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上位校の学生にも人気の高い商社やメーカー。何となく興味を持っているけれど、実際にどのようなことをしているのかあまり理解していない人も多いのではないでしょうか。そこで、商社とメーカーのビジネスモデル・働き方の違いなどを分かりやすくご紹介します!これを読めばインターンシップ・本選考にも役立つこと間違いなしです。

ビジネスモデルの違い

まず、商社とメーカーはそれぞれどのように収益を上げているのでしょうか。似ていると考えている人もいますが、実は全く異なります。

商社

商社とメーカーの大きな違いとして、商社は特定のビジネスモデルがなく、特定の商材を持たないことが挙げられます。
また、商社には「トレーディング」と「事業投資」という2つの事業があります。
「トレーディング」とは、その名の通り商品を流通させることです。商社がメーカー間の取引を仲介し、手数料を得ます。1960年代には海外で調達した原料を日本に輸入し、日本で加工した製品を再び海外に輸出するという役割を担っていました。「事業投資」とはさまざまな事業に投資して利益を得ることです。企業の子会社化や経営参画、合弁会社の設立によって事業に投資し、場合によっては経営指導や技術指導も商社が行います。


このように商社には2つの事業がありますが、商社の中にも2種類あります。

・総合商社
まず一つ目が総合商社です。五大商社と呼ばれる三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅、伊藤忠商事はすべて総合商社にあたります。総合商社の特徴として、「事業投資」に大きな比重を置いていることが挙げられます。

・専門商社
二つ目が専門商社です。専門商社は事業投資の額が少なく、トレーディングをメインとしています。企業によって扱う商材は異なりますが、専門の商品に特化することで特定のメーカーと強いパイプを持ち、ノウハウを蓄積して差別化を図っています。

メーカー

メーカーとはある製品の製造を担う企業のことを指します。商社とは違い、メーカーは流通を担いません。また、メーカーの中にもいくつかの種類があります。メーカーは川の流れに例えて「上流・中流・下流」に分類されることが多いです。ここでは自動車産業になぞらえてメーカーの分類をご説明します。

・上流産業
上流産業とは主に素材メーカーを指します。自動車の元になる鉄、プラスチックといった素材を作ります。


・中流産業
上流産業が作った素材を使い、自動車の部品を作るのが中流産業です。製造する製品はエンジン・ライト・シート・外装など企業によって細かく分かれています。


・下流産業
中流産業が作った部品を組み立てて車の形にするのが下流産業です。トヨタやホンダのようにCMでよく目にする自動車メーカーがこれに当たります。
このように一口にメーカーと言っても扱う商材・分類もさまざまです。



営業の違い

商社とメーカーでは営業の仕方が根本的に異なります。

商社

商社の場合、自社では商品を持っていないため他社の製品を売る営業になります。メーカー同士の仲介を行うこと、メーカーに新商品の開発を提案することも商社の営業の仕事です。

メーカー

メーカーの営業では自社の製品を売ることが仕事です。上流企業・中流企業の場合、営業先は企業ですが、下流企業の場合は企業と消費者のどちらも営業相手になります。

募集職種の違い

商社

商社では主に総合職・一般職の2職種を募集しています。総合職の中で文理の差はなく、大学での選考に関係なく採用が行われています。一般職は主に総合職の業務に伴う事務を担当し、サポートをします。

メーカー

メーカーでは総合職(事務系)・総合職(技術系)・一般職の3職種を募集している会社が多いです。総合職(事務系)は営業や総務を担い、総合職(技術系)は製品の開発を行います。一般職は総合職の事務的サポートを行います。企業によって募集職種やその名称が異なる場合もありますので採用サイトで確認してみてください。

求められる力

商社

商社では柔軟に対応する力・コミュニケーション能力・リーダーシップが求められます。商社では特定のビジネスモデルがなく仕事内容も個人の裁量が大きいです。そのため、何事にも柔軟に対応する力やリーダーシップは不可欠です。また、さまざまな企業や人と関わるため社員にもコミュニケーション能力に富む人が多いです。

メーカー

メーカーで求められる力として、コミュニケーション能力とチームで成果をあげる力が挙げられます。まず、メーカーでは自社の製品を販売することが必要です。その中でいかに相手のニーズを引き出すかという聞く力、商品を説明するプレゼンテーション能力が必要になります。また、メーカーでは開発部門・営業部門・総務部門の連携も不可欠です。チームで協力して成果をあげる、という力も必要不可欠です。

商社とメーカーの違いまとめ

このように、商社とメーカーは似ているようで全く異なる業界です。両方の業界を受ける人はもちろんのこと、どちらか一方の業界を受ける人も「なぜその業界なのか」ということを分かりやすく説明できるようにしておきましょう!