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総合商社についての業界研究が少し深まってくると、バリューチェーンというビジネスモデルを知ることになります。日本語にすると価値連鎖ですが、具体的にどのようなビジネスモデルなのでしょうか?せっかくなので過去の商社のビジネスモデルと比較してバリューチェーンの良いところを確認しましょう!

総合商社の過去のビジネスモデル

過去の商社は貿易の仲介などを行っていました。(※詳しく知りたい人は総合商社の歴史で詳しく解説してあります。)そのため、主なビジネスモデルは取引先の間に立って、手数料(仲介手数料や金融手数料)を取るというものでした。そのため、総合商社がどこかに投資をするというときには、その投資の意味は手数料を拡大させるためでした。下の図は三菱商事を例にしていますが、どの総合商社もほとんど同じ立ち位置でした。

(出典:三菱商事アニュアルレポート2008

しかし、徐々にメーカーが力をつけてくると、メーカーが自分で国内外に販売網を持つようになって、総合商社が不要だといわれるようになったわけです。では、これを踏まえて、総合商社の今のビジネスモデルの中でも重要なバリューチェーンという考え方を見ていきましょう。

バリューチェーン


(出典:三菱商事アニュアルレポート2008
https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/ir/library/ar/pdf/archives/ar2008.pdf
キーワードは「川上から川下まで」商流の上流から下流まで全部をサポートします。仲介だけだとやっぱり第三者なので、手数料目当てといわれて批判されてしまいます。しかし、商流全体を見渡すし、様々な支援を行うことで、真に価値のあるサポートをしたり協力できるわけです。これがバリューチェーンという考え方で、商社も時代の必要性からこのビジネスモデルに辿り着きました。
ここで、一歩深く業界研究を進めるためのポイントがあります。それは、総合商社がお金の投資だけでなく、「ヒト」の投資も行っていることです。すなわち、カネで支援するだけでなく、実際に三井物産であれば三井物産の社員を送り込んでいるのです。そうすることで、より迅速な対応をすることができ、バリューチェーンをより強固なものにすることができます。「商社の投資で特徴的なところはこの「ヒト」の投資」です。この点をしっかりおさえておきましょう!

発展編

商社の事業投資と投資ファンドの投資の違うところはなんでしょう?考えてみましょう!