適性検査

人事のための勉強会 「優秀学生が採れないを解決」【質疑応答篇】 ③採用以外でのデータ活用

※2020年4月より、「キャリアベース」は「ミキワメ」へと名称を変更し、サービスも大幅にアップデート致しました。
従来の適性検査のみを行う検査サービスではなく、その先の検査結果の分析を自動で行い、ひと目で「自社の社風と候補者が合っているのか」を見極めるクラウドサービスとなっております。
本記事執筆時は、キャリアベースとしてご提供をしておりましたが、現在は名称やサービス内容が一部変更となっております。

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こちら:https://mikiwame.com/

前編後編を踏まえ、質疑応答の一部を載せております。

「優秀でも辞めてしまう人を見抜くには?」

[飯田]ここで、質問やご意見などございましたらぜひいただきたいと思います。いかがでしょうか?

質問者A:優秀な人が取れたとして、辞めてってしまう場合にはどうしたらいいんでしょうか? すぐ辞めてってしまうような人を見つける方法はありますか?

[曽和]結構時間がかかるんですが、とにかく『データを取る』ということ。

例えば今データを取ると、3年も経てば何人か早期退職しているわけです。そうすると、早期退職者のプロフィールだったりとかっていうのもわかる。

これもクラスター分けた方がいいんですが、早期退職者も2つあって、単なるミスマッチと、良い人取り過ぎても掛け算ダメだった。という二つのパターンがありますね。

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良い人だったけれども受け皿が駄目だったんで辞めてしまった早期退職者と、単なるミスマッチの方で分けながら見ていくと、その入社や入口のところで、もしこの人取るんだったら、上司がちゃんとした人じゃないと、いい人なんだけれども受け皿が整っていないために早く退職する可能性があるよ。 というのを、ちゃんと確保して分かった上で配属をやるんですが、それだと時間がかかるかなと。今の時点だと急にはできないと思います。

[飯田]これも蓄積していくと結構できるっていうのがありますね。

正直、僕らもまだ蓄積し始めているばかりなので、何とも言えないんですけれども、当社で言うと3パターンぐらい見えてきています。

1つはですね、人から認められたいという欲求がすごい高い方。この方は、他の会社から誘われると、最初はその気がなくても認められて嬉しくなってしまって退職してしまう。こういうパターンが実は多いです。

もう1つがパーソナリティーと若干一貫性から言うと異なることがあるんですけれども。

仕事のプレッシャーとか人間関係含めて、今のストレス状態というのを測ることができるんですが、充実感とか安心感、やる気。 これはパーソナリティというよりは環境によって変動する数値です。これが下がってくるとですね、残念ながら退職してしまう可能性が結構高い。

最後に、これはうちの会社特有の特徴かもしれませんが、挑戦する力とかが高い人が社内でもハイパフォーマーでありながら一方で、自分ので挑戦したい、その受け皿がないということで退職しやすいというのがあったりしますね。

結構この辺りは組織設計と関わってくる話で、当社では「卒業生を含めてうちはいい人いっぱいいるし、挑戦してまた外でやるというのもいいよね。」「人材輩出企業だよね」みたいなブランドにちょっと変えていこうかと思っているんですけれども・・・

[曽和]リクルートも明確にそれをやっていて。3年いてくれたらいい人と思って取る、というのをやっていました。んな感じっていうことですよね。

[飯田]そうですね。

だから、データをちゃんと蓄積していくというのが大事ですし、ここが分かってくると、自社をどうブランディングすればいいかとか、社員とどういう理由で握っていけばいいかとか、そういうことにもつながってくるデータになるので非常に有意義になってくるかなと思います。

「実際、働かないと『優秀』かどうかはわからないのか?」

質問者B:優秀か優秀じゃないかって、現場に行って働いてもらわないとわからないものじゃないですか。 そこの評価って、やっぱり蓄積していかないと分からないですか?

[曽和]これはものすごく本質的な質問だと思っていて、結果指標としてハイパフォーマーを分けるものというのを何にするかというのはみんな悩んでいます。

人事考課、人事評価を使うというのも一つあります 。ただ、それが曖昧なみたいな会社めちゃくちゃ多いですね。

例えば、これ有名な話ですけれども、セプテーニさんというピープルアナリティクスの方は論文とか研究所とか持ってるんですけど、結論として人事評価じゃなくて360度評価で評価が妥当だと言っていました。

ただ、これは一筋縄では行かないと言いますか、会社によっても業績が数字で現れやすい職種であったり、業界で変わったりすると思うんですけれども、結果、指標を何にするんだっていうのは…これはごめんなさい。 私もバシッと言えないんですけれども、ここを決めるのは一つの論点と言いますか重要なポイントかなと思います。

[飯田]そうですよね。

結構これは研究の結果によっていくつかの結論に分かれたりとか、極論、会社さんが「これだったら納得できるね」っていうのを決めるって事が重要かもしれなくて、ちょっと別の研究で言うと、色々な方法で良さそうな人っていうのを抽出して、そしてその人が実際パフォーマンスしたかみたいなのを成績で数年後に測定する。というのを行ったところ、なんと1番パフォーマンスと相関が高かったのは、社長が「優秀そう」という風に判断した。
これが実は一番信頼できるみたいな結論になったんですね。

[曽和]それは悲しい不都合な事実ですよね(苦笑)

[飯田]そうですね。これは実は大きな会社の方たちだったので、そういう結果になるというのは実はあまり誰も予想していなかったんですよ。

この場合は逆に、社長のある意味での直感を含めた判断基準を採用基準に落として、かつそれを科学的に社長が気に入りそうな人を選ぶみたいなことをやったところ、若干業績が良くなったっていうのがあったみたいです。

結構これは例えばカリスマ社長がいらっしゃって、社長が気に入る人は取っていくっていうのが組織にとって大事なんだと、決めにするのはそこに帰着させるのも良しですし、セプテーニさんのように、セプテーニさんは今の社長の二代目の社長さんですごく聡明でロジカルでフェアな人なんですよね。 そういうカルチャーだと360°フィードバック みたいなところについていた可能性が高いでしょうし、まあここは一概には言いにくいですね。

「(フリートークの)面接は妥当性が低い」

[曽和]面接は構造化されていない、いわゆるフリートークの普通の面接が 一番妥当性が低いとでてるんですね。

そして適性検査とかは高い。ワークサンプルといって、実際の仕事をやらせてみる。それは妥当性が高い。

面接というのは人が人を評価するというのはかなり大変だと。だから、実際テストをみなさんやってみられるといいと思うんです。実際の会社さんにインタビューしたんですね。どんな人がいいんだとか。

この会社SPI 使ってたので、SPI の基準で「これが低いってことですよね」「これが高いっていうことですよね」とかいう風に当てはめていくと、ハイパフォーマーかローパフォーマー 、素直なやつがいいって言うけど素直じゃないやつの方がハイパフォーマーとか、素直な人が大体ローパフォーマーだったり… というのが出てきたり、本当に主観の採用基準というのをいっぺん正そうと思うとですね、こういう可視化したデータがない状態だと絶対社長が「うん」と言わないと思うんですよ。

人事の方とかが持つ武器として、社長だったり現場のリーダーの方々の強い持論に対峙する時、こういうデータとかを使わない限りはなかなか難しいところがあると思うんですね。

[飯田]採用学の領域においては、なんとなく勘で判断していく面接、後はグループワークですね。

これが実は一番精度が低いとされているんですね。
逆に面接の中でも、過去のファクトをちゃんと取っていて、その事実をもとに客観的に裏付けていく面接。
これを服部先生は、「構造化面接」という風に呼んでいたりしますけれども、そういった面接を取得できた人がちゃんと面接をやると、精度が高いと言ったことがあったりします。

なので、面接に意味がないと言っているわけではなく、面接をするんだったらちゃんとした面接の技術を学ぶ必要がある。という話ですね。

[曽和]面接の精度を上げるためにも、何を是とするのかっていうのが、問題になってくると思うんですね。

それで適性検査というの一つ基準として使うというのがあると思うんですね。

[飯田]そうですね。
要は、過去のファクトを取りながら、過去のエピソードをもとに、素直かどうかみたいなことを判断する、構造化面接の方法みたいなをみんなが習得したとして、ただ、さっきあったようにそもそも素直かどうかを測ることは意味がない。という結論になったとしたら、測っている要素が違うので、その面接自体にも意味がないという風になってしまうので。

まあ基本的にはデータなどから導き出されるどういう人を取るべきかどうかという、ようは人物像とそれを見抜くための適性検査、構造化面接というものがセットで存在しているという状況が理想である。 ということになりますよね。これはあらゆる研究で明らかになっていて、ほぼファクトという風に捉えていただいて良いと思います。

[曽和]ついでに申し上げると、アメリカって選考における説明責任っていうのが厳しいっていうのもあって、「選考」の研究っていっぱいあるんですね。

それで言うと、面接という選考手法を取るだけでいろんな基準でジャッジしているように見えても、多くの場合実際見ているのは、外交性と情緒安定性を見ている。

そして見れていないものというのが、誠実性、ちゃんと仕事を真面目にやるかとか、コミットするか、後は知能が測られてないというのが分かったりとかしてるんですよね。

そして仕事のパフォーマンスに相関が高いのはどっちかと言うと、外交性とか情緒安定性よりも誠実性とか知能なんですよねという残念な結果があって、それがさっきの妥当性の低さにつながってるんじゃないかということですね。

[飯田]ありがとうございます。

様々な切り口から、「どうすれば良い人材を採用できるのか」といったことお話しいただきました。

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