講演レポート

「脳の疲れを職場で取る!パワーナップによるウェルビーイング実現 ~自動車会社としての取り組み事例~」

2022年9月28日・29日に株式会社リーディングマークが開催した「ウェルビーイングリーダーズサミット」において、トヨタ自動車株式会社 先進技術開発カンパニーMaaS技術開発プロジェクト長の井上三樹男氏が、「脳の疲れを職場で取る!パワーナップによるウェルビーイング実現 ~自動車会社としての取り組み事例~」と題して講演しました。講演要旨は次のとおりです。

あなたの脳、疲れていませんか?

井上:突然なのですが、「あなたの脳、疲れていませんか?」という問いかけをさせていただきます。オフィスで働いているとき、次のようなことを経験したことはないでしょうか。

  • ・大事な会議で寝落ちしてしまう
  • ・日中ぼーっとしてしまうときがある
  • ・集中しなければならないのに考えがまとまらない
  • ・なかなか疲れがとれない
  • ・ストレスが溜まってイライラする

こうした問題に対して、今まで諦めていた部分が多かったように思えます。これらの現象は、実は「脳疲労」が原因かもしれません。脳疲労とは、簡単にいうと「脳が疲れた状態」です。

脳疲労という言葉は、まだ世間的には浸透していません。今回はウェルビーイングの文脈で脳疲労という現象に着目し、いかにこれをコントロールしていくのか紹介していきます。

現代は「脳疲労時代」

井上:脳疲労の要因は「外部からの情報が多すぎること」と言われています。脳疲労状態になると、五感や認知機能に対して悪影響があり、認知異常が進行すると不眠症やうつ病、神経症や認知症といった疾患につながる恐れがあります。

現代は情報過多の時代なので、基本的に避けられない必然的な産物といえます。インプット量を絞るのは現実的に難しいため、どのように脳疲労と向き合うのかが重要なポイントです。

なぜトヨタがパワーナップに取り組むのか?

井上:そこでおすすめなのが、パワーナップです。パワーナップとは、15分から30分の仮眠を指します。なぜトヨタがパワーナップに取り組んでいるかというと、居眠り運転防止のために長年研究してきたという背景があります。

いかに眠くなるか、あるいは眠くならないようにするにはどうすればいいのか、といった基礎研究を、特許を含め蓄積してきました。脳疲労という現象に行き当たり、脳疲労による認知・思考能力の低下は、運転中に限った話ではないということに気づきました。

トヨタフィロソフィーにおける「幸せの量産」という文脈で、長年蓄積してきたトヨタの技術を社内外で活用し、幸せの量産に少しでも貢献したいという想いでパワーナップ推進に取り組んでいます。

TOTONE(トトネ)の紹介

井上:職場のパワーナップを推進するうえで、おすすめしたいのがトヨタで開発した仮眠シート「TOTONE(トトネ)」です。どういった機能を実現しているのかというと、まずは寝つきの良さ。イス自体に包みこまれるような心地よさがあり、エアクッションによって浮遊しているような感覚を実現しています。こうした機能を通じてリラックスしていただくのと同時に、ヘッドホンでヒーリング音楽が流れます。また、自動車のシートヒーターを応用しており、じんわり、ウトウトしてもらえる構造です。

TOTONEは、まだ先行開発中です。2023年中に限定発売を予定しています。今回のご説明でもしご興味いただけましたら、別途ご案内をさせていただきます。

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