ソフトバンクグループ株式会社は、1981年に孫正義氏によって日本ソフトバンク株式会社として設立された。
「情報革命で人々を幸せに」を経営理念とし、ソフトバンク事業・スプリント事業・ヤフー事業・アーム事業など複数の事業を展開する情報通信関連会社の持ち株会社だ。
2017年度の売上高は91,588億円、営業利益は13,038億円、従業員数195人(連結ベース74,952人)(2018年3月末現在)である。
売上高・営業利益からも分かるように、日本の情報通信関連会社では最大級であり、転職先としても人気が高くそれに見合った採用倍率となっている。
そこで、今記事ではソフトバンクの転職情報について詳細を述べる。転職を検討している人はぜひ参考にしてほしい。
なお、ソフトバンクをはじめ、事業会社に転職したい方がまず登録すべきなのは、ビズリーチだ。大手企業、メガベンチャー、スタートアップなど、各業界の優良求人が多く掲載されている。
また、転職エージェントに並行して登録し、相談してほしい。若手の方であればリクルートエージェントが、ハイキャリアの方にはJACリクルートメントがお勧めだ。
Contents
ソフトバンクに転職する前に知っておくべき話
ソフトバンクの年収事情
ソフトバンクの平均年齢は38.9歳、平均年収は784万円だ。
一方、ソフトバンクグループ株式会社の平均年齢は40.5歳、平均年収は1,158万円だ。
グループ会社と比べるとソフトバンク本体の平均年収が低く見えるが、これには理由がある。
ソフトバンクは通信事業会社として有名であるが、メディアサービスを始めとして多くの事業に携わっている。
それらの事業がソフトバンクグループ全体の平均年収を高めているため、本体であるソフトバンクの平均年収が低く見えてしまう。
実際のソフトバンクの年収は業界内でも高水準に位置しており、役職次第では1000万を超えることも珍しくない。
また、30歳前後で600万程度が平均だ。給与は業界内でも高めだが、業績と個人成績に連動したボーナスの割合が大きいため、業績によっては変動幅が大きくなることは否めない。
労働時間
ソフトバンクおよびソフトバンクグループの平均残業時間は30〜40時間程度だ。業界内で比較すると平均的な残業時間だ。
残業時間削減の取り組みが積極的に行われ、週に1日定時退社を推奨する「定時退社DAY」も設けられている。
また近年ではテレワークやフレックスタイム制を導入しており、柔軟性の高い勤務をおこなうことが可能である。
ソフトバンクの募集職種
各事業部門ごとに事務系・技術系とも多くの職種で中途採用を行っている。募集職種は下記の通りだ。
営業・営業企画職
- 法人エンタープライズ営業(金融業界/自動車業界など)
- ソリューション営業マネージャー(SBクラウド出向)
- ソリューション営業(SBクラウド出向)
- 営業推進(SBクラウド出向)
- 代理店向けコンサルティング営業
新規事業企画・サービス企画職
- Fintech事業のセールス・マーケティング担当エグゼクティブ
- 事業開発マネージャー(AI、IoT、ビッグデータ)
- 企業分析担当者(AI、IoT、ビッグデータ)
- プロジェクト推進担当者(AI、IoT、ビッグデータ)
- 業務プロセスコンサルタント
- セキュリティプロダクトマネージャー(クラウド/モバイル)
- Go To Market推進(プロダクト・サービス企画)(SBクラウド出向)
- プロジェクト推進(SBクラウド出向)
- AI/データ企画・プロダクトマネージャー
マーケティング
- BtoBマーケティング企画(SBクラウド出向)
- デジタルプロモーションプランナー(コンシューマ事業領域)
財務・経理・投資・経営企画
- 新規事業のFP&A (Financial Planning & Analysis)
- 新規事業の投資契約担当者
- 経営企画
- IR
- IPO関連業務の経理(連結決算)/ ディスクロージャー
- 先端技術×新規事業の経理・財務・税務
- 内部監査(監査リーダー、監査マネージャー)
ソフトバンクグループというグループ会社であるため、採用後に出向や子会社勤務となることも多い。
そのため新しい環境に身を置くことが多く、やる気や向上心といった部分を評価されやすい傾向にある。
社風カルチャー
ソフトバンクグループは、チャレンジしたい人を応援する実力主義の社風だ。ソフトバンクグループで仕事をする上での行動指針として、「No.1」「挑戦」「逆算」「スピード」「執念」の5つを挙げている。
激しく変化する事業環境の中で勝ち抜くために、努力を楽しいものとして、困難や無理難題に向かって突き進み、その壁を乗り越えることを求めている。
また、従業員の自律的なキャリア開発を支援する、下記のようなチャレンジングな制度もある。
- ソフトバンクグループを担う後継者発掘・育成を目的とした「ソフトバンクアカデミア」
- 独創性・革新性に富んだアイデア(新規事業)を社内外から幅広く募集する社内起業制度「ソフトバンクイノベンチャー」
- 社内研修機関である「ソフトバンクユニバーシティ」
- 就きたい仕事に手を挙げる「社内公募制」
一方で、下記のような働き方改革への施策も充実している。
- 週に1日定時退社を推奨する「定時退社DAY」
- コアタイムを廃した「 スーパーフレックスタイム制」
- 毎月最終金曜日の午後3時を退社奨励時間している「プレミアムフライデー」
- 約9割の部署が取り入れている「テレワーク」

転職するためのコツ
募集人材
ソフトバンクグループという大きなグループを抱えていることもあり、ほとんどの職種を募集している。
しかし、本体である通信事業は専門性の高い業務がほとんどのため、未経験のポテンシャル採用はほとんど期待できない。
そのため転職の難易度はかなり高い傾向にあり、転職を検討している人はそれ相応の準備が必要だ。
中途採用の場合、大きく分けて事務系職種・技術系職種が採用の中心となる。そこで上記2職種について詳細を述べる。
事務系職種
事務系職種の求人は新規事業立ち上げに関連して多く募集される傾向にある。
そのため新規事業の内容によって求められるスキルが違い、一概に対策が決まっていない。
しかし、多くの求人に共通するのが事務系の職歴とビジネス英語に関する語学力である。
最近では中国語や韓国語の語学力も重要視されているため、事務系職種に転職を考えている人は語学力を高めるのがおすすめである。
技術系職種
技術系職種の求人はエンジニア系とセキュリティ系の2つが存在する。
エンジニア系は既存の事業から新規事業まで幅広く募集があり、経歴や職歴によってはいきなり役職持ちとなることもある。
そのため自信がある人は入社前から転職エージェントをを介して、年収やポジションの交渉をおこなうことも視野に転職活動をおすすめする。
セキュリティ系は新規事業の立ち上げが募集の主となり、内容によっては地方や国外の求人となるケースも存在する。
特に中国・韓国・台湾の求人が多いため、語学力が高いと採用につながりやすい傾向がある。
転職エージェントを活用する
ソフトバンクに限った話ではないが、大手企業への転職活動には転職エージェントの活用をおすすめする。
これは転職エージェントにしか出回らない非公開求人が多く存在するからだ。
ソフトバンクの場合、年収1,000万円を超えるマネージャークラスの求人はそのほとんどが、転職エージェントを通した非公開求人となる。
そのため転職を検討している人は直接応募するのではなく、転職エージェントを介して応募することをおすすめする。
非公開求人以外にも転職対策の有無やES突破率にも影響があるため、転職エージェントを利用しない手はないはずだ。
新規事業立ち上げを狙う
ソフトバンクグループはベンチャー企業を始めとした多くの事業に投資をおこない、子会社やグループ会社に取り込んでいる。
そのため、新規事業の立ち上げが多く既存の職種以外の募集が定期的におこなわれる。
近年では半導体設計大手ARM Holdings plc(アーム)を買収した際に、多くの技術者を採用した実績がある。
転職をおこなうときは新規の事業立ち上げがおこなわれているかも注目仕手おきたい。
これら新規事業の立ち上げに関する求人は非公開求人であることがほとんどのため、ビズリーチを始めとしたリクルートエージェント・JACリクルートメントといった転職エージェントに登録することを忘れずにおこなって欲しい。
実際の口コミをチェック
ここからは実際にソフトバンクグループの書き込みについてチェックをおこなう。
このチェック作業は情報の正確性を確認する行為であり、情報があふれている現代において重要な作業の1つになる。
ここではTwitterを中心にソフトバンクグループの口コミと思われるものをピックアップし、その真偽や正確性を確認していく。
年収についての口コミ
就活の時に四季報眺めてたけど、特に情報通信関連の大企業の平均年収はピンキリ。大体400万円~950万円くらい。ソフバンとか高く見えるけど、役員報酬除いた従業員の平均給与は結構低いからな。
https://twitter.com/tsunasandot/status/1239128947045961728
このツイートに関してはソフトバンクグループのどの会社を指定しているかを確認できないため、正確なチェックはできないがおおむね間違ってはいない。
役員報酬は多くの場合平均年収に含まれており、平均年収を底上げする要因となる。
そのため実際に入社してみると年収が低いと感じてしまう人が一定数存在する。
引用元の引用リツイートにもあるように四季報といった情報を正確に確認し、転職後のギャップに苦しまないように気を付けていきたい。
残業や福利厚生の口コミ
今日って関東住みのソフトバンク社員が東京ドームに集合の日だっけか ファンじゃない人にとってはひでえ残業だなwwww
https://twitter.com/oda2186fan/status/1148220737578082304
ソフトバンクグループはプロ野球球団を所持していることもあり、鷹の祭典と呼ばれるイベントに社員が参加することもある。
当然強制力はなく任意参加ではあるが、野球に興味がない人にとってはあまり楽しいイベントではないのかもしれない。
業務の一環ではないため残業代は発生しないが、ツイートの投稿主は残業という表現を用いて参加したくない人の気持ちを表していると思われる。
前項で解説した通りソフトバンクグループの残業時間は30~40時間であり、極端に長い残業を強いられるケースは皆無である。
ネット上に氾濫する情報には真偽不明の情報が多く、鵜呑みにして誤った認識に陥らないように心がけたい。
経営方針についての口コミ
携帯販売クラスタでもソフトバンクを辞めたら転職先がソフトバンクに買収された話があったな…。
https://twitter.com/ktaros2/status/1194695287626821632
ソフトバンクはインターネット上であまりよい印象を抱いていない人も多く、多数のデマが流布されている。
しかし、ツイートのような話は実際に見聞きすることも多い。
これはソフトバンクグループが拡大経営の路線を進めているためであり、合併吸収した先に元ソフトバンクの社員がいても不思議ではないためである。
インターネット上ではこの拡大戦略や創業者である孫正義氏への攻撃が、ソフトバンクグループへの攻撃になっていることが多い。
これらの情報に惑わされないように、転職活動に活かして欲しい。
ソフトバンクグループの特徴
ソフトバンクグループの事業内容
ソフトバンクグループは、インターネットを事業基盤として成長を続けてきた。情報産業の中で「ソフトバンク事業」「スプリント事業」「ヤフー事業」「アーム事業」「ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業」「ブライトスター事業」などを展開している。
以下に、各事業の概略と、主な事業会社について述べる。
ソフトバンク事業
国内の移動通信サービスや携帯端末の販売、個人顧客を対象としたブロードバンドサービス、法人顧客を対象としたデータ通信などの固定通信サービスを提供している。
移動通信サービスとして、メインブランドの「ソフトバンク」、低価格のサブブランド「ワイモバイル」、そして「LINEモバイル」の3つのブランドを展開している。
主な事業会社
- ソフトバンク株式会社
- Wireless City Planning株式会社
- SB C&S株式会社
スプリント事業
アメリカでの移動通信サービスの提供や、そのサービスに付随する携帯端末やアクセサリー類の販売、固定通信サービスを提供している。
主な事業会社
- Sprint Corporation
ヤフー事業
「Yahoo! JAPAN」において、トップページや「Yahoo!ニュース」などメディアサービスの集客を利用して展開する広告サービスを提供している。
また、「ヤフオク!」、「Yahoo!ショッピング」「Yahoo!トラベル」などのeコマース関連サービス、「Yahoo!プレミアム」「Yahoo! BB」などの会員向けサービス、「Yahoo!ウォレット」「Yahoo!カード」などの決済関連サービスを提供している。
主な事業会社
- ヤフー株式会社
- アスクル株式会社
アーム事業
2016年に買収した英国の半導体設計大手ARM Holdings plc(アーム)は、スマートフォンから自動車、スマート家電まで、あらゆる電子機器に組み込まれる半導体を設計している企業だ。
世界で最も広範に導入されている最新技術のIP(回路の設計情報などの知的財産)を保有し、プロセッサーのIPおよび関連ソフトウエア、ツール、IoTプラットフォーム、ソリューションテクノロジーを提供している。
アームのプロセッサー・デザインは、ほぼ全てのスマートフォンのメインチップに組み込まれており、私たちが普段使うモバイル端末になくてはならない技術となっている。
ソフトバンクグループの事業の中で、これからの新しい情報革命を支える重要な存在といえる。
主な事業会社
- Arm Limited
ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンド事業
「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」は、グローバルにテクノロジー分野へ出資することを目的とした10兆円規模のファンドとして2017年に設立された。運営はソフトバンクの英国100%子会社「SB Investment Advisers(SBIA)」が行っている。
ソフトバンクグループとサウジアラビアの「公共投資基金(PIF)」が最大の出資者であり、他にも複数の先進企業が出資者として参画している。
投資先はIoT、人工知能、ロボティクス、モバイルアプリケーション、通信インフラ、バイオ技術、クラウドテクノロジー、FinTech、等広い範囲のテクノロジー分野だ。次世代のイノベーションを引き起こす可能性のある企業やプラットフォーム・ビジネスに対して投資を行っている。
また、ソフトバンクとアラブ首長国連邦アブダビ首長国のムバダラ開発公社が出資する姉妹ファンド「デルタ・ファンド」も設立されている。
主な事業会社
- SoftBank Vision Fund L.P.
- SB Delta Fund (Jersey) L.P.
- SB Investment Advisers (UK) Limited
ブライトスター事業
2014年にソフトバンクグループの子会社となったブライトスターは、米国の携帯端末の卸売を中心とする事業を行う企業である。携帯端末やアクセサリー類を取り扱う世界最大規模のモバイルサービスカンパニーである。
70カ国の通信事業者、小売業者、企業を顧客として、新品の流通から中古品の流通まで、携帯端末のライフサイクルの全段階に関わってる。
主な事業会社
- Brightstar Corp.
その他事業
ロボット事業や福岡ソフトバンクホークス関連事業等、さまざまな事業を展開している。
主な事業会社
- ソフトバンクロボティクスグループ株式会社
- 福岡ソフトバンクホークス株式会社
- SBエナジー株式会社
- アイティメディア株式会社
- ソフトバンク・テクノロジー株式会社
- 株式会社ベクター
ソフトバンクグループの組織体制
持ち株会社であるソフトバンクグループの子会社数は1,141社、関連会社数は385社、共同支配企業は26社(すべて2018年3月末現在)である。
事業ごとの主な子会社は上記に述べたとおりだ。
ソフトバンクグループに転職を考えている人は、ソフトバンク以外にも多くのグループ子会社があることを把握し、その中でどの会社に転職を狙うかも重要となる。