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総合商社は本当に様々なことを行っています。今の総合商社を適切な形で表現することはできませんが、「総合事業運営・事業投資会社」というのが妥当でしょうか。(2012,田中隆之)一口に投資と言っても色々ありますが、①商権獲得を目的とする投資、②子会社の経営参加による製造業・サービス業進出を目的とする投資(本体の分社化を含む)→事業運営、③単なる配当収入の獲得を目的とする投資→事業投資、の三種類をうまく駆使しているのが今の総合商社です。(2012,田中隆之)ではこれからの総合商社を一緒に考えてみましょう?

今の総合商社の強みと弱み(ワーク形式)

これからの総合商社の強みと弱みって何でしょう?

総合商社の歴史1と2から推測できるものを紹介します。あとはみなさんOB訪問や説明会などで調べていってください。ちなみに、答えはありませんし、ひょっとすると意外な強みや弱みが面接官に響くかもしれません。

とりあえず、ちょっと今の総合商社の強みと弱みを考えてみてください。

強み

①ビジネス感度が高い

総合商社は様々な困難を乗り越えていく中で、これで儲けられる!というものを見つける能力が極めて高いです。新規ビジネスや新規市場を開拓していく上で、常にアンテナを高く張っていることは非常に重要ですよね。逆に言えば、常日頃から情報感度の高い就活生を求めているということでもあります。

②社内に専門のエキスパートがいる

クロスボーダーで取引を行う商社にはエキスパートがたくさんいます。イランに詳しくペルシャ語などの語学堪能な社員や、南米に詳しい社員、特定の商材に詳しい社員や税務などのコーポレートのなかでのスペシャリスト。こうしたエキスパートがいることも強みです。

③国内トップクラスの人材をかかえている

みなさんの周りや先輩でも優秀な人が商社に就職されていることも多いのではないでしょうか。頭が良い人に限らず、行動力がある人、何かでトップを取った人など、人材の方向性も豊かなところが商社の土壇場での強さにつながっているのかもしれません。
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どうでしょう。「一般的に言われている商社の強みとは少し違うかもしれません。」就活でその会社の強みや弱みを言う時に、生の情報や自分が一生懸命調べたことからわかったことを言えると業界研究が深いことをアピールできます。これ以外にもたくさんあると思うので、ぜひ自分で調べましょう。

弱み

①フロントを知らないと稼ぎ方がわからない社員もいる

コーポレート、バックオフィスなどフロント以外でキャリアを積んできた社員の人はその会社がどうやって稼いでいるのか、「自分の目で見て」いません。これは総合商社に限りませんが、取引も多岐にわたり複雑化している総合商社ではこれが弱みになりえます。

②他社に簡単にまねられる

総合商社はメーカーと違って自分たちの「技術力」でビジネスを手掛けているわけではありません。ビジネスモデルは他社に真似られてしまうことも多いです。それは総合商社の弱点と言えるでしょう。
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弱点に関しては、みなさんも深める余地がたくさんあります。総合商社の弱点もあれば、その中の特定の一社での弱点もあるでしょう。

これからの総合商社(発展編)

おそらく、今の総合商社の成長軸から話をすすめれば、大きく分けて四つの軸で総合商社は成長していくでしょう。
①国内・トレーディング
②国内・事業投資
③海外・トレーディング
④海外・事業投資
しかし、これは誰でも思いつきます。もちろん、誰でも思いつくから間違っているというわけではありません。
逆にこう考えてみましょう。今、ソフトバンクも投資を積極的に行っています。投資などに詳しい人はPEファンドというものもご存知でしょう。これらと総合商社との違いはなんでしょう??
これらとの差別化を行っていることが、総合商社が今も社会から必要とされている理由かもしれません。その会社の将来のビジョンまで真剣に考えている就活生を企業きっと欲しているのではないでしょうか。是非渾身の答えをひねり出してみましょう!
(参考)
田中隆之 2012年「総合商社の研究―その源流、成立、展開」