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ジェンダーギャップ指数とは?│世界と日本の男女格差の課題と企業にできる取り組みを紹介

「ジェンダーギャップ指数」ということばをご存知でしょうか。

「ジェンダーギャップ」は「男女格差」を意味し、「ジェンダーギャップ指数」は男女格差の度合いを測るための指数です。

本記事では、ジェンダーギャップ指数の概要や計算方法、ジェンダーギャップを巡る世界と日本の状況、ジェンダーギャップ解消に向けて企業ができる取り組みなどについて解説します。

「ジェンダーギャップ指数」とは

「ジェンダーギャップ指数」は、国ごとの男女格差の度合いを示す指標です。

非営利財団の世界経済フォーラム(World Economic Forum)が2006年以降、毎年発表しています。

評価は以下の4つの部門でなされ、総合的に判断されます。

  • 経済分野(経済活動への参加・機会の状況に男女差はないか)
  • 政治分野(政治的意志決定機関への参画などで男女差はないか)
  • 教育分野(就学における男女格差の状況はどうか)
  • 健康分野(出生時の男女差・平均寿命の男女差はどうか)

ジェンダーギャップ指数は0〜1の数字で表され、0が完全な不平等を、1が完全な平等を意味します。

参考:ジェンダーギャップ指数とは – コトバンク

ジェンダーギャップ指数の計算方法

ジェンダーギャップ指数は、次の式で計算されます。

ジェンダーギャップ指数 = 女性の数値 ÷ 男性の数値

たとえばある国で、男性の議員が60%、女性の議員が40%を占めている場合、ジェンダーギャップ指数は以下のようになります。

ジェンダーギャップ指数 = 40% ÷ 60% = 0.67

ジェンダーギャップ指数は「0.67」です。もし男性議員と女性議員の人数が同じであり、比率が50%ずつの場合は、ジェンダーギャップ指数は1となり、完全平等を意味します。

この計算方法で以下の項目について計算し、すべてを平均したものが、その国のジェンダーギャップ指数とされます。

分野項目
経済労働者比率
賃金
所得
管理職比率
専門職・技術職比率
政治議員(衆議院)比率
内閣の閣僚比率
元首の在任(過去50年間)
教育識字率
初等教育
中等教育
高等教育
健康出生
平均(健康)寿命

「グローバル・ジェンダーギャップ・レポート2021」から見る世界の状況

それでは2021年3月に発表された「グローバル・ジェンダーギャップ・レポート 2021」から、世界のジェンダーギャップ指数の状況を確認してみましょう。

経済分野・政治分野に課題

レポートによると、全世界で解消された男女格差は以下のとおりです。

分野格差の解消率
全体68%
経済分野58%
政治分野22%
教育分野95%
健康分野96%

教育分野・健康分野での男女格差はかなり「完全な平等」に近づいていることがわかります。

逆に、経済分野と政治分野については男女格差があまり解消されておらず、女性が男性と同等の機会を得られていないことがわかりました。要因としては、以下の点が挙げられます。

  • 人口の多い複数の国で、女性の議席数・閣僚数の比率が低い
  • 技術職・専門職の女性比率は増えているものの、所得格差は未だに存在し、管理職に占める女性の割合も少ない

とくに経済分野の格差については、新型コロナウイルスの感染拡大の影響も指摘されました。

コロナ禍でロックダウンがおこなわれた際、影響を受けやすい部門に女性が偏っていたことが一因といわれています。

またコロナ禍で介護施設などが閉鎖された場合、介護や育児・家事の負担が女性に偏り、女性のストレスが増大して仕事の生産性が下がることも原因の1つです。

参考:「グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート2021」 パンデミックによりさらに一世代分喪失。男女平等には135年を要する _ メディア _ 世界経済フォーラム、Global Gender Gap Report 2021

上位には北欧諸国が多い

次に、ジェンダーギャップ指数のランキングで上位になった国を確認してみます。

順位国名ジェンダーギャップ指数
1アイスランド0.892
2フィンランド0.861
3ノルウェイ0.849
4ニュージーランド0.840
5スウェーデン0.823

上位5ヶ国中、ニュージーランドを除く4ヶ国がヨーロッパ諸国、それも北欧諸国であることがわかります。これらの国々は、世界的に課題となっている政治分野で、男女格差が解消されてきているという特徴があります。

また、地域ごとの格差の解消率は以下のとおりです。

順位地域格差の解消率
1西ヨーロッパ77.6%
2北アメリカ
(アメリカ・カナダ)
76.4%
3ラテンアメリカ・カリブ地域72.1%
4東ヨーロッパ
中央アジア
71.2%
5東アジア・太平洋68.9%
6サハラ以南の南アフリカ67.2%
7南アジア62.3%
8中東・北アフリカ60.9%

上位の地域が政治・経済分野の男女格差解消のために動き、成果を出しているのに対し、下位の地域では教育・健康分野での格差解消がまだ進んでいない傾向が見られました。

参考:「グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート2021」 パンデミックによりさらに一世代分喪失。男女平等には135年を要する _ メディア _ 世界経済フォーラム、Global Gender Gap Report 2021
参考:【2021年】最新のジェンダーギャップ指数ランキング 日本と世界の現状、コロナの影響は _ ELEMINIST(エレミニスト)

日本のジェンダーギャップ指数は156ヶ国中120位

2021年発表のレポートでは、日本は156ヶ国中、120位でした。世界のなかで見ると、日本は下位であることがわかります。

とくに先進国のなかでは最低レベルであり、ASEAN諸国よりも下位の結果でした。

順位国名ジェンダーギャップ指数
120日本0.656

分野ごとの日本のジェンダーギャップ指数・順位は以下の通りです。

2021年2021年2020年2020年
分野指数順位指数順位
経済0.604117位0.598115位
政治0.061147位0.049144位
教育0.98392位0.98391位
健康0.97365位0.97940位

前年と比べた場合、残念ながら全分野で日本の順位は下がってしまっています。ただし、ジェンダーギャップ指数については、政治・経済分野では改善されています。

ジェンダーギャップ指数が改善されているにも関わらず順位が下がっているのは、ほかの国々が日本以上に男女格差解消のペースを上げていることが原因と言えるでしょう。

それでは、分野ごとの日本の特徴を見てみましょう。

経済分野

経済分野では、日本の以下の特徴が指摘されています。

  • 女性管理職の比率が低い
  • 非正規の女性パートタイム労働者が男性の倍になっている
  • 女性の平均所得が男性のそれよりも低い

政治分野

政治分野では、ジェンダーギャップ指数が前年よりも増えているにも関わらず、順位は下がってしまいました。

  • 女性の議員(衆議院議員)の比率が低い
  • 閣僚の女性割合が低い
  • 過去30年間で女性の国家元首が1人もいない

教育分野

教育分野では、識字率・初等教育における男女格差はほとんどありませんでした。しかし、その点についてはほかの国々も同様であり、優位には働きませんでした。

逆に中等教育(中学校・高等学校)、高等教育(大学・大学院)では男女格差が残っていたため、その点で差が付き、ほかの国より下位になってしまっています。

健康分野

健康分野においては、男女間で大きな格差は確認されていません。しかし、健康分野は多くの国々で差が付きにくい傾向があり、日本の順位がほかの国々よりも際だって上がることはありませんでした。

企業でジェンダーギャップ解消を進めるメリット

経済分野でのジェンダーギャップ指数を上げていくには企業の努力が求められます。男女格差をなくしていくことは、企業にとって以下のようなメリットがあります。

  • 優秀な人材の確保につながる
  • 多様な視点からの企画や商品開発などができる
  • 幅広く消費者ニーズをキャッチし、満たすことができる
  • 投資家からの評価が上がる

まず、機会や賃金などの格差がなくなることで、優秀な女性が集まりやすくなるでしょう。優秀であるにも関わらず、これまで能力を十分に発揮できていなかった女性の能力を活かすチャンスにもなります。

また、女性の比率が増えることで、女性の視点を踏まえた企画や商品開発などが可能となります。その結果、より多くの消費者ニーズがキャッチできるようになるでしょう。

さらに近年では、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが、投資家の意思決定に大きく影響します。男女格差をなくす取り組みは、こうした投資家の評価を高めることにもつながるでしょう。

企業がジェンダーギャップ解消のためにできること

企業がジェンダーギャップ解消のためにできる取り組みとして、主に以下の2つが挙げられます。

  • 女性が仕事と家庭を両立できるように支援する
  • 女性のキャリアアップを後押しする

女性が仕事と家庭を両立できるように支援する

家事や育児・介護などの負担は、まだまだ女性に集中しがちな状況です。とくにコロナ禍では、女性の負担がより一層増えたと言われています。

家庭でこうした負担が女性に偏れば、女性が男性と同じように働くことは難しくなってしまいます。そのため、女性が仕事と家庭を両立しやすい環境を整えることが必要です。

  • 女性も男性も育児休暇を取りやすくする
  • 勤務時間をフレックスにする
  • リモートワークを取り入れて在宅で働けるようにする など

女性のキャリアアップを後押しする

女性が管理職などリーダーとして活躍する場を増やすため、キャリアアップを後押ししていくことも欠かせません。

それぞれの目標や能力、興味・意欲などに応じて、リーダーシップやマネジメントに関する社内外の研修への参加を勧めるのも1つの方法です。

ロールモデルになりそうな女性を社外から招き講演会をおこなったり、それぞれが自分のキャリアについて考え、目標設定する機会をつくったりするとよいでしょう。

まとめ

この記事では、ジェンダーギャップ指数の概要と計算方法、ジェンダーギャップを巡る世界と日本の状況、ジェンダーギャップを解消するために企業ができる取り組みなどを紹介しました。

残念ながら、日本はジェンダーギャップ指数が156ヶ国中120位であり、先進国では最低のレベルです。

世界を見ても日本を見ても、大きな課題は経済分野と政治分野のジェンダーギャップ解消です。

ジェンダーギャップの解消は、企業にとってもメリットをもたらします。

  • 優秀な人材の確保につながる
  • 多様な視点からの企画や商品開発などができる
  • 幅広く消費者ニーズをキャッチし、満たすことができる
  • 投資家からの評価が上がる

ぜひ本記事を参考に、できるところからジェンダーギャップ解消に向けた取り組みを始めてみてください。

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