられます。このようなビジネス系のお題以外にも、官公庁系のお題「奥多摩市へのふるさと納税額を3倍にするにはどうすればいい?」や哲学系のお題「究極の幸せとは何か?」などが課せられることもあります。お題を聞き逃さないよう、しっかりとメモを取ってください。

シンキングタイム

お題を解くのに与えられる時間は、通常は5分程度、長い企業でも10分程度です。たったこれだけの時間でお題を解かなくてはならないので、ケース問題を解くフレームワークを予め把握し、テキパキと解き進める必要があります。ここで気を付けて欲しいのは「リーティングマークの売上を2倍にするにはどうすればいい?」という課題は、リーディングマークが創業以来考え続けている永遠の課題です。みなさんが5分や10分そこらで完璧な解決策を提案することが求められている訳ではありません。是非、解決策そのものではなく、思考の柔軟さや斬新さをアピールすることを目標にしてください。

それでは、シンキングタイムの大まかな流れを確認していきましょう。

具体的なお題「新幹線に関する最善の新規事業を考えよ」で具体的に考えていくことにしましょう。ちなみにこれはロジモンが本選考で課されたケース問題で、これから紹介するソリューションは1分間でロジモンが考案したものです。


前提定義では、クライアント・タイムスパン・曖昧な用語・条件などを明確に定義し直し、具体的に想像しやすいものにします。例えば、新幹線での新規事業といっても、観光地の有無、車両の大きさ、車内平均滞在時間などによって提案出来る事業が全く異なってくるので、「東海道新幹線に限定」したり、「最善=収益規模が最大であると定義」します。クライアントがJRなのか日本車両製造なのかによっても、出来得るソリューションが変わってきますし、解決までに割ける時間が1年なのか10年なのかでも全く違います。前提を明確に定義することで、面接官が思い描くシチュエーションと、自分が思い描くシチュエーションを一致させます。


現状分析では、現状を深く分析します。現状を深く分析出来ていないと、問題点が浮かび上がってこないので、多角的な視点で包括的に事業を分析してください。例えば、現状の新幹線事業は「旅客輸送」だけではなく、「車内販売」なども含まれます。さらに、「新幹線に関する」新規事業を提案すれば良いので、車両基地や清掃作業などにも目を向ける必要があります。さらに、顧客にフォーカスすると、東海道新幹線の顧客の多くが利用する区間は「東京↔大阪」であり、当該区間の利用者はビジネス利用のサラリーマンや、観光目的の外国人、USJ狙いの大学生などが主であることが予想され、乗車時間は2時間程度です。


ボトルネック特定では、現状の事業の目標達成を最も阻害している要因を特定します。今回のお題は既存事業を良くするのではなく、新規事業を立案することが目標なので、ボトルネックを特定する必要はありません。売上改善に関するビジネス系のお題を解く際は、現状の売上が向上するのを阻害している要因をいくつかあげ、その中で最もクリティカルな要因を見つける必要があります。


ソリューション提示では、特定されたボトルネックを解消するためのソリューションをいくつか提示し、その中で実行に値するコストパフォーマンスに優れたものを選択します。例えば、ビジネス利用のサラリーマンも、観光目的の外国人も、USJ狙いの大学生も疲れているはずなので、そういった人を癒やす車内フットマッサージサービスや、追加料金制のフットバスシートを作るのも一つの手です。しかし、お金のない大学生は利用しないかもしれません。また、シートにモニターを設置し、Netflixを見放題にするのはどうでしょうか。ビジネス利用のサラリーマンとっては、退屈な移動時間を潰す嬉しいサービスかもしれませんが、日本での観光スポット調べをしている外国人や、友人との会話を楽しむ大学生にはウケないかもしれません。何より、多角的な視点で自分が考えたソリューションを評価できることが重要です。


「フットバス?」「Netflix?」「誰でも思いつくんじゃね?」そうですね。誰でも思いつきます。あなたは今、他の人が考えたソリューションを聞く立場にありましたが、本番では面接官がその立場にいます。もしあなたが「フットバス」や「Netflix」以上の提案ができなければ、面接官も「誰でも思いつくんじゃね?不合格」と思っているはずです。そういった意味で、現状抱えている問題から論理的に導かれるソリューションであること以外にも、ソリューションそのものが斬新であることも重要なのです。誰もが思いつくソリューションしか提供出来ない人がチームにいても、新たな価値は何も生まれません。他の人にはない斬新な発想をチームに与えてくれる人材が求められているので、その能力をケース面接でも示す必要があります。


ロジモンが提案した新規事業は次の通りです。

近年、ヤマト運輸をはじめとする運輸業界で配送担当者の労働環境が問題になっています。Amazonなどのネットショッピングが当たり前になり、物流の需要が急増しましたが、配送担当者が減る一方なので、現状では日本全国の物流を少数の配送担当者で賄っています。少数の配送担当者がトラックで東京↔大阪間などの長距離物流を担当するのは重労働かつ非効率です。
一方で、新幹線の座席が満席となるのはハイシーズンのみで、それ以外は空席が一定数残ります。そこで、日本の大都市を繋ぐ新幹線の特性を活かし、空席を有効活用して荷物を運ぶ、運輸業者を顧客とするB2B事業を提案します。JR側としては、空席を有効利用して利益を生むことができるのでデメリットはありません。運輸業者側としては、新幹線を配送に利用することで、日本の大都市間を高速で遅延無く荷物を輸送することができ、何よりも配送担当者の負担を激減させることが出来ます。座席利用料金に関しては、本来大型トラックの東京↔大阪間高速道路利用料金が3万円程度なので、本来空席で利益を埋めないはずのJRは、1便あたり3万円程度の収入が増えるだけでもメリットはあると考えられ、双方にとってウィンウィンの関係を作り上げることが出来ます。新幹線座席予約システムを「荷物がある車両でも良い」「隣に人がいても良い」「1人でシートを独占したい」などに分け、それぞれに料金設定をすることで、顧客のニーズも満たしつつ、荷物を置くスペースを確保することができます。東京↔大阪間以外にも応用可能性が高いことからも、JR側の収益性にも期待できます。

グループでのケース面接

一部の企業では、グループでケース問題を解くことを求められることがあります。その場合にも基本的にすべきことは変わりません。個人でケース問題を解くとき、他人の意見の活かし方を見るのは面接官とのディスカッション中のみでしたが、グループでケース問題を解くとき、他人の意見の活かし方はシンキングタイムでも見られるというだけの違いですので、気負う必要はありません。
グループでケース問題を解くことを求められるコンサルの選考では、非常に高確率で「自分が一番頭が良いと信じてやまないイキリすぎ人材」に遭遇すると思います。そういった人材は大概、自分の意見を押し通し、他人の意見を論破することしか考えていません。
しかし、良く考えてみてください。クライアントから見れば、どのファームであっても課題を解決してくれさえすればいいので、ファーム間で案件の争奪戦が起こることも稀ではありません。要するにコンサルタントは、思考力はもちろん、企業の下の立場で案件を形成出来る営業力、言い換えると、顧客の潜在的な意見を取り入れて解決策を練り上げられる力を備えている必要があるわけです。自分の意見を押し通し、他人の意見を論破する「自分が一番頭が良いと信じてやまないイキリすぎ人材」がこれに該当するでしょうか。多くの場合、こういった人材は求められておらず、不合格となります。

ロジモンのケース面接まとめ

今回はシリーズ第4弾として「ケース面接」を取り上げました。ケース面接は、就活生の思考力を問う代表的な面接形式ですが、一部の総合商社でも選考に取り入れられており、最近は「ケース面接=コンサル」ではなくなりつつあります。ケース面接は、基本的な進め方を知っていることが前提として行われる面接であるため、しっかりと対策することがコンサルの選考を突破するための最低条件とも言えます。是非ロジモンの記事を参考に、これから迎えるコンサル選考の山場を乗り越えてください。しっかりとケース面接対策を行うと、前述の総合商社のケース面接を「朝飯前」にすることもできるはずです。