ウェルビーイング

ミキワメは、なぜ「ウェルビーイング」に取り組むのか

本日リリースさせていただきました通り、「ミキワメ」を運営する私たちリーディングマークは、5億円の資金調達を行いました。これで、当社の累計調達額は14.2億円となります。
既存投資家として応援してくださっているフェムトパートナーズ様や新生企業投資様に加えて、マネーフォワード様・AGキャピタル様の両社を株主にお迎えいたしました。ここからの大きなチャレンジをご一緒させていただく機会をいただいたこと、本当にありがたく思っております。

今回の調達の概要や投資家の皆さんからの応援メッセージは、プレスリリースや日本経済新聞にご掲載いただきました。

今回の調達の目的の一つが、私たちのプロダクト「ミキワメ ウェルビーイングサーベイ」の開発や販売を強化することです。
ミキワメ ウェルビーイングサーベイは、従業員一人ひとりの心の幸福度を向上させ、休職や離職を減らすことを目的に企画されたプロダクトです。
わずか2分間のサーベイで従業員の心の健康状態を可視化し、休職・離職の予兆がある方を明らかにすることができます。

また、従業員の心の健康状態と性格を合わせて確認し、その方をどのようにケアすれば良いのかアドバイスをすることで、ウェルビーイングを実現します。

お陰様で、2020年4月にリリースした「ミキワメ 適性検査」は”T2D3”を上回るスピードで成長しており、ありがたい限りです。ただ、私個人としては、「ミキワメ ウェルビーイングサーベイ」を私たちの技術の真骨頂だと感じており、このプロダクトを起業家としての人生をかけて成功させていきたいと思っています。

当社では「ミキワメ ウェルビーイングサーベイ」を活用して、離職率30%超えの組織崩壊の状況を乗り越え、現在では離職率4%のハイエンゲージメントな組織となりました。
私たちのチームの成功体験を多くの会社に提供して再現したい、すべての働く人にウェルビーイングを実現したいと考えるようになりました。そのような想いの中で、試行錯誤しながら構築したのが「ミキワメ ウェルビーイングサーベイ」です。

現在「ミキワメ ウェルビーイングサーベイ」の無料トライアルを行っています。無料トライアルをご活用いただければ、御社の社員様の心の健康状態を可視化し、どのように社員様をケアすれば良いのかも確認いただけます。

加えて、本記事をお読みくださった方には私、飯田から直接、サーベイの結果の解説と、御社の組織をより良くするためのご提案をさせていただきますので、ぜひご連絡ください。
「ミキワメ ウェルビーイングサーベイ」無料トライアルのお申し込みはこちら

この記事では、ウェルビーイングとは何なのか、なぜすべての企業がウェルビーイングに取り組まなければならないのか、についてまとめさせていただきたいと思います。

また、エンゲージメントが低く、退職率は30%以上、多くの社員を不幸にしてしまった3年前のリーディングマークが、どのようにウェルビーイングな企業に生まれ変わったのかという体験を通じて、私たちがどのような思いで「ミキワメ ウェルビーイングサーベイ」を運営しているのかもお話させていただきます。

なぜ、すべての企業がウェルビーイングに取り組まないといけないのか

最近、「ウェルビーイング」というキーワードを耳にされる機会が増えた方も多いのではないかと思います。ウェルビーイングという言葉には、人によって様々な解釈があるのですが、WHO(世界保健機関)によると以下のように定義されています。

「単に疾病がない状態ということではなく、肉体的、精神的、そして社会的に、完全に満たされた状態にある」こと

「世界保健機関憲章」1946年

単に肉体的に健康であるということだけではなく、精神的・社会的にも健康であることと定められているのがポイントです。この定義を見て、個人にとって、ウェルビーイングな状態になることが、良いことであることを否定する人はいないと思います。
ただ、ウェルビーイングを担保すると、一人ひとりにとってだけでなく、会社にとってもプラスが大きいことはご存知でしたでしょうか?(ちなみに、私はこの間まで知りませんでした笑)

例えば、慶應義塾大学の教授で「幸福学」の研究で有名な前野隆司教授の紹介するデータによると、以下のようなことが分かっています。

幸福度の高い社員は、幸福度の低い社員より
・創造性が 3倍高い
・生産性が 31%高い
・売上が 37%高い
・欠勤率が 41 %低い
・離職率が 59%低い
・業務上の事故が 37%少ない

幸せな社員は創造性が3倍、生産性は31%、売上は37%高い

これは、なかなか衝撃的なデータではないでしょうか。業績が良い会社の方が、社員が一生懸命に頑張っていて、その反動でウェルビーイングが低い社員が多い。そういうイメージがある方も多いのではないかと思います。実際はその逆なんですね。

ウェルビーイングを担保することは、個人にとってだけではなく、会社にとってもプラスになります。科学が証明してくれています。
もし、ウェルビーイングを軽視している方がいれば、その常識を変えなければなりません。
すべての企業がウェルビーイングに取り組むべきです。

ただ、この記事で、偉そうにウェルビーイングについて語っている私なのですが、過去の当社のチームはウェルビーイングとは真逆の状態でした。少し、過去の私たちについてお話させてください。

社員の心の健康状態を可視化し、休職・離職を防ぐ
ミキワメ ウェルビーイングサーベイ 無料トライアルのお申し込みはこちら
(受検結果は私、飯田が解説いたします)

私たちのミッション 仕事のやりがいの向上を通じて、自己実現を増やしたい

私たちのミッションは「世界の人々の自己を実現したいという欲求に対して、社会の仕組みをDesignすることで、大きく有益なImpactを与えます」というものです。このミッションは、私が大学3年生で学生起業した時代から変わっていません。

大学3年生になると、多くの学生が就職活動をします。私も、ご多分に漏れず、多くのOB・OGを訪問して、就活の情報収集をしようと考えました。ただ、その中で、一つの疑問が生じました。それは「どれだけの社会人の方が仕事にやりがいを感じているのか」ということでした。お話させていただく社会人の方が、必ずしも自分の仕事のことを生き生きと語っているわけではないことが、気にかかったのです。

その疑問を解消するために、私はアンケートを行うことにしました。ターミナルの駅前に出向いて、勝手に道行く人に街頭インタビューを実施(今考えると、駅の構内や道で勝手にアンケートをとってはいけません(苦笑))。結果、約200名の社会人の方からアンケートを集めることができました。その結果は、衝撃的なものでした。仕事にやりがいを感じると答えた社会人の方は、わずか21%だったのです(後に、「国民選好度調査(2008年)」という内閣府の調査を確認したところ、仕事にやりがいを感じている日本人の割合は18%であると書いてありましたので、私の実施した調査はまずまず正確であったことが分かりました)。

この現状をなんとかしたい。仕事にやりがいを感じ、仕事を通じて自己実現できる人を増やしたい。

その想いだけで、アルバイトで貯めた60万円を元手に勢いで創業したというのが、当社の創業のきっかけでした。

多くの社員を不幸にしてしまった、3年前のリーディングマーク

世界の人々の自己実現を謳うのであれば、まずは目の前の社員を幸せにしなければなりません。ですので、リーディングマークでは、社員一人ひとりの想いを大切にし、一人ひとりの志を成し遂げることを応援すると掲げました。そして、そのメッセージに共感した高い志、強い意思を持った素晴らしい仲間たちが当社に転職してきました。特に、初めて資金調達を行った2014年以降は、一気に社員数が増えました。

  • 家庭環境に苦しみ、満足な進学ができず、だからこそ就活の仕組みを変えたいと考えた大手広告代理店の社員
  • 人に興味があり、コンサルティングファームで組織コンサルを行っていたが、事業会社でより大きな成果を出したいと考えたコンサルタント
  • 大手人材会社で本部長として活躍していたが、業界の仕組みを変えるためにスタートアップへの参画を決断した社員
  • 東京大学法学部から清華大学に留学し、現地の学生と共にイノベーションについて中国語で学び、研究していた新卒の学生

例を上げればきりがないのですが、当時参画してくれた社員は、どの会社でも内定が出るような素晴らしい社員ばかりでした。正直なところ、私は優秀な仲間の採用に成功して、有頂天になっていました。しかし、これはチームの成功のスタートラインではなく、組織崩壊の序曲だったのです。

しばらくは事業が上手く行っていたのですが、その後事業は停滞。そのタイミングで、組織の空気が一気に悪化しました。
チームのあちらこちらで、レベルが高いとは言えないコミュニケーションミスや対立が目立つようになりました。私も他人事ではなく、毎週のように社員から不満を聞いたり、私に対する陰口を耳にしたりしていました。

ちなみに、当時の私が苦手だったのが、社員から「ちょっとお時間良いですか?」と言われることでした。なぜなら、そう言われた際には社員から退職の報告を受けるものと決まっていたからです。

組織崩壊にはいろいろな理由があったと思います。ただ、一つ大きな問題を挙げるとすれば、当時はどのようなマネジメントを行うのが正解なのか、社内に明確なルールや行動指針がなかったことでした。なので、何か組織で問題が起きたときに、どのように対応すれば良いのか、一人ひとりで方法論やアイデアが異なり、正解がわからず、ただただ「神学論争」を繰り返して時間を浪費してしまったのです。

正解が無い中、社員同士でマネジメント論を戦わせ、お互いに疲労し、絶望し、多くの社員がリーディングマークを去りました。離職率が3割を超え、しかも、それが3年間も続きました。これは、3年経った段階でほとんどの社員が入れ替わってしまうことを意味します。

また、モチベーションクラウドのエンゲージメントスコアの偏差値も40台をさまよう有様でした。ちなみに、モチベーションクラウドのコンサルタントに聞くと、偏差値40台という状態は、「笛吹けど踊らず」という状態だそうです。会社やチームのトップが方針を示しても、それに従わない者がいる。あるいは、表面的には前向きに見えても、裏側では不満を持っていたり、愚痴をこぼしたりする社員がたくさんいる、ということです。

自己実現を増やすために創った会社は、業績が伸びず、組織のメンバーを不幸にする「容れ物」に堕ちてしまいました。私は、何とかしなければという気持ちだけが空回りし、成す術もなく、日々を浪費していました。

社員の心が幸福になれば、どんな会社も変えられる

当時の私は強がっていたのだと思います。社員にも、社外にも、自分や自分たちのすごいポイントばかりを吹聴していました。そうすることによって、多くの人とつながり、また、支持を受けられると思っていたのです。

しかし、ほとほと疲れてしまった私は、強がることを辞めました。むしろ、できていないこと、駄目なことを周りに率直に話すようになりました。それは意識的な行動ではなく、精神的な疲弊によって強がることができず、無意識的にそう行動するようになってしまっただけなのですが、これは意外な効果を生みました。
できていないことや駄目なことを埋め合わせるために、社員が自発的に行動してくれたり、その課題を解決することに興味がある社員が当社に参画してくれるようになったのです。

また、同時期に社員からUniposという社内コミュニケーションツールを導入したいという要望が上がってきました。Uniposは、従業員が、他の従業員の隠れた良いことを社員全員が見ているタイムラインに投稿できるサービスです。このツールを入れたことによって、社員同士がお互いを褒め合う文化が徐々に醸成されました。

できないことも含めて、率直に認めること。お互いを褒め合うこと。それによって、徐々に社内の空気が、対立を繰り返すギスギスした空気から、暖かく心理的安全な空気に変わっていきました。

また、採用やマネジメントのやり方も変えました。
これまでの採用シーンでは、どちらかと言えば、スキルの高低で候補者を評価して採用していたのですが、それを辞め、人間性やミッション強化度を中心に確認し、「いいヤツ」ばかりを採用するようにしました。

また、組織状態が悪かったときは、「釣った魚に餌はやらない」とばかりに、社員のケアやコミュニケーションにはあまり力を入れていませんでした。1:1は行っていたのですが、それはあくまでタスクの進捗を確認する場であり、本人の心と向き合う意識は希薄でした。
しかし、社内に率直にコミュニケーションする空気が生まれていたこともあり、社員同士が今の不安や不満を前向きに開示したり、マネージャーが本人の不安・不満と向き合い、本人の性格を踏まえてそれを解決する動きが増えたりしました。

このような積み重ねによって、迷走を極めていたリーディングマークは、徐々に新しい会社に生まれ変わっていくことができました。

リーディングマークの元々の文化と新しい文化は以下の通りです。

元々の文化新しい文化
1、物事の見せ方良いところを強調、格好つける駄目なところやできていないことを率直に伝える
2、コミュニケーションの中身自分たちが自分たちの意見をぶつける、
ギスギスした雰囲気
お互いが褒め合う温かい雰囲気
3、採用のスタイルスキル重視ミッション共感、性格重視
4、マネジメントのスタイル決めたことを伝えるだけ相手の気持ちに興味を持ち、
問題があれば本人の性格や気持ちを踏まえて、適切にケアする

今、リーディングマークに訪れた変化を振り返ると、会社が「昭和型」の雰囲気から「令和型」の「ウェルビーイング」な雰囲気に変わったと言えます。そして、それによって少しずつ会社の組織の雰囲気や、業績も回復していきました。

ちなみに、現在は離職率が4%、モチベーションクラウドのエンゲージメントスコアも73(全国トップ0.1%)をマークするまでになっています。

私たちは、いつしか自分たちのチームでの成功体験を多くの会社に提供し、再現したいと考えるようになりました。そのような想いの中で、試行錯誤しながら構築したのが「ミキワメ」です。

実際、「ミキワメ」ブランドの下で提供している「ミキワメ 適性検査」は、自社のミッションに共感し性格がマッチした人を採用するための仕組みです(上記の表の「3」に該当)。「ミキワメ ウェルビーイングサーベイ」は、従業員の心の健康状態を明らかにすることができる仕組みです。

また、その情報と性格をかけ合わせて確認することによって、従業員を適切にケアし、メンタル状態を向上させることができます(上記の表の「4」に該当)。まさに、ミキワメは私たちの失敗体験を元に、各社のチームを幸せにして、過去の私たちのように、不幸になる社員を出さないようにするために作り出された仕組みなのです。

そして、数年間のR&D期間を経て、満を持してリリースしたのが「ミキワメ」でした。リリースしたのは2020年の4月。そのような中で、想像もしなかった危機が私たちを襲ってきたのです。
そう、コロナ禍です。

ウェルビーイングの力で乗り越えた倒産の危機

私たちは、上述したミキワメ事業以外に、就職活動生と企業を就活イベントを通じてマッチングする「レクミー」というサービスを運営していました(現在は、ミキワメ採用支援に改称)。年間で実施する就活イベントの数はおよそ300。ほぼ、1日に1回のペースで何らかの就活イベントを主催していることになります。

そのような中でコロナ禍が私たちを襲いました。就活イベントが売上に占める割合はおよそ7割。また、採用メディアやコンサルティングなどの事業の売上も、各企業が採用計画を凍結したため、消失。事実上、ほとんどすべての売上が消失してしまったのです。

メンバーは頭を抱え、経営陣は倒産を覚悟しました。

しかし、ウェルビーイングの底力は私の想像を超えていました。コロナ禍を理由に退職を申し出る社員はおらず、むしろ、コロナ禍に立ち向かうためにどうすれば良いのか、社員が凄まじい速度でリアルでの就活イベントに変わる代替のサービスを構築し始めたのです。

経営陣も、従業員の覚悟と想いに応えることにしました。本来であれば、従業員をリストラし、ランニングコストをミニマイズすることが当たり前です。しかし、従業員には、最後まで従業員の雇用を守ることをコミットし、減給も行わなかったのです(経営陣だけは減給としました)。

結果的に、皆で団結し、燃えるチームとなった私たちは、ほぼ国内最速のスピードでオンラインでの就活イベントを実施することができ、かえってお客様の数は増加。粗利は前年度よりも増加しました。また、既存事業のオンライン化と同時並行で、ミキワメの立ち上げに成功し、なんとか今日まで成長を継続することができました。

「ウェルビーイング」が社員一人ひとりを変え、チームを変えました。そして、リーディングマークは売上がほとんど消失し倒産は免れないと思われた状態を乗り越えることができたのです。

私たちの想い、すべての働く人にウェルビーイングを

私たちが倒産の危機を乗り切り、そして、事業を想定した以上の速度で成長させることができたのは、ウェルビーイングの力のおかげだと感じます。
チームメンバーの「ウェルビーイング」が担保され、その上で一人ひとりが能力を発揮し能力が掛け算となることで、チームは想像を超える成果を残すことができました。冒頭で、ウェルビーイングが高い社員は、低い社員と比べて、生産性・創造性が高く、離職は少ない、というデータをお伝えしました。リーディングマークの昔と今を比べてみると、まさにそのとおりだなと思います。

ウェルビーイングの重要性が叫ばれていますが、それは正しい。すべての企業がウェルビーイングに取り組むべきだ、と心からお伝えしたいです。
今回、既存の株主様であるフェムトパートナーズ様・新生企業投資様に加え、マネーフォワード様・AGキャピタル様という大変心強い仲間にも加わっていただきました。そのご支援を受け、私たちはますます加速していきます。

すべての働く人にウェルビーイング、それを目指してチーム一同取り組んでいきます。

参考:ウェルビーイングとは?意味やメリット、企業事例を紹介

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ABOUT ME
飯田 悠司
株式会社リーディングマーク 代表取締役

仕事にやりがいを感じている日本人が18%しかいないことに危機感を感じ、東京大学在学時に株式会社リーディングマークを創業し、当社代表に就任。独自のPersonality Tech(性格分析技術)を軸に、採用の「集客」「選考」「配属・配置」を横断的に支援する「ミキワメ」を運営。人々の個性を活かした組織づくりをすることで、組織崩壊からの再建を成功させる。個人としても、累計で日系大手/官公庁等500社以上の企業の採用コンサルティングを実施。

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